すべてのおすすめ
何もかけない
何もつくれない
何もできない
この自由の町で何をしたらいいのか
自由という言葉に囚われている私は
もはや自由ではない
そのて そのほほ そのめ
おっているものを わたしは ながめていた
そのどこからも よみとれる やさしさを ながめていた
わたしの かんかくだけは いつだって ぼんやりして
じ ....
微笑みの半分が翼で
空の半分が月で
呼びあって 呼びあって
微笑んでいる
夜に咲く花
触れられたことのない花
もっと小さなうたを歌う
もっとしっかり小さく歌う
世界 ....
月のまわりに
月と同じ輪があり
水平線に沈みながら回っている
輪は海にひろがり
波は光を打ち寄せる
屋根が 鳥が
騒がしく雨を知る
ずっと空を見つめていた目が ....
だきしめている とけてしまいそうなもの
にぎりしめている そんざいを たしかめていられるもの
ほろほろと ゆるゆると ほどけては みつめあう
おだやかな キス
あしたは さむくても い ....
プレゼントしよう
占領された暗い地図に
閉ざされてある
吹雪の愛を
あてどない水の記憶に
映っている
銀色の伝説を
それとも遠い空で
黙殺された
真実の吃音を
いい ....
枝から枝へ
したたる雨のむこうに
遠く島が浮かんでいる
曇が海をすぎてゆく
光が枝を照らしている
雨はひと粒ずつ消えてゆく
ゆっくりと目覚めるひとを見つめること ....
泣かないで
僕が悪いなら
出て行くから
泣かないで
僕は
人の君の人生の邪魔をしたくなかったんだ
好きだという気持ちだけで
突っ走ってしまった
あの時は ....
おやすみなさい
蒼く輝く星
おやすみなさい
オレンジ色に光る月
おやすみなさい
この
果てしない夜空の下の
どこかにいる君
君は暖かいベットで
良 ....
ぼんやりとした広い場所のあちこちに
色 数 かたちを変えながら
光が点滅しつづけていて
指先にしか届かないくらいの
かすかな熱を放っている
捕らえようとひらかれた
片 ....
水が流れている
頭の上
1メートルぐらい上を
そんな気がしている
水は澄んでいる
幸せそうに
順調に
私が立ち止まっていることには
関係なく流れている
罪のない顔をして
流 ....
人の指と
繋がり忘れた指に
連なる透明巾着の紐は食い込まず
わたし
一寸金魚の軽さを恨んだ
水の純でわたしを責めた
駆け出すしかなかった、ある夏の夜
透明巾着の、同じ ....
指でかきあつめた空を
誰かが道ばたで食べている
遠い指の跡を見上げながら
傾いだ光ばかりが降り立つ
目の前にのびる一本道は
どこにもつながっていないように見える
....
階段を降りると
昨日よりふかふかしていて
昔のおじいさんの背中を踏んづけているような
申し訳ない気持ちでいっぱいになる
急いで二階からエレベーターに乗り
皆に白い目でにらまれるけど
....
わるいゆめを何度も見たい
何度も
何度でも
口から血を吐き
股間から血を吹き
血じゃないものも吹き
わたしは裏返る
そんな
わるいゆめ
を
わたしは
わるいゆめが好き
それ ....
どうしようかと
暮れている一日
些細な段差に躓いてみたり
心の縁を爪弾いてみたり
火の上で
ゆれるやかんに
お日様が降りていく
じゅっと
音を立てて
沈んで落ちていく
....
先生を探しています
親のでもなく 夫婦のでもない
友のでもなく 隣人のでもない
わたしを愛してくれる先生です
誰にも他にも
眼差しを向けず
そらさず
わた ....
あばら骨を浮き立たせたまま
空はどこへ埋まろうとするのか
墓地の土は硬すぎるのに
操車場の跡は狭すぎるのに
まわりながら燃えあがるかたちを
位置も時間も持たないものが
....
湖に風は無く 輝いて水鏡
シンメトリーなあなたなら
真ん中まで歩いて行けますよ
と 遠く凪が囁いた
波紋 足跡 とろんとろんと表面張力
怖くなって涙を流すなら
左右対称にお願いしま ....
柔らかい絹のような髪
風に遊ばせて 君が笑う
まだうっすらと 幼さをまとった
伸びやかな脚を
揺らしながら
少しかどのある硬そうな膝小僧
二つ並べて 君が笑う
若草のそよぐ野原を ....
君と夜のドライブをするのは
久しぶりだね
さっきから
君は目を伏せて
何か言おうか悩んでいる
僕たちの間に
秘密ができてしまったんだね
なんとなく
気付 ....
俺とお前が
最後に 別れたのは どこだった
「最低だ」「最悪だ」「やってらんねぇ」
お前は 吐き捨てるように言って
きえちまった
今の俺は
「最低」で「最悪」かもしれないが
な ....
夏の玉蜀黍畑が夏に朽ち
私は鼓動を探ってうずくまった
途方も無い大気の、余りの光、余りの熱
玉蜀黍の呼吸には錆びて乾いた砂が混じり始め
焦がれるように焦げながら体躯は空に触れた
....
ラインマーカーでチェックしているうちに
すべてのことが大切に思えてくる
上下左右の空白も妙に気になって
塗りつぶしたりする
頭の中がまっ黄色になって
何ひとつ覚えられない
だから今日も ....
壊れた蛍光灯
光のない全て
冷めたコーヒー
どうして私を憐れむの
クッキーに体を溶かされたい
飲み込んだコーヒー
悲しさが浄化する
涼風が運んできた
フラッシュバック
遠くで君が笑っ ....
書物の陳列の疲労の飽和した本棚は
朝方には回復を諦め軋みもしなかった
テーブルクロスのうつ伏せた脱力の背にある
アルコールの抜け殻の横倒しの唇は投げ遣りに香った
そっと、突き倒した ....
ゆっくりと明るい雲がせり上がり
それ以外の雲は皆うつぶせになる
降り止んだ雨は灰色
降り止まぬ雨は金色
とどまらぬ色とどまらず
とどまらぬ音ふりそそぐ
小さいものが
....
鴉のはばたきに覆われて
夜の鐘は少しだけ揺れる
刃の音 鋼の音
夏とともに終わる音
音はただ音としてはじまり
やがて静かに変わってゆく
前転する光と
前転する黒羽が ....
滑り台の上で滑り出せずにいる
後ずさることも出来ずにいる
飛行機が滑り込んでくる
地面すれすれ
空気が摩擦して
夏が濃くなる
毎日を鏡に映してみても
逆さになる他は何も変わらない
....
君に似通う、後ろ姿
君に通じる、甘い香水
君が好んだ、帽子の形
君が馴染んだ、窓際の席
君が望んだ、最新刊
君の痕跡はどこにでもあって
僕はいつでも君の思い出に触れられる
....
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