すべてのおすすめ
男を好きになる度に
彼女の体から火薬の匂いがするの
情熱はジリジリと
へその下から入り込んできて
体中を燃やして行くのよ
だから いつも
骨の焼ける匂いのする
彼女の手を ....
この路地裏の
アスファルトのひび割れは
どこかの埠頭の
それと
似ている
相槌を打ってもらえる筈が
ここにあるのは
頬を刺す風
見上げる雲の隙間から
一筋の光が降 ....
いつものように
午後をあらいながら
うつむき加減に 軽く
雲行きを確かめる
それもまた いつもの事だけれど
その
始まりの日を憶えていない
寒暖の差を道として 風は渡る
よ ....
蝶を見た朝
森から森へ
子はひとり織る
銀の声
緑をつらぬく小さな音
つらぬかれた跡の揺れる音
つらぬいたものが緑に染まり
水の底から空を見る音
銀が重なり ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋
殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
風呂に入るとなめくじがいた
たいていの人はここでキャーあるいはギャーとなって
塩か砂糖か胡椒か何かを持ってきて
ヤツを殺しにかかるのだろうが
俺は別段気にならないし
こんな生き物でも殺すのは ....
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
初夏の陽射しは 便りを運ぶ
宛名も消印も
差出人も
見当たらないけれど
懐かしさという
こころもとない手触りに
わたしは ゆっくり目を閉じて
紫陽花のさざなみに
いだかれる
....
ぐらぐらと、
煮え立っていた。
ぐらぐらと、
煮え立っていた。
ぐらぐらと、
煮え立っていた。
やかんは、
気が付くと、
空になっておっ ....
絹のような 抗いがたい量感に
涙さえも濡れてゆく
霧とよぶには 重たく
雨とよぶには 軽く
そこはかとなく
命名を拒むような
その 結界に包まれて
記憶の軸も同様に
遠退い ....
やっと、
波が来た。
ヤセイに満ちた、
笑う波。砕けてさらに、
あざ笑う波。
細胞
細胞が闘えという
波と
海と
アフロのカマレラもニカッ
と
親指立てる
走って帰って ....
「えくぼ」
六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?
穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
そびえたつ高層の夜 窓の灯がきらめく風のときめき
シャンプーの匂い はこばれて 気づくのは、家畜の暮らし
まやかしの自由に弄ばれて、泣いた さっきまでの記憶さえも
失う、それぞれに 無関係な ....
曇りの幌につつまれ
ふたたび生まれ ふたたびねむる
陰に刺さり
縦にかがやき
空のろくろ
空のふいご
枝々を巻き
高く きしむ
ひかりが動き
動きがひかり ....
風に揺れるは夜
よせてはかえす 幽霊船
もうどこへも行きたくない
惑星帰りの顔色で
月に憑かれて踊った夜は
耳に蓋して寝てしまえ
薫るだろう?
彼女のすすり泣く声
金切り声 ....
矢継ぎ早に
新月は降り注ぎ
縫い針がまたひとつ
遠雷に濡れている
吟醸の名を濁さぬ盆は
薬指だけの浸りに あかるい焔を映し
無言の岸辺を満たすのは
衣擦れの波
鈴なりの
....
しずくのことは
一輪、
二輪、と数えあげたく
青空ならば頷いてくれるだろうか と
躍らせた髪
真昼の月の通い路と
銀色乗せた浅瀬の流れは
中空で いま
十字を結ぶ
か ....
車が一台も通らない道路の横断歩道でも
私は信号が青になるまで待つ人間だ
誰もがそれは無駄なことだと笑うが
私には忘れられない記憶があるのだ
小学生の頃、同じような横断歩道で
信号が赤だった
....
戦陣の背後に黒い山脈が 影絵のように拡がっていた。
狼煙のけむる夜、
恐れよりも闘うことの歓びに身体が震えている。
「死と生の戦い 」
生きのびても、
ただ死ぬまでつづく日々が残 ....
札幌の六月はまるで
長崎の三月のようで
違いを挙げるとすれば
もう桜は咲いていないくらい
午前中まで降っていた小雨
午後にはすっかり止んだけど
慣れようもない寒さはそのまま
心を照ら ....
窓と壁のはざまから
水のような顔があふれ
外を見もせず消えてゆく
風が光に 光が風に
裏切りの等価を与えるとき
狭いところ
熱いところ
いたらぬ波をくりかえす舌
輪 ....
満ちていたものは見えなくなり
いたのかどうかさえわからない
かたちはかたちを保てぬほどに
すばやく色も無くすぎてゆく
影のなかに潜む影から
うつろな虹がさまよい出でて
....
月光を浴びて生まれた一人の少女
その唇から
言葉がツタのように伸びてからまり
あの家を覆ったの
家の中には
青白い顔をした少年が一人
小さな椅子に座っていて
コーヒーミルを回していた ....
いつだって夏は長かった
測量を終えたばかりのヘルメット姿が
今年もだ、とかそんなことを言っていた
確認したがるのは何故だろう
何日と、何時間何分何秒
それを知ったところで
今日も君は
左 ....
つづくふるえ
つづくからだ
水紋は光に変わり
散ってゆく
何かを燃やす夢からさめて
手は緑にくすぶっている
灰のなかに芽吹くもの
誰が蒔いたか知れぬ影
金の ....
言葉を乗せた花びらの
来る上空から
甘い香りが立ち込めて
手の平は夢遊にひらめき
高く 高く 開くよ
ワタクシの生きた
気の上で回れ 花吹雪
ら行は霞んだ空を瑠璃色に ....
空から降りる水膜が
樹に到かずにあえいでいる
夜になるもの なれぬもの
道をひたす波の無い波音
夜を映し
夜をわたる
静かに歩みゆくかたち
そばをすぎるかたちが重 ....
1番歌
パr櫛・錯視ill・sa沙羅-双樹?)、楠ノ木々,nガ!
(イップ、射x一譜!午前の蝶r々・触覚ニィ、朗々ロウw!)
胎動ノ街、揚々とls凍てルル3時ha.Nmノ流布すギジ 円 ....
薄い眠りの表層に
愛しい物語が広がる
つかみどころのないストーリーを
諦めたくなくて
覚めてしまいそうになる自分を
何度も呼び戻す
せつない私
恋のようでもあり
思い出のようでもあ ....
すべてのたましいが
リンになって
夜を燃える
海は
黒く世界を閉じて
ちゃぽん
何処かで魚が跳ねる
私
泳げないから
たぶん沈んじゃいます
ずぶずぶ、って
そういって ....
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