今日も元気に穴を掘ろう
やろうと思えばどこでだってできる
ただ道具は常に新しくなくてはならない
頼んだぞ二十九番目のスコップ

以下、穴掘り中の音声を録音したもの
再生というより復活

 ....
三十過ぎて 
忙しさを言い訳に 
すっかり運動不足の僕は 
最近腹筋をはじめた 

しばらく鍛えてなかったので 
体を起こすたび 
床から上がってしまう両足を 
しっかりと抑えてくれる ....
春の海はやわらかい
海と空との
地平線は線ではなく
ぼんやりとしている

春の空はやさしい
山と空との
地平線は線ではなく
崩れた帯のよう

近くで波の音がする
何度も繰り返すも ....
とても大きな水たまりを 
陸の存在しない方へ 
夢中になって泳いでいく 
いつしか亀の姿をかりて
雲がほとんど透き通っていて 
青いばかりの視力の中で 
規則正しく諳んじられる 
無限の ....
心配事の多い夜に
あなたがまつげを上に向けて
なにもない灰色を
そっとめくる


そらのうらがわには
てんごく なんてものはなかった
ただ
春めいたゆうやけがとろけていて
おも ....
青空の下に
大きな穴が並んでいる

列車が来て停まる
線路の端に
白い雲が湧いていておそろしい
時間になると汽笛がひびき
車両に載せられた人と財布を
地番外にできた
あたらしい穴まで ....
海にむかって荒れた泥土の地だ
青々と
七月の草が茂りきっても
空には爽快な音を残し 
人が飛んでゆく

診療所の一軒も残さぬ海岸は
茫々と
ゴミだ何だが顔を覗かせ
日がな 風にばたば ....
この両手はいつも
空を抱き締めて
あなたを描いている

どこにもいないものを
感じるということは
悲しいことではなくすばらしいこと
あなたが教えてくれた
後半は僕による捏造だとしても
 ....
 ボク女が大量発生したのは80年代前半だそうだ。

(1990年に海燕新人文学賞を受賞した松村栄子『僕はかぐや姫』は、「ボク女」が大量に生息している80年代前半の地方高偏差値女子高の文芸部が舞台で ....
母が縄跳びをしている
僕はしゃがんで回数を数えている
あんなに腰が痛い
と言っていたのに
背筋をピンと伸ばして
交差跳び、綾跳び、二重跳び
次々ときれいに跳んでみせる
既に数は百回を超え ....
こころは、
ころころしたいので、
いまからころころしますけれども、
ここでころころしても、
いいですか。
ころろ、
ころがったりもするので、
ころころもあもあ ....
           2003/07/11


充満する落下性の世界苦
水中にも拡散する軍事性
冠婚葬祭義理人情封建制
孤児ハッチの騙し絵隠匿
罵詈雑言の図案化俯瞰図
中性青年将校の ....
重ねるほどに
見えるものまで見えなくなる

それを情け無用と切り捨てようにも
思うが侭にならぬ身体と
曖昧な優しさで隠す意志の弱さ

諦めることさえ捨て去ってしまい
手の中の小さな夢を ....
あんなに降っていた桜は
何処へ流れていったのだろう
夜の手がそっと集めて
すこし北の、
山並みを越えたところへ
風に溶かして運んだのだろうか


翠を湛えた葉桜は
それはもう、
ひ ....
もう
どこにも帰れない

そんな気がした夕暮れは
どんなことばも
風にした



 ながれる雲の
 行き先はしらない

 突きとめずにおくことが
 しあわせだとは
 ....
両手の指のひとつひとつに
小さくやわらかな輪が回り
手を振ると鳴り
息を吹くと鳴る


午後の雲を聴いていると
輪も静かに聴いている
降る言葉に触れ
少し揺れる


握 ....
雨の日に
美術館の裸婦像は
艶やかに
やがて本当の姿を見せるだろう

ぼくも同じだ
ぼくの想いは風に乗り
雲と流れて地球儀の裏側の
ひとつの地平となるだろう
暖められた卵のように
 ....
―お向かいのお母さんとお嬢ちゃんが僕の庭のさくらんぼうを盗むのですがそのひそひそとした犯行が可愛いのです―

もうちょっとしたらもっとおいしくなるのよ(ひそひそ)
あさってとりなさい(こそこそ) ....
海岸に太陽が落ちていたので、
拾ってポケットに入れた。
手のひらは、
じゅって、
音を立てて燃えたけど、
そんなの気にならなかった。
どうしてもこれを、
 ....
臆病者だけが
乾いている
磁石のにおいの
ひどい穴ぐら
窓の外では
アスファルトが
黒曜石に濡らされている

  仕切の向こうの笑い声が
  うるさくてちょうどいい
  そんな時刻 ....
           2007/04/25


木漏れ日の郷
足軽の猫たち
群れをなして
ミャウミャウ
みゅうみゅう
みゅーみゅー
MewMew
mewmew
ミ ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
途切れがちの遠い波音に
あるいは
いつかの風景の肌ざわりに
私は
何を求めていたのか

カンバスは
筆先の触れた瞬間から
額縁にきちきちと収まってしまう
握り込んだ青い爪が
手のひ ....
雨が降り
音は昇り
遠く高く
曇のかたわらで鳴っている


かがやきと時間の洞のなか
青い文字に生まれる子
ゆうるりとひらき
外へ外へ歩み去る


離れた硝子と硝子 ....
           1999/10/05


襟元にひんやり秋風
まことに女ごころと秋の空
どこにも花なんか咲いてない
父母の供養に野の花を
野川の河原に来てみたが
あたりはすっかり ....
 何故だかわからないが、女性詩人の詩を取り上げて論じることに妙な躊躇があった。もちろん女性の書く詩が、男性の詩よりも劣っているなどと思っていたわけではない。優れた女性詩人は多く存在する。一読者として好 .... わたしはいつも、つつまれている。 
目の前に広がる空を
覆い尽くすほどの 
風に揺られる{ルビ椛=もみじ}のような 
数え切れない、{ルビ掌=てのひら}に。 

その手の一つは、親であり  ....
早朝の五時から受け付けをする
眼科の玄関の前には
五時前から人が並ぶ

診察は八時からだけど
みんな 少しでもはやく見てもらって
仕事や生活に戻ろうと
ガラス戸が開くのを待っている

 ....
{引用=
鱗はがし


   ぐったりとした坂の両脇

   片付けられたばっかりの ここは小さな店屋さん

   向かいではやけくそなハンマーが突き出た骨を打っていて

    ....
熱がある

からだのふちを{ルビ象=かたど}るように
白く明滅する波
その中に
おぼれている
ひかる 虫
いくつもの
目を瞑れば
しんしんとうなされて
 寝汗


小さく ....
ふるるさんのおすすめリスト(5825)
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