女:うち、冬の夜空って、好きやわ 空気が澄んで星が綺麗やし
男:そやなぁ、オリオン座だけでも豪華やもんな
女:あの3つ並んだ星があるとこがオリオン座やんなぁ?
男:そやで、あの三連 ....
{引用=
今年の 年越しそば は、ひと味違うのよ
当ててみてよ
「ん? スープが違う?」
そう!
なんでしょう?
「 おぉ 味噌か 」
}
こんな男 ....
飴色の地盤は
不思議を綴じた歴史を詠う
黒絹が天空を翳ませ、解れた模様を編んで流す
苦笑いしつつ光の輪を頬に受け、寂しい溝に沿う路をどこまでも慕って
鍵型の角、真っ白い蹄の牛が、艶やかな車の輪 ....
「君、を燃やしてみたいよね」隣で三月さんが言った。
「え、私の、ハート?」笑って答えてみた。
「いや、身体だよ。ほら、髪の毛とかさ、そういうのに
火をつけてみたくない?」そう言 ....
暇つぶしに入った喫茶店で煙草を吸いながら、注文したものを
忘れていく。誰もそばにいなかった。そもそも友人なんていた
記憶もなかった。誰か可愛い女の子と恋に落ちたかった。友に
な ....
零れていくもの。
今日も白衣を着ていた朝、ロッカルームから出てくると、
弓ちゃんが反対側の扉を開けて、私を見て笑った。
「初音ちゃん、もう来てたの? 久しぶり!」
羽み ....
15 嘘 (終)
結局
あたしとまゆこさんがいた場所は
なんだったのだろう
夢ではなかった
ことだけは
確かだ
ただいま
鍵 ....
{引用=
年が明けたら
一月になれば
初詣に
神社へ
おみくじを
ひいてみます
"大吉"が
出れば良いなぁ
巫女さんに
「こんにちは」
声を出して ....
わたし、よくわかりません
あなた、だとかせかい、だとか
そういうの
映画みたいなんですもの
ぜんぶ
心が鼓動しないのですもの
なぜか
おかしな夢を見ているようなんですよ
わたし
....
リキュールゼリーを食べて 酔ってしまった夜
蛍光灯の下で 瞬いていたのは自分の目蓋だった
ローソクを一本 皿の上に置いてみる
横にあるフォークとナイフ 銀食器の光り
....
君への電話
開いた君の声が笑顔だった 過ぎ行く眼の前の車の音が
急に聞えなくなるような 気がした
時折考える 私を思いとどまらせるもの って何だ ....
握った手ほど開いて いて… 君の足元も
立ち止った季節、君が言った「いつも死ぬって言ってるよね、
…それで、
....
こおりは笑顔を失くしていた。
あなたが消えてから、
見えるものすべて色あせ、
聞こえるものすべて通り過ぎてゆく。
こおりは笑顔を失っても美しく、たくさんのひとが彼女に魅せら ....
14 絵
なぜ
観覧車が少女のために
あれほど傷つき
苦しむのか
わからなかった
今でも
本当に理解できている自信
はない
そ ....
君と待ち合わせた路面電車の駅の出口、
電信柱に凭れて煙草を吸っていた。自分のかいたものを読みながら
なんてつまらないんだろうって思いながら。
見上げると乾いた冬の青い空で、水 ....
来春、君と結婚したい男が私にごめん、と言う。
すまない、と繰りかえして言う言葉が頬を滑らかに這う。
ずっと不思議に思っていた。私が、どうして君と繋がり合えなかったのか。
胸を打つ ....
可愛い人がいる。
「一緒に寝ないんですか」七月にそう私が聞いて、並河さんは
「うん 寝ないよ」そう答えて、奥の布団で眠った、夏。
九月、眠っている私の頭を撫でて、並河さんが ....
クリスマスの
イルミネーションの陰には
忍者がひそんでいて
みんなのおこないや
愛の深さを偵察しているのでござる
担当する区域を
偵察し終えると忍者は
忍び足で誰に気づかれることもな ....
嗚呼
いつまでこんなことを続けて行く気なの
どうか僕にはなにも求めないで
空っぽだから。
メガネをかけていた理由も
赤いバッグを捨てた理由も
言わないから
知らないよ
....
まだふっきれていない電線を、空の下から眺める。
僕等、まだ生きていてつまらないことばかり考える。
例えばいつもなんど かけても留守電にしかならないのは
君が僕を嫌っているの ....
を、ありがとう。ね。
浜崎あゆみの声って伸びないなあ、なんて今更言ってみてさ、
君の手の平をそっと齧ってみる。君の肘をそっと舐めてみる。
ぺろぺろ。ね。
鳥たちが冬を支えて帰ってくる。 ....
白い 大きな犬が 川辺で少女を咥えて歩いていた 夏にしては
涼しかった日が 落ちていく
昨日 焼いた肉が手首を茶色く 焦がしたまま 腐敗していく
ララバイ ピンキーを取り出して 言っ ....
13 鍵
建物じゅうがひっそりしていて
でも
拒絶感はなかった
足音が廊下を転がっていく
ころころ
まねたあたしの声が
あとを追う ....
「当時」「杜氏」「東寺」「湯治」「答辞」
本日の"NGワード"
そんな設定がされているのにもかかわらず
あなたはNGワードを連射する
しかも「東尋坊」まで重 ....
たいしたことはない
つい昨日携帯を変えた
何年もtukaから乗り換えろ乗り換えろと脅され続けたが
美しい緑色を出す気の無いauになんか媚びてやるもんかと
虚勢を張り続けた結果出た待望のインフォ ....
嘘をついた つまらない、つまらない嘘
嘘をついた瞬間に 津村さんが それに気付いたことに
気付いていた
つまらない、どうしてあんなことに 嘘をつくのだろう、唇が
脳味噌を直結して ....
憂鬱な君へ
わわわッ、て叫んでみる、なんて嘘です。かかかッ。
未来が不透明で、思ってきたものと少しずつ違ってきていて、
これから先、生きていても楽しくなるなんて到底思えなくて、
考えら ....
12 靴
身体が自然に
階段の上から二段目に座った
靴箱にずっと押し込んだままだった
ジョギングシューズ
しっかりと紐を結びなおす
....
今じゃないし明日でもない らんっ
雨が降っても 晴れても 電車に飽きてくる車窓
俺って言う人が羨ましくて 朝電車の中で何となくつぶやいてみる
「お、俺、俺ぇ!」「ちょ、俺だよ俺っ」「っも〜、 ....
クッキーを作ってた水曜 夜
テレビが家にないので 見るときは多分
友人の家かどこか
「一緒に寝ないんですか」
そう、並河さんに訊いたのは 今まで泊まってきた人たちが
いつで ....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
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