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迷ってばかりではないんだよ
ゆっくり歩いて来たんだ
途中に声を掛けてくる者もいたけど
脇目も振らず歩いて来たよ
....
あやうげな尖塔
さびしさの鼓舞
きらびやかなのは、包囲の目
負よ、閉じなさい
無が緩やかに解かれてゆくまで
点滅する光を舐め
月を背負い 歩き出す
鉄の地図に描かれた目
錆の花にひらかれる
十一月と十一月
灰と白と黒
入り江の星や
声の星
鏡の前の窓
映すも ....
えーっとマン
えーっとマン
ハイッ?ハイッ?ハイッ?
ハイッ?ハイッ?
えーっとマン
えーっとマン
霞む瞳
遠い耳
薄れる記憶
ついに本格的
老化現象(鼻毛も白い)
あき ....
封筒を買いに行く
各駅で二駅
なにもない街に
とうめいな街に
封筒を買いに
最近の僕らは
いたずらに言葉をついやし
いたずらに歩きまわ ....
逆らいたいのに
敗訴、
愛想、
で
棚から大賞
ポチっと
ボタンを押したのち、
もちもち
ねばって
独りぼっちに
なれない
ぼっち
あやまち気味に
....
いつもの時間の
いつものバスに乗って
いつもの席の
いつもの窓に
いつもの体制で 頬杖付けば
いつもの眩しい日差しが入ってくる
いつものように 目を細め
いつもの 陽の当たらない反対 ....
きのうあなたの夢を見たんだ
あなたはぼくに冷たかった
ぼくは遠い心でそれを憎んだ
秋の虫が星のように鳴いている
小さな命に割り込んでゆく術を
きょうも眠りにつくまえ見 ....
旅ってなんだろう
帰るところあっての旅なんだろうけど
住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく
そんな旅路もあるような気がする
※
....
水槽をおよぐ絵本に
住宅街のパンフレット
駐輪場は閉鎖された
ネクタイがまぶしい
夏の最後の午後に
アスファルトは坂道になり
知らない街へと続く
土のことなら、昨日
す ....
十月の豊かな光が
いつもの駅前
喫煙所のボックス灰皿のあたりに
私が待たせている
ひとりの女の額のあたりに
しっとりと落ち、
浸食するように広がる
....
手のひらや帽子に降りそそぐ
願われることのない星の色
杯ひとつに痛む片腕
夜を渡し 夜をこぼす
蛾と蝶のはざまの飾り
またたいてまたたいて夜となり
さらにまたたき
....
野に影があり
樹と水と空と火の
長すぎる枠線を見つめている
奥にゆくほど太い負や
霧や霧でないつらなりや
まとわりついては月に削がれる羽たちや
道化の音が
....
空の化石を
定規で測る
本棚に
古い指紋
人がいた
人はいた
肩幅の広さに
干されたままの
下着類
飲み物のない
簡単な食事を
フォークで
唇に運ぶ
言葉への失 ....
あきらめてみる
たとえばわたしでいることをあきらめてみる
すると亡くなった母のこととか
ひとりぼっちの寂しさとか
なんだかふぅっと身軽になれて
お線香のくゆりは相変わらず苦手 ....
塩の寺院を映す川
流れの外に冬は来て
人のものではない足跡を描く
常に 既に
先をゆくもの
黒と緑
終わる午後
坂の曲がり角をのぼる影
だが誰も のぼっ ....
おもいで、と呼ぶには
早すぎませんか
わたしの肩に
のしかかる時間を
不思議な重さに替えながら
にわかに雨は
零れはじめて
ゆるやかに、
空のとおさが
染みるのです
....
小さな小さな
無数の鳥の声がする
右手 左手
別々に回る泡のなかに立ち
別々の夕陽を見つめている
どこにでもある川が
見えたり見えなくなったりしながら
....
差し障りのない罪を
いくつも背負い込んで
眉の間に深い縦皺を寄せて
のうのうと生き長らえてきた
脱ぎ捨ててもいいような昨日を
ご丁寧にたたみ込んで
誰が見てもわかるように
不幸の ....
お嬢さんは入らない
永遠に入らない
けれど僕らは
いつまでも
なわを持った腕を
まわし続ける
四十肩の痛みを堪えて
ひたすらまわし続ける
声を嗄らして叫び続ける
「お嬢さん、お入んな ....
昼下がりの人気の少ない公園のテーブルで
ノートを広げ
考え込んでいる様子
まさか遺書でないでしょうね
まだまだ若そうな女性の人差し指が
あごを支えて止まっている
見知らぬ人だか ....
手持ち無沙汰に見上げれば夏のような雲の動きと
山すそは無残に切り開かれ
ひとの忌み嫌うものの一切合財を
そのはらわたに黙して受け入れているのか
それとも受け入れざるを得なかったのか
....
殺人事件があったが誰も騒がない
明日になれば忘れることができるし
隣の家の事件でも
こんばんわと挨拶するほどの仲でもないからと
テレビのニュースも素通りするだけだ
何のことはない
....
輪と輪
夜のみどりの音がしている
鳴らない鈴のなかを
くぐってゆく
月の満ち欠け
柱の内周
どこまでも
砂の色
光は降りて
枝を揺らす
土につく間に ....
いつも七時二十四分発の各駅停車
難波行き二両目のいつもの扉の列で
君を待つのがボクの日課だった
布施までの短い時間の満員電車の距離が
ドキドキする未来の始まりだと信じて
アルバイトが早く ....
窓を開けて
春の風が入ってきて
ピアノの鍵盤ひとつ
押して消えてく
そんな嘘のような
ことがあったなら
それはきっと君の
優しさのせい
窓を開けて
流れ星が入って ....
きみが
見送りつづけたあのバスを
撮ることなんて
出来なかったけど
きみが
待ちつづけた
あのバス停とベンチとを
ぼくは撮ったよ
現像なんかしないけど
捨てたりもしな ....
全部全部ネットの上にあるなんて思うのは大間違いだ
本当に伝えたいことはこんな画面の中にはないのだ
夕暮れの空の色がグラディエーションで変わっていく美しさを
言葉で表現することはどだい無理なのだ
....
蝉の鳴き声が止んで
鬼ごっこしていた子供達が
みんな消えてしまった
木陰の小さな窪みには風が休んでいて
小さなため息を一つついている
じっと息を潜めていると
いつの間にか違う世界に
....
あの日、きみと
秘密の場所に埋めた
玩具のクハ103は
地下鉄になって
今ごろどの辺りを
走っているのだろう
お腹の弱いきみと
意気地なしのぼく
二人を乗せたままで
....
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