小さな瓦屋根の付いた
 土塀が続くわき道で
 赤い郵便バイクとすれちがう

 黄土色の築地塀はひとところ
 くずれたままになっていて
 原付のエンジン音が
 その空隙から逃げていっ ....
 長男の叔父が相続して売却されるまで
 二十五年間空き家だった
 母の実家

 大きな日本家屋の庭で
 剪定されない樹木と荒畑
 雑草の茂る一角に、水仙が
 亡くなった祖母を忘れじと香る ....
そよ風で編まれた
風の言葉に
連れられて
私の耳は進んでゆく
行く先は分からないまま
雑音混じりに
聞こえる
ここから
静かに静止する
最後まで
たとえ無様な最期であっても
「あ ....
生き物として残り時間はもうそう多くない
やっかいなのはいつまで、なのかは誰にもわからないこと
いっそ自分で決めてしまえば楽になるのかしら

喫茶店でクリームソーダを飲みながら
思い出を誰かに ....
さまざまな
自分の欲と
向き合えば
不安の元はここにあるから
放てば満ちるさ



光合成をする
青葉
陽に
透け
足るを知れ私







 ※ 五行歌 ....
階段に
月の花びらが落ちている
けだもののまばたきの前を過ぎ
けだものの舌に拾われる


何も無いところに花びらを見るものなど
邪険に扱ってもいいのだ
邪見に扱うこ ....
左右の花瓶に生けた
百合の花
花びらの隙間に
ひと雫の涙

もう二度と会えないんだ
花の香りに慰められるのは
僕の方

空っぽの手のひら
重ねる君の手はない

閉じ込めた記憶
 ....
洗濯機のとなりで
展覧会があった
淡い色だった
人々が行儀よく
並んでいた
わたしも会場に
入りたかったけれど
チケットを
衣服と一緒に
洗濯してしまった
昨夜折った笹舟を ....
(また降りそうになってきよった)



泥酔状態で唄う桜坂 音痴でふざけすぎるけど
黒いネクタイと白いワイシャツが いつもより艶っぽかった
「泣きそうになったわ」と あとで口にした
その ....
 地上のある一部の上を
 浮遊しているシジミチョウ
 少し伸びている青芝には
 いちめんの陽射し

 こめかみを撫でる風と
 こうしていま、私はひとりで
 ビルの壁際に沿った歩道を歩き
 ....
心当たりがないことを
指摘されて戸惑う
それは本当だろうかと
疑ってみるけれど
自分が思う自分と
他人から見た自分は
イコールにはならないようだ

意識のないところでも
自分を発信し ....
長い時間をかけて
ひとつ ひとつ
ピースをはめて
綺麗に出来上がりそうになった時
ひとつ ふたつ
ピースが無くなっていたことに気づく



決して埋まらないその穴は
いつまでも
 ....
政府が進めている、「ムーンショット計画」なるものがある。これは、2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現しようというものだ。ボクが説明するよりも、内閣府のサイトのア ....  
                                 
 おじさん拾ってきたよ!
            と子供が浅蜊の殻を見せたがるのだが、
                 ....
よごれへたれて疲れたきみも
またあしたまで
あしたまでおんぶしておくからね

たくさんぶつかった日も
すりきれそうな日も
いまは一旦あずけて

ずっとぶら下がってみてるよ
 ....
都会にポッカリと空き地
照らすのは日の出から
カンカンぎりぎりと草原に
射し込めてこの爽やかさ
今日という日の 日日草
翳りだけ待たされて
鼻先につん!とくる
風は明日を感じさせない ....
想いは沈み、
夜の静けさに息が漏れる
やがて、
瞼の裏に灯りはじめた
遠い星、
砂風の吹く
異郷の、
赤い空と渓谷

蒸気を吹き上げ、
無数のプロペラで浮かぶ
機械式の文明が、
 ....
きみはとても素晴らしいから
ないとわたしは生きていけない

でももし映しすぎたら
往復しすぎた嘘も、人の喧噪も、乾いた鼻歌の色も
きれいに見せかけたよごれ
とびっきりの正しい眩しさ
 ....
見よう見まねでお好み焼きを焼いている

ぎこちない手つきで箸を握る人

きっと月の裏側から来た人だろう

そこは聖地でオリーブの実を照らす

 Tintarella di Luna ....
ごめんなさい
ちょっと酔っ払ってんです
高層ビルの24階
居酒屋から帰るとこなんです
いろんな人が乗り合わせたエレベーター
呑んだ人も 呑んでない人も
ノタノタしてる人も セカセカしてる人 ....
(君のようにわたしはなれない)

星の流れるさみしいよるには
悲しみも流して、染ませるから
雨のはげしく叩くよるには
聴こえない子守唄を うたおう
花火の終わった白けた
夜空のした
醜 ....
この星の全域が、
スラムと
清潔な街とに
分断され、
難民と
エリートに別れても
まだ君は
未来を信じるのか

正義が強制され、
否定する者が眠らされても、
まだ君は
未来を信 ....
偶然、ハートの形した
ポテトチップスが入ってて、手にとった
恋をしている人たちにいいことがあったらいいな、
うすぼんやりと思いながら口に込めた
晩御飯を作っている君の背中が
何かを僕に言おうとしていた
静かなキッチンの端に君の残像
発しなかった言葉はシンクに流れてしまった

いつからか二人の未来が見えなくなった
影が忍び寄るのを
 ....
五月の緑が伝い合い
誰かが消えた満月のよる
なみだとずっとの約束を結んで
いくつもの場面を通り
ためらいなくわたしは生まれた
古い骨の破片を取り出し
命を再生できる世界
もう一度生かされ
3025年に生まれたなら

何を見る
何を選ぶ
同じ過ちは
冒さないか
結局孤独に
彷徨うだけか

バイオの技術も ....
白い牙を覗かせて、
獰猛なうねりが崩れ落ちる
老いた小舟は
海の奈落へ吸い込まれてゆく

ゴオオオーと大波は唸り、
水の壁をふたたび聳え立たせる
曇った空には、
騒ぎ啼く海鳥たちが浮か ....
 
  猫の尻を追いかけてる犬と僕

世の中には一分と待てない人間がいて、あの日の僕がそうだった。

お金の引き出しや振り込みに関して言えば人はクレイジーだ。

  今日引き落とされなけ ....
遮光カーテンの隙間から
溢れる朝日が睡眠に射し込んで
夜から切り離されたぼくは
恐る恐る目を開ける

考える間もなく朝のルーティン
決まった時間にドアを開け
同じ方向に向かう人々に混じり ....
一枚ずつ数えていくように過ごした貴重な季節が途轍もなく愛おしくて僕の頬を伝うのは残り梅雨、何もかもが新鮮な野菜に囲まれている、幼虫1匹として入る余地のない空間に隙間風が通る古いコインランドリーの前で、 ....
ふるるさんのおすすめリスト(5821)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
静黙- リリー自由詩11*25-6-27
空き家- リリー自由詩11*25-6-24
風に乗り_今を生きるのだ- こしごえ自由詩12*25-6-23
朝がやってくる- そらの珊 ...自由詩13*25-6-23
※五行歌_二首「足るを知れ私」- こしごえ自由詩8*25-6-23
冬夜_歩み_うた(六十・六十一)- 木立 悟自由詩525-6-22
Lily- 自由詩12*25-6-22
買い物- たもつ自由詩15*25-6-22
マツリアト- 唐草フウ自由詩12*25-6-21
蜆蝶- リリー自由詩14*25-6-21
いびき- 自由詩12*25-6-19
ジグソーパズル- さち自由詩525-6-17
爺ちゃん、月へ行く- atsuchan69散文(批評 ...13*25-6-16
貝殻ぶるうす- 洗貝新自由詩8*25-6-12
はんがー- 唐草フウ自由詩8*25-6-9
日日草- 洗貝新自由詩16*25-6-5
星の儀式- atsuchan69自由詩19*25-6-1
めがね- 唐草フウ自由詩14*25-5-30
_スパゲティナポリタン「Tintarella_di_Luna ...- 洗貝新自由詩12*25-5-29
あはっえへへへ- さち自由詩5*25-5-28
まくら- 唐草フウ自由詩10*25-5-22
That's_smart_- atsuchan69自由詩17*25-5-22
真夜中のポテチ- 唐草フウ自由詩9*25-5-14
砂時計の残り- 自由詩10*25-5-4
初めて泣いた夜- 唐草フウ自由詩13*25-5-3
3025- 自由詩12*25-5-3
安らかな茫々- atsuchan69自由詩17*25-5-1
後藤くん、金髪先生はいつまでも待つよ- 洗貝新自由詩13*25-4-30
普段- 自由詩9*25-4-22
札束- 饂飩(う ...自由詩625-4-22

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