歩けない事が
空にのびていくために
必要なのだと
言い聞かせる事に
酔いしれ擦り切れ
根をかじる
悪食に
倒れたら
仲間になれそうな
錯覚を満たす
ひくことも
さることも
....
したたる、したたり、
侵食しはじめた月夜に
手足はどこまでも深く伸びている
やさしく影を包み込むようにして
月は、静かにあたたかい
当たり前のようにそこにいて
闇が照らすはずも ....
鳥取の冬を包み
かくすもの
街の音まで凍らせて
夜を沈黙で満たし
立ち尽くした
遠くで、雪おこしの稲妻が
夜を呼びさます
暗闇に置かれた水晶の透明が
今 ....
手が見えたレーンの奥にピン並べてる「バイト募集」の時給高額
090108
ミズーリー州を
ミシシッピー河が
とうとうと流れてゆく
流れていくのは水で
河ではないと
理屈をこねる
ぼくたちの前を
気をつけをし ....
ジャンプするときはいつか
分からないのに
控えた足どりで
ホップステップ、のループを
あなたも走っていますか。
一年が来てまた
リピート、あと何回も針の道を
針の跡を追われている
....
かもめよ、教えてください
埠頭をかすめて海に消えたひとりひら
海雪の行方を
海峡の雪雲に隠れたプロキオンだって
待てば姿をあらわすでしょう
その、抱く思いに揺れていたとしても
....
オリオンが
その名前を残して隠れ
朝は針のような空気で
小鳥の声を迎えうつ
わたしは
昨日と今日の境目にいるらしく
まだ影が無い
太古より繰り返す冬の日
あたたかい巣箱から
掴み ....
今年一年を振り返ってみる。
もう、書くことによって救いを求めるだとか、
そんなことは、
思わないことにする。
大掃除をした。
中学三年のひと夏しか着ていない、スクール水着が出てきた、新 ....
黒檀の便器などで有名な木工職人は今日も
繊細なディスクグラインダー遣い
ディスクグラインダーの刃はすごく堅いせんべいで出来ています
職人はそれが原因で二度離婚しています
窓 雪音
指 しずく
たどるままに
ころがる闇
水と光と
骨の轍が丘をめぐる
わずかな冬のはらわたを
苦く苦く抱きとめている
半ば沈んだ
舟の ....
冬枯れの木立のつづく泥濘の道、
小さな水溜りに爽やかな青空を映して
名も知れぬ誰かの、
虚しく残した懸命な足跡を
突然、山の麓から軋む音ともに登ってきた
四角張った黄色い一匹の獣が、
鋼鉄 ....
そして去年
飯島愛の上にも雪が降り
今年
小菅刑務所にも雪は積もり
来年も再来年も
ブロック塀のうえで裸足をぶらぶらしてるみなし子の上に
毛布の無い家の壊れた屋根に
....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです
私の言葉は上手でしょうか
そんなことよりも伝えたいことの、
たとえば月の輪郭を
なぞる指 ....
影を
その影を
見ていると
いなくなった人が
その中にいるみたい といった
母
姉や親の影に
似てきたのだと
その黒い動きの中に
いるのだと
そうだね
わたしもいつか
母さ ....
幻聴が聴こえる視界がゆがむ・・ガガ・・・剃髪されて気付くナンバー
数世紀後に発掘されてああ、これは何だと問われるミシン
にんにくは嫌いだってさ人とゆう文字を憎むと呼ぶような ....
ハゼがドラムを叩いている
道路の真ん中に寝そべって
一心不乱に叩いている
小学生の甥がよく言っていた
今日も魚が道端で
口をぱくぱくさせていたと
フリスビーにつかまって登校している甥は
....
こたつの中にこたつがあって
そのまた中にこたつがあって
そういうこたつマトリョーシカを作りたい
男子ラクロス日本代表ゴーリーが試合の最中に考えていたのは
要するにそういうことであった
酢飯を ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった
なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした
あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
....
電信柱に
このご時世に張り紙
ピンチ! 毛穴を探しています
独自のフォントで
大きくそう書かれていた
三歳ぐらいの毛穴です
食欲は旺盛
人懐っこいです
どこかで見かけた方 ご連絡下さい ....
ムーミン谷に不眠症はない
眠れなくても誰も困らないから
ムーミンママは
もし眠れなかったら台所の整理
夜出てくるトロールたちに
小さなお菓子をこさえてくれたり
あたたかい飲み物をくれた ....
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので
幸せになりたいとお願いしてみた
神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた
期待に胸膨ら ....
*
びんのなかにばかり
もがいたものを
さけんでいる
そんなフラスコは
こだまして
ゆれる、んるんる
+
かなわない
ゆうぐれに霧をはらんで
シャッターのじゅんびをすれば
....
乾いた空を見あげて泣いていると
(おとうさん
(あんまりやさしい気持ちになると
(涙がでたくなるんだよ
という
疲れたときは
ふうせんかずらの種をあげる
それから
ビールを買ってあ ....
君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている
―――ありがとう。
それだけで ....
夏子が中学生だったとき
気になっていた同級生の男の子と
二人きりで映画を見に行くことになった
男の子が誘ってくれたのだ
そのころダウンジャケットがとても流行っていて
夏子もダウンジャケッ ....
剃髪に立ち会った日の陽の光 淡く結んだらせんのつづき
葉脈にミシンをかける神様は季節のすきまは縫い合わせない
にんにくで追い払うんだ君のこと季節外れの桜の匂い
....
吐息が
しろく曇るのを見ると
少し、安心できる
わたしの日々は
ほぼ偽りかも知れないけれど
熱だけは、進もうとする熱だけは
たしかに思えて
安心できる
いつだっ ....
光にまぎれ
冬にまぎれる
ひとつひとつ
空に満ちる
花のかたちの水
ひらこうとする指さき
指さきは 指さき
雪になり陽になり
見えなくなり散らばる
....
るるるるる
るるるるるるる
るるるるる
崩壊するる
保育園のオルガンは息があらい
足踏みがねばついている
牛乳をこぼした
園児は花とともに卒園して
入学する前に死んだ
夜のこ ....
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