駅のホームに
オクラがひとつ
おはなしは
あなたが考えて
(夜勤前に愛野駅にて)
台風去って 青空に見惚れる
白い犬が
着メロにあわせて唄う
わお〜ん わおぉ〜〜ん
林檎を食べていると
傍に来てお座りする
一片あげると
シャリシャリ ....
一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう
ぼくらは、たまに
どうしよう ....
ちょうどいい
ぐらいの悲しみをちょうだい
とんがりすぎてない
痛みをちょうだい
そしたら
きっと 幸せだから
笑ってばかりは 哀しいし
泣いてばかりも 可笑しいでしょう?
....
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
....
夜更けに
タンタンとタイヤを鳴らし
鉄の階段を降りて
僕の自転車が
外へと出掛けて行きます
(ほんとうは僕の自転車ではない
きみから借りたままのもの)
マウンテンバイクだから
....
三番線に十両編成の
パフェが到着した
中から降りてくる人たちはみな
クリームまみれ
母親に手を引かれた幼い男の子が
頭にフルーツをのっけて
昨日からだよね、昨日からだよね、と
....
電車に駆け込む、37℃の平熱
昨日の夜食は暴力のオブラート包み揚げ、
鼻つまんだら食べられるけど、おいしくない。
電車の中はオンザステージ、ヒットパレード
ファンクにきめる少女たちを讃えろ ....
ー いとしの ―
あいしてください
もっと
愛してください
それは
愛ではありません
愛しい
こそ 揺るがない
存在
もっと もっと 愛してください
そして ....
愛と
つぶやいてみる
それから
でたらめに
石と
愛の石
ではない
石の愛でも
ない
愛のような石
石のごとき愛
なんか
ちがう
てゆうか
なにやってるんだ ....
八月、蝉が鳴く。
斜面の高いところで、
楠がこんもりと枝を張って
身をゆする。
むいたばかりの
ゆで卵みたいな青空の表面へ、
陽射しをはじきかえしている。
降りそそぐ、
眩しい小さなつ ....
ひめや こはく
ゆう まつ ひ
あらがう ねね
つらつつ おく
とかそ やえせ
ちさら まろの
歩行者は夜9時を過ぎていく
ぼくの身勝手でやさしさを決め込んだ算数が
ドライな公園でひたすら石を数えるように
きみは月を見た
マイクに空気を
あたたかく篭ったノイズが閉じては枯れ
なぜ ....
こそこそと
チャットに入る
そこに
見知った名前があるから
こんにちわ
と
私は言う
あのう、あの作品
よかったですね
好きです
ほんと?
ありがとう!
私が
伝 ....
バス停で君を待ってる手の平に人とゆう字を千回書いて
鉄棒に逆上がりして校庭を空へと落とすサッカー部員
難解な数の定理を飛び越えてブッダのように眠ってるきみ
教科書の隅に落 ....
ススキ野 原が 北に向かって揺れている
渇水した南風 けだるい西日
東から 懇願の声が聞こえる
私もそこに加わろう
この手に 白い穂を付けて
太陽の光りがいつまでも照らし続ける体(茎 ....
わたしは川を下り
骨だけの草
骨だけの景を組み立てる
雲を集める
息を集める
ひらひらとする
羽のつけ根にひろがる国
赤く透きとおるまなざしの国
からだのすべてに生 ....
ウェーブしたものをつくりたいと思ったことはあるか。わたしは、ある。それはまず滑らかでなくてはならないだろう。日差し例えば、うたたねをする準備ぐらいあってもいいだろう例えば、枕ぐらいあってもいいだろう。 ....
おじいちゃんが双子だったの
やさしいおじいちゃんだった
あなたも双子なの?偶然ね
ねえお兄さん連れてきてよお兄さん
弟なの?まぁそんなのどっちでもいいよ
さあ、天井を眺めて、あ、空か、
こ ....
「笑わなくていいよ」と
店長が言ったので
わたしは笑わなくなった
一本調子で値段を読み上げるだけ
夜のコンビニに、エロ本を買いに来る男を
警戒するようになった
バイト終了時間の待ち伏せ ....
写真をとるとき、
かならず右かた側が少しさがっており
横にならんだ左かたにふれ。
そのくせが
どうにもゆかいで。
どうやらおまえのたましいは
すこし ....
左、
右、
左目 君 人に見える タバコを吹かしている 暇らしい。
右目 君 眩しく映る 後ろにある夕陽?いや 恋らしい。
右肩 ツボ かなり凝っている。
左肩 ツボ この辺 ....
高層ビルは嫌い
地震がくると
とても揺れるし
台風でさえ
ぐらぐらと頼りない
ただ
空に近い
秋のとうめいな空に近い
高層ビルの
高さ分
天上のあなたに
近づくなら
....
覚えていますか
と
問いかけるのは怖い
そして無意味だ
わたしはあなたにとって
最初から存在しなかったと
同じなんだと
確認したところで
一体なんになるだろう
覚えていますか
と
....
まわる杖のなぞる
たりない 言葉
目には まだ
うつらない
誰に 誰を重ねる
どこにも いない
今は まだ
ここんとこ
お通じがなくて
苦しかったのは
詩を書くのを忘れていたからさ
と書いたとたん
痛いほど もよおして
トイレにかけこんだ
マジックの話をしよう、と「み」はいう。
床の上に毛布を敷いただけの寝床で、腹ばいのまま、
三枚のなかから、必ずお前が選ぶコインをあててみせよう、と。
そういいながらとても愉快そうに背を波打た ....
開かれた窓が必ずしも
空ではないとゆう君が開く
歌集の背景も部屋ではないとゆう
綱渡りな瞬間が連続している
今日は一番新しい日
みんなに会いに行こうと思ったけど
道はすべて絶たれて ....
ゴンザレス、生まれてこの方メキシコ人
今朝も早くからメキシコ風のシチューを
食べる
ゴンザレスを見守るゴンザレスの兄
生まれてこの方メキシコ人の兄
港の町では遠い海で漁をする季節
....
魂のやさしさなんてたてがみの獣の飢えにひきちぎられろ
その底のやさしさひとつひっそりと夕陽のなかの草に宿れる
きりきりと秋の深夜の草むらのなかにいっこの電池は鳴れり
留守電に君の英語のうつく ....
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