陽が射してきて
枯れ木が透ける

焼き付いて 
焼き付いて 
焼き付いて

網膜がちぎれ 
ふくらみ
あわただしく駆け込む 
木陰の暗室で
白と黒
光のはためきを
視るわ
...
見たことのある大人の
さらりとしたもうお帰りなさいの言葉が
肌の羞恥で
ぽた、
と、密かに融けた夕方5時


ええ
子供はわざと赤
のち、黒でした、その速度を把握でき ...
(何ひとつ書くことはない)
あなたの存在そのものが
詩であり 世界であるからだ

鰐が天井にはりついて僕等を見下ろしている

それもまた
ひとつの世界だ

あなたは僕の父親と同じ歳で ...
仕事帰りにくたびれて
重い足どりで歩いていると
駅ビル内のケーキ屋に
女がひとり
微笑みを浮かべて立っていた 

ガラスケース越しに
ふと{ルビ眺=なが}めるささやかな幸福

その{ ...
{ルビ穏=おだや}かな初春の陽射しを{ルビ額=ひたい}にあびて
目を細め のんびりと自転車をこいでいた

狭い歩道の向こうから
杖をついたお{ルビ爺=じい}さんがびっこをひいて
ゆっくり ゆ ...
貴方のことが好きだから
貴方と比べてしまいます

貴方はこうだった
ああだった
似ている
違う

私にとって
貴方が一番

でも
私が知っているのは
あの時の貴方
過去の貴 ...
何故降り積もったのか
僕らを組成する因子は
間違えることなく
ある日僕らを僕らにした

悲しみは毎日のように語られけれど
掌には幾ばくかの幸せが残されている
まだ誰も本当の悲しみ ...
歩道の残雪を
踏みしめる律動
声でもなく
音でもなく
歌でもなく

  白い吐息に飽きて
  見上げる
  大気の天蓋
  一弦の
  その楽器

  透明におびえ
   ...
胸と胸
肩と肩
重ねて
重なって

眠る街
ショーケースの隣
動かない
ふたりはオブジェ

なんだか
ちょうどいいですね

そうだね

タクシーの ...
飲み込んだ

ダイヤのピースは

光り輝いている

そう今も

ぼくはもう

こんなアンシャンレジースなんてうんざりだった

近くのエケレジアからは

悲しいエレジーが聞こ ...
一段と冷え込む夜こそは
君のその名に相応しい

張りつめた空気
静かに降り注ぐ光に
映し出される{ルビ現実=オモテ}

打ち放った声
遙か彼方に吸い込まれ
暗く広がる{ルビ現実=ウラ ...
「詩の授業をします」

情景や作者の心情を
貴方は淡々と語る
それは
授業方針に則って
淡々と

貴方は
詩を書いたことはありますか?
教科書に載っていた
「あなた」と「アナタ」 ...
午前三時の張りついた
テレビジョンが映すのは
夢に飢えた幻
街灯は常日頃
暖房とコップ一杯の水
憂鬱の揺れ
たったヒトイキの息

デジャヴのネオンは過激さを増し
ショッキングピンクが ...
降り続く雨が
肩を優しく包むから
あふれた涙が止らない

ひとしきり泣いたあと
涙のわけを考えたけれど
言葉にすることが出来なかった

それは
生まれたときから
始まっていたのかも ...
暗闇の中
まっしろな雪が
舞っている

遥か彼方の高みから
白い花が舞い落ちる

音も無く
無邪気に
降り積もる雪は

やがて
世界を
ひといろに塗り込める

憶 ...
学校には開けることのできない
扉がありました
旧校舎の階段の裏のあたり
七つの南京錠のかけられた扉でした
錠のひとつひとつに一匹の蜘蛛が巣をかけていて
人の手を遠ざけて 日曜日になると
し ...
色もかたちも失うほどにかがやき
原への道を埋めてゆく花
光にひらく午後
花に閉ざされる午後


檻のなかの木が
檻を呑みこみ
空を覆う
たったひとりの森になり ...
銀の魚
キララ
宙に浮かんだ
不思議なスプーン
美しく

(透明な水を満たしたガラスの箱)

銀の魚
キララ
張り詰めた神経は
とても敏感に
状況を捉え続ける

この広い世 ...
激しい荒波に揉まれて
はじめてたくましくなれる

甘く優しい環境では
自分の身もろくに守れない
ひ弱な生き物にしかなれない

厳しく辛い境遇の中で
生き残るために必死で知恵をしぼる
...
詐称猫は今日も星の名を騙る

彼女はあの有名な

『賭博猫』とも友達だったが

いつも騙されてはひどい目にあっている。

彼女は僕と話すときは

不思議なものを見るような目で
...
鉄橋を渡るときは
風が抜けていくから
とてもいい気持ちだ

見晴らしが良く
揺るぎ無い構造に
安心して身を任せ
渡り終えると
すぐに
油断のならない鉄路が続く
緩んだ犬クギ一本 ...
猿は社会を持っている
そこには自分より格上の者と格下の者がいる
人も社会を持っている
同じように自分より格上の者と格下の者がいる
あるいはそうだと思いこむ

人はみな平等であるべきだ
た ...
地下鉄脇にある箱の中で
友人とワインの
ハーフ・ボトルを
分けあって
薄暗い蛍光灯のせいで
だんだん言葉は
虫のようだ
かさかさと鳴く君の横で
僕はきりきりと答える
発売まで指折り数えたCDを
ようやく手にして
するするセロファンを
むいているときのときめきは
リンゴを倍速でむいているみたいで

ポンと
再生ボタンを押すと
さらに加速度を増して
...
そんなんじゃ この先 続けていけないよ・・・



そう言われて 我に返った


苦しいのは 辛いのは 僕だけじゃない

君もなんだ



気落ちすると 自分のことでいっぱい ...
名も知らぬ笑顔に 視線は釘付け
ド派手なれっぐうぉーまーが よく似合ってて
姿を見つけては チラチラ横目で盗み見る

今ならもうちょっと 巧いことできたんじゃないかな
分かってる こんなこと ...
僕はどうしてこうして
生きることに一生懸命なのだろう?
漫然と生きているようで
死に物狂いの努力をしなければ
人間はそこに存在することなどできはしない。

死に物狂いで努力することだって惰 ...
無垢ということばをきみはエンジェルの首とたとへる一月も冬


戦場に突如飛来す少女その名前を問わばサイレンが鳴る


ラララララきみが歌えばきみの歌、土足でだれのメロディー奪う?

...
求めるほどに遠ざかる


たとえばそれは
恋する心の言葉たち

愛してると言うほどに
何かが薄れてしまいそうで
それを補う言葉を
また探そうとする


求めるほどに遠ざかる


たとえばそれは
つ ...
それは綺麗な海岸の砂
流されて戻っていくうちに
綺麗になったような
そんな色をしている

こんな所に愚痴を落としたら
明日には綺麗になるのだろうか
そんな愚かな考えは波に漂う

それ ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
サーキットの中を阿麻自由詩4*06/1/15 13:55
融ける帰路A道化自由詩10*06/1/15 13:50
鰐と谷川俊太郎岡部淳太郎自由詩5*06/1/15 13:27
恋の花服部 剛自由詩8*06/1/15 13:16
そらにひびくこえ自由詩8*06/1/15 13:13
貴方十六夜自由詩106/1/15 13:09
雪眠るたもつ自由詩706/1/15 12:53
オクターブの双月夜。たりぽん(大...自由詩12*06/1/15 12:27
冬のオブジェuminek...自由詩3*06/1/15 12:14
エレジーこめ自由詩106/1/15 12:04
弓張り月朱華自由詩5*06/1/15 11:48
国語の先生へ十六夜自由詩1+*06/1/15 11:42
静かなバリウム本村K自由詩1*06/1/15 11:28
白い夜LEO自由詩8*06/1/15 10:57
*結晶*かおる自由詩7*06/1/15 10:50
学校刑部憲暁自由詩206/1/15 10:49
姿の源 Ⅳ木立 悟自由詩206/1/15 10:11
銀の魚日朗歩野自由詩206/1/15 9:48
悲しい歌和泉 誠自由詩0*06/1/15 9:14
詐称猫昏(ヤッカ)携帯写真+...7*06/1/15 8:53
平行線の男あおば自由詩4*06/1/15 8:02
売れる詩の作り方・2和泉 誠自由詩0*06/1/15 7:52
虫籠太郎冠者自由詩2*06/1/15 6:45
つぼみの風まほし自由詩13*06/1/15 6:15
距離空 春色自由詩1*06/1/15 5:10
後片付けFUBAR自由詩0*06/1/15 4:42
存在。ミキ・オキタ自由詩1*06/1/15 3:52
修羅場本木はじめ短歌606/1/15 3:07
求めるほどに遠ざかるベンジャミン自由詩2*06/1/15 3:03
それは海月自由詩2+*06/1/15 2:22

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加筆訂正:
因果/こしごえ[06/1/15 12:05]
すみません。3連一行目修正しました。
蓋天宣夜/佐々宝砂[06/1/15 3:30]
表記を若干訂正
6.32sec.