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奥に仕舞い込んでいた未使用の
少し焼けてきた葉書の束

ふと 手に取り
書き始めた文字は
青臭くて齧るとまだ苦い

幾つもの文字を吊るしては
甘くなれと
この一つの息で長く吹き込んだ ....
青い瞳の中に
沈みかかる方舟

手を振れば
手を振り返す
遥か彼方から

震えた体を
異人の言葉が抱きしめてくる
温め合う心と心

黒い瞳の中から
ありったけのサンキューを
 ....
あの{ルビ鋼=はがね}の壁を
いつしか破れると信じて
今日まで生きてきた

壁一直線に何度も叩いた拳は
赤鬼よりも おどろおどろしく
涼しげな白の壁が 次第に青くなっていく

この一振 ....
この香りが五月でもないのに
懐かしさが全身に{ルビ迸=ほとばし}る
僕は気になる この香りが

逆らいに倒れた僕をそっと
この華奢な体が抱いてくれた

揺れまいと
木の葉が{ルビ頑=か ....
いつもの時間の
いつものバスに乗って
いつもの席の
いつもの窓に
いつもの体制で 頬杖付けば

いつもの眩しい日差しが入ってくる
いつものように 目を細め
いつもの 陽の当たらない反対 ....
望んでない炎
炎に{ルビ塗=まみ}れた稲わらが強引に{ルビ傾=かし}げる 
カーテン越しから囁く者たちは
そこから離れなさいと
ただ 唇を動かす

ありえない色
塗り替えられた あの土地 ....
今日に限って 折傘忘れてスコール
タバコ屋の小さな軒先で身を寄せながら
雨粒を指で拾い 掌で{ルビ弄=もてあそ}んだ

店奥のシャイな婆さんは
アガリっぱなしの{ルビ緞帳=どんちょう}が下り ....
{引用=いつまでも眠ってるフリして
芝居が下手な君
普段よりも綺麗でしょ?
と語りかけるような唇

人差し指に水を晒し それを乾いた唇に引く
少しクセのある髪を 手グシで直してあげる
僕 ....
引き出し奥の赤の母子手帳
いくつかの頁が外れかかって
ホッチキスで繋いであげる

畳に寝転びながら黙読
出生時刻 午前9時26分
素通りしていた時刻を意識する

おめでとう!と言おう
 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
残暑見舞い- subaru★自由詩25*12-8-31
サンキュー_ベリーベリーマッチ- subaru★自由詩18*12-4-17
- subaru★自由詩16*11-11-20
あすなろ- subaru★自由詩22*11-10-31
いつもの・・・- subaru★自由詩11*11-10-11
稲わらの火- subaru★自由詩17*11-7-28
スコール- subaru★自由詩16*11-7-22
眠ってる君- subaru★自由詩11*11-6-13
一日一回の祝福- subaru★自由詩8*11-6-7

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