幼い北風よ
どうして生まれてしまったのだ
幾千の肌を食いちぎって
いったいどこへ行ける
人々は固く戸を閉ざし
おまえはぼろぼろになってまで
何故、にぎやかな街並みに ...
風のつよい満月の夜だった
荒れ狂うものは風しかないようだった
風は目には見えなかった
近くで音と圧力がほどけていた
夜いちめんの雲が月の光を吸っていた
それらがブラマンク ...
地下鉄のホームはいつも妙な匂いがする。田舎育ちの美津には、あまり馴染みのなかった匂いだ。地下鉄のある街に引っ越して、もう3年がたとうとしているのに、未だ慣れない。
地下鉄に乗るとき、いつ ...
仕事を終えて
草臥れた足を引きずっていった
夜の職場の食堂に
巨きな鮭のお頭達が
どっさり、皿に盛られていた。
たじろいだまま
ぼうっと手を出せない僕に
焼かれた白い目 ...
{引用=
波に揺られているのがあたりまえでした
足が地に着いていたことなど稀で
たくさんのしあわせに濡れては
なんて、寒いんだろうって思っていた
あなたがとてもかなしそうで
...
小学校にはいって間もないころだ
ぼくは母と兄とで電車に乗った
扉が開いて母が座った席の左隣を
すばやく兄が占領した
母の右隣の席は空いていない
ぼくは兄の隣に座るしかなかった
母は電車 ...
{引用=
滲んできた雨が
ぽつりと靴に刺さる白い真昼
耳の寂しいわたしは
(あぁ ピアスがほしい)
なだらかな耳朶に
ひそやかな穴をあけてしまうことは
どうしようもなく哀 ...
満月や野分のあとはちりほこり
脚二本欠けて眠れり秋の蜘蛛
物音や今年は柿のはづれ年
銀杏をつぶして行けり救急車
行秋や祭りのあとの歯の痛み
晩秋や恥を数へて夜もすがら
...
全寮制の中学に通っていた
六時から十時までは
途中休憩をはさんで学習室で勉強だった
中間試験が終わった十月の土曜日
その日だけは自習時間がなかった
テレビ室には二十人くら ...
入口だけでは
わからない
ひとの気持ちは
わからない
上辺を撫でる間柄
いつになったら変わるのよ
たとえ傷ついたとしても
汚れたとしても
炎症を起こしたとしても
わたしはまったく ...
家の前に綾香は立っていた。
結局どうすることもできないまま、立ち尽くす私に呆れ、直子はチャイムを鳴らしている。
「おっかしいなぁ。おじさーん!!おじさーん!!直子ですっ!!!!綾香連れてきました! ...
意地悪なお嬢様は
デートの途中の事
突然走ってきた馬車に
長ったらしい髪の毛引っ掛け
上品ドレスも台なしね!
自慢屋の王子様は
ベースを掻き鳴らしてた
そして権力で乗っ取った
武道館のライブ ...
自販機の隣で鎖に繋がれ
目隠しされて上半身だけ
針と見紛う腕には咬み傷
たぐりよせるような手付きしている
殴れ 殴れ 殴れよ
打てばくたびれた乳房が涙を流し
満腹になるまで飲むこと ...
{引用=off
部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。
街灯の光がカーテンを透かし
...
曇天の雲突き抜けて昇る体
雲海の国は常光の風
そろそろと歩く街並み寂しさの
つのる昏さに雲の降り来る
空昏い時の収穫夕刻は
...
それは八〇年代に現れたバンドで、知ったのはオールナイトニッポンというAMラジオの深夜番組だった 当時十五歳だった僕はその音と詞と声に夢中になった CDプレイヤーも持っておらず、レコード店というものが縁 ...
軽トラックの後ろから
眺めたあなたの姿が
あまりに女だったから
私はこわくなった
へだてたガラスを殴って
振り向かせたかったけど
バックミラーで私の顔を見られたくなかったから
寝転んだ
...
オレンジの皮をむいて
水平線のことを考える
世界が丸いことの隠喩
果実が丸いという現象
恋人が好んだマーラー
引越しのときに紛失し
あれから探しているが
どうしてもアナログは
...
『蜻蛉の髪飾り』
茜日差しの風に消えていく羽根、透きとおる空気。
柳都長屋の白壁に痕跡はまだ、残っている。
(微漣は鳴り、斜日の浜)
足首辺りに、冷たさ。
斜日の浜から、 ...
思う存分の冬に願かける
冷気 霊気を含み常緑樹
ラプラタの夏に立つ我が半身
私のカケラがラプラタ川に石投げる
やっと他所まで来れたようだよ
世話焼いてくれんなよ
ずっと先が消えてるんだ
なにもかも最初から
風邪引きの窓にも
ちょうちょはとまる
すべて台無しでも
憂鬱ぐらいなら世界はほっと ...
もっと息子と向き合えよ
と 夫は言う
筋ジストロフィーの息子は
23才になった
もう 完全に大人の男だ
あの頃
あの6年弱は
わたしにとって格闘の時代だった
小6の担任から ...
宇宙のどこかに
僕に都合のいい星があって
ただで旅行できたら
きっとつまんないだろう
にっこり笑って
ごめんだよって
逃げ出せる強さが欲しい
歌ぐらいなら唄えそう
そばぐらいならい ...
重も、その娘に手を差し出すと、つとその手を握り締めて暗い廊下を、何人もの男をそうしてきたような慣れたいざない方で部屋へと連れていかれる。
そんな時、言葉など必要ないのが、いまだに英語もまま ...
中島みゆきの『悪女』の次シド・ヴィシャスの『マイ・ウェイ』
を大音量で聴きながら唄いながら国道50号をぶっ飛ばす貴女に
びびりつつも県境越える前に早くもあたし嘔吐感、信号待ちで
ラッキーストライ ...
君が夕陽の下で無邪気に跳ねる
君が近づいて 微笑みながらはしゃぐ
その一瞬が 詩へと向かっていく
遠い遠く いつか君が言葉になる日に 向かっていく
言葉と言葉の間で祈りがゆらめき
...
死んでしまった女の子から手紙を貰ったことがある
もうおよそ二十年近くも昔の話だ
勿論その手紙は亡くなる前に貰ったもので
彼女はその手紙を書いてから三年後に自殺をした
手紙の消印は十二月十八 ...
ぜんまいが壊れたから、神様が代わりに心をくださったの。祖母は私だけに、内緒でそう教えてくれた。昔ね、おばあちゃん、お人形だったのよ。とってもきれいな、きれいなお人形……。私の手を握る祖母はそう呟くと ...
定時を3時間過ぎて、本日の業務終了。
ロッカーから鞄を取り出して肩にかけて、更衣室を後にした。
「ちょっと変わってるね。その鞄」
話しかけてきた彼と、一緒に飲み屋に行き、彼の部屋 ...
木漏れ日から漏れたような
あなたを愛してみたい
ヒヤシンスの花のように
あなたを信じていたい
画家が描く睡蓮は光りに包まれて
沼の底まで生きている
そこは何処にあるの
額に収められたあな ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
北風
七氏
自由詩
0
09/11/2 22:36
あかるいブラマンク
吉岡ペペロ
自由詩
5
09/11/2 22:35
『美津』のはなし
亜樹
散文(批評...
1
09/11/2 22:21
鮭の頭
服部 剛
自由詩
4
09/11/2 22:18
せめて
あぐり
自由詩
4*
09/11/2 21:01
わからないまま
殿岡秀秋
自由詩
3
09/11/2 20:59
雨粒が耳にあける穴にたまる
あぐり
自由詩
2*
09/11/2 20:53
晩秋
三州生桑
俳句
1+*
09/11/2 20:32
中二の秋
吉岡ペペロ
自由詩
5
09/11/2 20:30
奥まで愛して
花形新次
自由詩
1*
09/11/2 20:16
PIGSTY④
暗闇れもん
散文(批評...
0
09/11/2 17:35
逆転Positive
黒乃 桜
携帯写真+...
2
09/11/2 17:30
生贄のヴィーナス
ゼロスケ
自由詩
0
09/11/2 17:22
off
夏嶋 真子
自由詩
30
09/11/2 16:28
空 寒い
アハウ
短歌
2
09/11/2 15:44
Welcome To The Lost Child Club
within
自由詩
2*
09/11/2 15:38
軽トラ家族
朧月
自由詩
3
09/11/2 14:40
中間試験
瀬崎 虎彦
自由詩
3
09/11/2 12:57
秋の種。
おっぱでちゅ...
自由詩
1
09/11/2 12:51
ラプラタ川の散歩
アハウ
俳句
2*
09/11/2 8:38
オーバー ザ ウィンドウ(95)
竜門勇気
自由詩
0
09/11/2 6:45
時代
森の猫
自由詩
12*
09/11/2 6:11
ユートピアのためのあらかじめ書かれた訴状
竜門勇気
自由詩
0*
09/11/2 5:52
「冬の肌」(2/3)
月乃助
散文(批評...
4*
09/11/2 3:48
スピーディン・ロマンサ(the speeding roman ...
都志雄
自由詩
3*
09/11/2 3:46
君は希望へと紡がれたポエム
セキラボ!
自由詩
0
09/11/2 1:51
死んでしまった女の子から貰った手紙
あらら
自由詩
6
09/11/2 1:35
発条と心臓
古月
自由詩
1
09/11/2 1:12
創書日和「鞄」 こころのカタチ
逢坂桜
自由詩
3
09/11/2 0:25
何処
乱太郎
自由詩
9*
09/11/2 0:02
4174
4175
4176
4177
4178
4179
4180
4181
4182
4183
4184
4185
4186
4187
4188
4189
4190
4191
4192
4193
4194
4195
4196
4197
4198
4199
4200
4201
4202
4203
4204
4205
4206
4207
4208
4209
4210
4211
4212
4213
4214
4.68sec.