プリントを握り締めて
廊下を駆け抜けた
ひるやすみ 二十分
あぁ あの先生のところに書類を取りに行って
それから放送もしなくちゃ
合唱の練習
ポスター貼って あ 筆記用具忘れた
....
貞子先生は蓄膿で
昼休みや
授業中も突然居眠りを始めて
じっと見ていると
貞子先生のとがった三角の鼻の先から
鼻水がポトリ..落ちた
先生の思い出は
いつも穏やかな晴れた日
....
あしたという じを なぞっても
とけない なぞだらけ
ゆらゆら ゆれる
ここよ ここにいるわ
てより かくじつに ふるえる
たましいの こどう
しって しってほしいの
わかる ....
瞳孔が広がってきたな
俺も一生廻りあえないほどの汚ぇ顔してんだろう
金があっても無くても奴らからのモノはいつもカルキ混じりだな
ったく、口の中が臭くなるんだよ
ケイなんでそんな楽しいの
....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない
ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす
白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
はめこまれた
月 太陽
けれど 遠い所の土地だ
体でいけない場所だから
波おこして 乗るように
向かう
まわるカレンダーの
赤い丸は
ボタンになっていて
指先から舟にな ....
「メリーゴーラウンド」 12
ごめんね
見覚えのない人たちが
みんなわたしのことを知っている
という状態が
こんなに落ち着かないなんて
想像 ....
ゆめのぬけがら
すぎさるじかん
いまここにあるのは
しあわせのあしあと
いまここにあるのは
ぼくとくるまいす
きみは しらない
ぼくが すごしてきた
きみと おなじ
....
口をつぐんで 歩き出しては
くるはずもない未来に おびえたり
あるはずな私のかげに すくんでみたり
うつろいがちで ためらいがちな 過ぎ去る雲
ぱちん ぱちん
計算機たたいて ないはずの ....
僕のなかで名もない何かが暴れている
鎮めるための唄をうたっておくれよきみ
タイムカプセルの話なんか持ち出したりして
そんなんじゃいつまで経っても
掘り起こすことなんてできやしないさ ....
喉が渇いた気がしたのに
水を飲んでも
潤わない
ああこれはきっと
わたし
乾いてるんだ
まるで胃が裏返るように
我慢して
我慢して
でも限界がきたら
胃が裏返ったあとに
....
夜の神社は出店の明かりを一つだけ灯しているという話である わたしはまったくの夜にそれを探しにいく狐である 闇に薄れるわたしを見守るわたしはやはり夜の闇である 明かりは不思議と風にそよぎながら同じ場所を ....
この街にあるピアノの
ひとつひとつに
シールのようなものを貼っていく
たったそれだけのことで
君との近さや
遠さを
はかることができるのかもしれない
僕の心臓のすぐ側
....
むくろ に入った無実が
ちりちり と はえる
あれから 誰になるのか
飲み込んで 噛み切られるまで
とどめは さしたが
とどきは しない
光点の天
よりの
送源
....
糸のほつれは オークルの頃
所在なく 布地を這う
砂漠の穴を探って
袖をとおしてゆくドレッサー
底から透けて
ダークブルーのストッキング
トレモロの流線
す ....
桜の花びらが痛い
速度で
桜吹雪のなかを私は走った
青い湖を抜け
アスファルトの細道を
オフロードバイク
のアクセル吹かし
(鱶ではないが
....
a)
足りない
右の手
に
朝
本は昨日から
ゆっくりと
閉じられた
まま
b)
たくさんの階段や
もっとたくさんの
階段
のぼる足音や
もっとのぼ ....
からみあう木の根をくぐり
風のない海に出る
陸のほうへ 陸のほうへ
風は高く飛んでゆく
砂には浪が残される
浪のにおい 浪の色
浪のかたちが残される
雲は深く降りて ....
黄昏砂浜
半分埋もれた懐中時計は
壊れて逆回転をします
長針の影が伸びてきて
足元までは届かないまま
夜に溶けていきます
思い出と名のつくものは
一歩踏み出せば届きそうなところで
....
あなたは
子供っぽいことを言うと思うでしょうけど
あなたには
女みたいに情念で動いて欲しい
周りの目など気にしないで
ただ、私のことが好きだからと
それだけの理由で海をも渡ってきて欲し ....
あのひとの黒髪をみたことがない
彼女は髪の長いひと
はじめて手紙をくれたひと
姪っ子にリンゴ飴を買ってきてねと頼まれて
祭りの帰りに
「ちょっと待っててください」
と闇の中へと消えたひ ....
曲がり角を曲がると
君がいた
僕は驚いて振り返り
逃げ出そうとするが手遅れ
椅子に座った君がいる
こんな道のど真ん中に
僕は舌打ちをし空を見上げると
電線にぶら下がってる君
わき道に目 ....
やわらかいからくるしいのでしょう。目をつぶれば、しょぼしびれるまぶたの裏側にそれまで見つめていた画面の裏腹が白く白く皮膚をとおりぬけるかもしれないと思いきやひろがる想像上のパレードに身を包んでも目の奥 ....
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■箱とは、隠すための手段だ。箱とは■■
■、入るための手段だ。箱とは、入れ■こ■
■るための手段だ。箱とは、遮るため■の ....
手のなかの金魚がたどる路
響きのための階段を
宵宮の光が駆け上がる
かわいた飲みもの 食べものの跡
においはずっとたたずんでいる
街にやって来た映画の群れ
ひとつの方を ....
かさむ 夜のしおり
長く 読み続けた 香りに
ぽとり と落ちた
蜃気楼
恵みの火
溶けない爪のくず
明日というものが
あるらしい
たたむ手を
寄り添わせないよ ....
紙コップに注がれる筈のインスタントコーヒーでいい
白いカップに淹れて
ください
珈琲は
正装で飲むものかと
私を大正時代に連れて行って
銀の匙で
薄色のスー ....
誘惑してまた漂う欲
消えよう、と。
レコードが内包する闇
うっすらと透けて見えるカーテン
雫から滴るスペル
と、点。
滲まずに 立って
....
夢のまた夢
丑三つ時は眠っていたいの
怖い夢を見たくないから・・・・
美しい花畑を見知らぬ人と手を繋いで歩いています。
大雨の中 大きな魚を釣り上げて
雨は静か ....
どっちを向いても砂浜だらけの砂
部屋が思い出砂漠しているのでゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
あなたが沼へ帰るというので
わたしは途方にくれる
あの森はあなたの兄を食べ
わたしの妹を ....
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