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地へ
冷たい雨として
雪終えた空が
地へ
雪終えた空が
冷たい雨として
を
黄色く丸く
眺める
ショーウィンドウの
ウールの子供服の
釦
の方角、の ....
ぴちぴち
ちゃぷちゃぷ
らんらん らん。
ぴちぴち
ちゃぷちゃぷ
らんらん らん。
だれかが歌ってる。
雨音のリズムに合わせて
しあわせそうに
しあわせそうな ....
ふわりと動くちからがある
雪にちらばる削られた木がある
布か機械かわからぬ四角を
抱きしめて眠るけものがいる
ふくろうの後ろ姿をした人が
朝の光に手をふっている
ふ ....
狼狼と遠く哭け
逆立つ体毛の針先に
銀の水滴をほとばしらせて
疾走する闇の底
毒毒
独独
激しく胸を打つ響き
叩き潰された虫の死骸
赤でも青でもない色に染まり
涙草 ....
アネモネの花 流れる小川に
足を浸して赤味差す小さな、ほのか
足先の揺れる水光り
長く尾を引く清流に
白竜の子 触れるという
ロング・ロング・ア・ゴー 昔話の
ロング・ロング・ア・ゴー ....
木々のはざまの灯をくぐり
遠い雨の声は届いて
うねりは低く道にほどけて
夜から夜へと紋をひろげる
冷たい翠が空につらなり
生きものはいないと告げている
灰のなかの白 ....
どこにでも
約束は無いとして
真夜中で
月の沈む場所
緩やかな寝息で
どこへ落ちていく私にも
約束できる
ものは無いとして
少し
はぐれる
月の端を狙撃して
落ち ....
風上に立つ冬が
耳に届くすべての海を
耳鳴りに
します
遠く
遠くに
此処には無い海が
あるとして
それは遠くの
ずっと遠くに
此処には無い海が
あるとしても ....
足もとの道は
ひとつの石に揺れ動き
前方へ前方へと傾いて
歩むものを運びつづける
土の無い道をすぎ
灯の無い道をすぎ
何も無い道をすぎても
指が生まれ
点が ....
右へ左へ
そのカーブへ
踏み込んだブレーキの
深さだけで
越えて行く空間の
流れていく時間を
揺れること
その外側へ
死角に入り込んでは
動けない
行き先を告げる案内板の
そ ....
冬には空が降下する
みんな誰も見てないし
奪えるものがあるなら
私から奪って構わない
(雪霧の向こうに浮かぶ
あれは管制塔の光源だ
低い轟音を響かせて
離陸す ....
なみなみと ゆらゆら
ふあんていな みなもの ひかり
を かざす さらなる ひかり
からだの ひょうめんを なでてゆく わ
どこか ちきゅうの はしっこで
うちゅうを みながら
ういた ....
寒がりの猫の丸い背中
繋がった手と手の行方とポケットの中
氷面を渡る
ような
流れの中で目を閉じる
おーるうぇいず・こーるど、の
僕の足跡の
爪先が少しくぼんでいること
君は気 ....
細かな雪が
隙間なく降りそそいでいる
長く低い壁の向こうに
巨きな一本の老木があり
黒と銀にたたずんでいる
動きも音も雪のもので
老木は自身の他は持たぬまま
ただ ....
じーちゃんは 耳が遠い
ばーちゃんは 歯がなくて発音が悪い
二人の会話は
何度も聞き直し
何度も言い直し
互いの顔を
くっつけるように近づいて
可愛らしくて
仲がいい
ばーち ....
木陰に隠れている子が
まぶしげに顔をのぞかせて
空にも地にも鳴りわたる雲
青のこだま
緑のこだまを見つめている
深緑は灰空に深く緑で
遠い雲を映しだしては
雨のは ....
薄曇りから
薄く、射す、朝
射す、薄く、朝
灰汁のような、擦り硝子
カーテンの、微細なファイバーの乱反射も、吃り
秩序が溜まってゆく食卓は
ピルケースのように正しく
グラニ ....
動かない音が迫るときはいつも
道の肋骨を歩いているときだ
誰にも気づかれぬまま
逝った道の
無色の夜の分身が
道の骸に降り立ちて
小さな手足をのばしては
照り返 ....
午後に揺れる はちみつ色の池が
とろり とろり
眠くて仕方ありません
医学的にホルモン・バランス
春の陽気を否めませんのよ
かすんだ景色を走るの 普通電車が
....
遠くにひとつの食卓があり
ひとつの蝋燭が灯っている
両わきを
たくさんの人々が過ぎてゆく
火は光を燃やし
蝋を燃やし
自身を燃やす
空は序章の終わりのように
ど ....
枝の上の雪の顔
溶けては積もり
同じ顔になり
じっと空を見つめている
生まれる雪を見つめている
屋根の雪がまだらに落ち
鴉はそれに合わせて唱う
屋根から屋根へ
....
空からたくさんの手紙をわたされ
緑のなかへ入り
迷ううちに手紙を失くし
戻ってきたときにはいつも
お礼の手紙が積まれている
迷うために迷うのではなく
たしかにどこかへ ....
冬の上空で爆風が唸る
大きな空気の塊が
私の頬を圧す
熱くなった目蓋を
どんどん冷やしていく
また私、
此処に飛ばされてきたんだね
波にのまれて
飛ばされてきたんだね
髪は泣 ....
曇空が緑にとどいて
海を見せてゆく
緑は
しあわせになる
船が船を呼んでいる
砂浜と鉄路のむこうに
声にかがやく枯れ野があり
波をこがねに照らしている
....
何度も何度も触れてくるのに
けして苦しくなることのない
数え切れぬ手 ふたつの手
近づき 重なり
離れゆく手
離れ 離れて
響きわたる手
さくさくと向かい風
にじむ ....
今日も行くわよドラッグストア!
新製品が目白押し
入り口近くでドリンク剤が
横目で誘惑してくるよ
エステティックはT○C!
そうは言ってもエステは高い
ローン組んだらつぶれたなんて
よく ....
連立する高層住宅の緑は孤独
メタリックな金魚は
雨の日に口を開けて上昇するんだ
施錠された鍵は傷ついている
何度も何度も何度も
屋上に取り付けられたばかりに
また傷ついている
無 ....
流れた
ふ う け い
目の端に
ひ
っ
か
か
った
まま
優しい笑顔の裏側に
何があるのかなんて
考えない
人は簡単に違う顔になるよ
夕暮れ時
空を見上げて
それがどんなにきれいだったとしても
空の上は虚無なんだ
野茂投手が
大きく腰をひねり
ボールを投げるのを
見ていると
カッコイイ
僕と同じ大阪で育ち
朝が弱いので
朝の練習はとても
嫌いだったらしい
米の、放送局のインタビュアーに ....
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