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風は降る
粒は降る
重なり 離れる
鳥の像と鳥の影
円のなかに降りしきる円
雨どいの羽
空へ帰り
曇と返り血
はばたきの跡
ひらめく道の
切っ先の音
....
十二月は
窓にいて
ためらいながら三月を見る
とらわれのわけを知る名前
葉と葉のはざまにある名前
遠い火の列
風を咲かせて
すぎてゆく列
知らない花 なびくよ ....
石鹸 ストロー 含ませて
空 へ。
虹の円 数秒の悦楽
風の強い 晴れた 薄青へ
飛んで 行け。
儚い 宙と 思慕
「そのうち」
....
上手くやってる
確かに
俺は、上手くやってる
友達も、知らない
....
ひとしきり震えて
夢の端 ついえて
抜殻を
荒地を
喧騒はすぎてゆく
忘れられた瑪瑙
夜を率いて
ひとつだけ大きな
空のまるみを抱く
やわらかな星
....
傘魚の砂地に
キャサリンとレイチェルの刺繍
何?
内緒の話・・・・
キャサリンがレイチェルに耳打ちしている図案
二人は仲良し
いつも一緒
時々絶交するけど
一日じゅう手をつ ....
ひとつかみ自由に
まわり道またいで
冬の髪ひとふさ
歌うように近づき
消え 現われ 消えつづける
夜のつなぎめ
凍える火から放たれて
ふるえる白
混ざらぬ白
冬山の ....
ただいま。
ああ、お帰り。寝ちゃってた。
今、ソファーで寝てた?
うん。なんで?
いや、なんでもない
何?
いや、なんでもない
何よ?
・・・いや、お前がもう一人ソファーに座って、 ....
友達とランチ
この前の動物園でさあ。
ん?私行ってないよ。
えー、いたよお。
いないよお。
いたよお。
え?
ん?
・・・・・どっち?
そういえば、いなかったような・ ....
朝、お弁当を作っている途中
全部忘れてしまい
手を止めた
何もない
まっしろ
あれ、何だっけ、えーとえーと・・・・
何だろ
今、何か思い出した
全然知らないことを思い出した ....
雪に立つ輪の空洞を
冷めた光が過ぎてゆく
無言と無音の歩みは終わり
道は網目の匂いに浮かぶ
さくさくと昇り
空の火の交点を覆う音
あたたかな臓腑の高鳴りが
雲のくぼみ ....
足跡は沈み
足音は飛び
すぐそばを歩む風から
三つの異なる色を受けとる
手と足を失くした煉瓦色の天使の
翼と頬に抱きしめられて
夜の蔦の鈴は鳴り
白と金に土を照らす ....
光が息を通りすぎ
ひとつの花
ひとつの羽に分かれてゆく
線だけの街に
雨がひとつ咲き
小さくふるえ 増えつづける
無音に打たれ ひざまづくとき
白い林の連なりを見 ....
「?」
今日は、太陽が、乾いているね
空は、ひかひかと光っているね
鳥が、すーいと横切っていくね
まだ、あなたはねむたそうだね
木は、枝々で空を触っているね
(とてもさわやかな ....
瑞々しい感情など
とうの昔に失くしたと思っていた
ワイシャツの襟汚れに
靴下の泥汚れに
石鹸を塗りつけ
揉み洗いをする手
夕飯の買出しに行っては
20円の値引きに目が留ま ....
荒れ野が荒れ野に流れ込み
丘の上の空へと打ち寄せている
冬に冬が接ぎ木され
咲く花は記憶の色をしている
脚から生まれた羽を育てて
小さな小さな双つの稲妻
夜の窓 ....
雨の粒たちが描く
池の波紋を見ながら
保育園からの帰り道
娘は赤い小さな傘をさして
唇をぎゅっと結んで
最近、娘の話題といえば
明日の遠足のことばかり
弁当のおかずの注文 ....
さようなら、晴れる人
暮れ際の暖かさ、名残、手のひらの名前を
呼んでいる、聞いている、思い出している
花びらの震える下で潜り抜けた門を
指先で触れるくらいの気配で通り過ぎる
一度過ぎた言 ....
よる は ふしぎ
いえないことが
するん、と
すべり おちる
よる の ふしぎは
あまり しられてないし
おしえて あげられない
ひみつを しりすぎると
あさに かえれなく ....
あなたは私の姿を追い求めて
時を計るものの上をさまよい続けてね
私もあなたもお互いを知らないし
知らないのだけれど・・・
私たちの横はひどく だ
....
モラ/モーラ/モラ
君の残像が完全に消えてしまう
ほんの少し前
昨日のことだ
モラ/モーラ/モラ
僕は驚いて顔を上げた
何もなかった
モラ/モーラ/モラ
白い
君の
瞳が
....
染み一つ無い真白な紙を埋め尽くす
白い詩の燃え尽きた詩人よ
家中のペン先が折れ曲がる筆圧で
描く 角張った情景
放り出した原稿のマス目から
飛び出す遊び文字を拾い集めて
茹で上げる アルフ ....
夜から朝へと染まる荒れ野が
蒼と白にじっとしている
遠く刃物の音をたて
雲はひとつずつ過ぎてゆく
鉄が鉄を撫でている
蒼と白は寄りそって聴く
凍えてゆく声
あたたま ....
蛾か何かの最後尾が
視界の斜め上をかすめ逃げ去る場面、に似た
或いは、目尻の痒みにも似た
地下鉄の、蛍光灯の、黄緑色の、光芒の
消える寸前の瞬間と消えた直後の瞬間、との
交互 ....
ひたいに浮かぶ舟の上から
手をのばし 指に触れていき
水紋は
遠くへ遠くへひろがってゆく
とても大きな朝があり
どこかへ低く消えてゆく
建物の陰に残る光
開け放たれ ....
夜中
に・・・・・
ねごとをいうわたし
ねむりのあさいあなた
は・・・・・
「うん・・・・へえ・・・・」
へんじをする
ねむりのあさいあなたいがい
....
また、浴槽にヘアピンを忘れた。
浅い位置で、小さな褐色が揺れてる。
やっぱり、まだ無理だ、私。
空を
どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている
今、この辺りで
いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
夕方になると
俺を呼ぶ電話が入る
俺は真夜中のゴールキーパー
真夜中だけ
ゴールを守ることを許される
俺が守るのは
俺と俺の仲間達
夜になると気がふれ ....
はらはらほろり
あのひとが帰る
肩に降り積む雪のひとひら
ついてゆきたい
それはできない
せめても帰路の足跡を埋めて
なかったことにしておくれ
夜半の月
鏡の中に白い顔
黒髪の雲 ....
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