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{ルビξ=クシー}の波が
中庭のまわりを
ひとくくり漂う
崩れることなく
水平線までつながり
微笑みのはじまりのように微笑む
謎が終わり
風が生まれ
緑を示し
目 ....
それは言葉にならない思いであった
母は母であった
息子は息子であった
いずれは離れ離れになる定めだった
『ふたりは生き別れる』
それは別段、不幸なことでもなく
いつまでも悔恨に捕らわれるこ ....
空の明滅
月の繭
ささくれだった昼の陽の白
遠くにいるもの
遠去かるもの
時間に消されることのないもの
冬の霧が
音の無い滝となり
落ちてくる
地から立ちのぼ ....
雨のなかをはばたく雨
すべての音が去った後で
高く遠い静けさのように
冷気の指はやってくる
はじめて息を見つめるように
生まれ出る何かを見とどけるように
空が降り終 ....
空がうねり
濃さがまわり
夜は満ち足りる
放つもの
発するもの
それらに応え
季節は猛る
風が風に入り込み 抜け出る
けだものが雲の履歴を見つめる
残されることも ....
失ってしまったと
知らせに突かれて
霧雨の中へ飛び出したから
取り込み損ねた洗濯物のように
さびしく湿ってしまった
時計は無慈悲に
時を奪っていく装置
刻んで ....
こんなにも黒が
似合っていいものか
ゆらゆらと漂うようにそれでも
しっかり全てをわかっている雲は
僕を見下ろしたりはしない
不思議なものを検索すれば
きっと僕の目の色がヒットするの ....
今ここに綴る詩も
膨大な詩の海の中の
一滴として
いつか人々の中で
忘れられていく
時代を超えて
口ずさむ詩を
綴れたらいいのに
詩は努力したからといって
....
私は今、推敲している
これは人生で最も重要な推敲かもしれない
私はとっておきの傑作を書こうとしている
と言ってもそれは詩でもなければ小説でもない
広く世間の人々に読ませようという意志もない
....
鉢植えの花が咲いていた
色とりどりの花々が咲いていた
しかし どいつもこいつも嘘っぱちに思えて
可憐な花びらをえいっとばかりにつねってやった
花の香りに誘われて蜜蜂が飛んできた
蜜蜂が耳の周 ....
夜の水の手をにぎり
雲はなかへと入ってゆく
すこしけだるいしあわせが終わり
空と地とのさかいめは
わからないまま
いままでのまま
うすむらさきに ....
光の粒は増えては落ちて
空の青に波紋をつくる
大きな花の季節を切り
空を開け
冬を散らし
登山者の凍えた耳に
言葉を残す
雲の奥の淡い砂の陽
ほどけては集まる鳥 ....
土の光
空の影
獣のかたち
砂の雲
ゆるい風が作る蝶
水鳥のような
雨をゆく
すべてを乱し
飛びたつもの
湿気の輪と渦
金に現れる赤
刻まれ 燃えあがる
....
雨を受けとめるとき
光から醒めるとき
去る行為が消えるとき
ひとつの芽を知る
野をすぎ
雪を呼び
歩み 飛び 巡る影の
咲きひらく四肢を見る
温い朝の
羽のあ ....
遠
い
遠
い
昔
の
話
海
の
水
が
空
へ
と
引
か
れ
地
球
が
も
一
度
そ
れ
を
引
く
空
に
は
雲
....
午後 風
上下
光の水
空に触れ
ひろがる波紋
遠くから
ざらざらと
どうしようもなく遠くの原から
やってくる
色のにおい
短く魔を刈るもの
湿のありかを ....
夜の中の黒いオーロラ
帯の馬にからみつく蛇
ほどけながら近づく星は
月をかき消す粒の緑
沈むままに 見えぬままに
うごめくものは常にうごめき
まわりながらめぐりながら
夜は水 ....
ため息は
紅茶の香りとともに
茜色の椅子ににじんでいく
夕日をスプーンでかき混ぜたら
もう一度新しい夕日が
生まれ変わる
角砂糖は
白い四角い砂のお城
きらきらと輝くけど
さ ....
言葉の無い場所から
降るむらさき
雪になっていく雨
きらめく細い
棘の氷
原を埋める
雲と同じ色たち
誰かに向けられた心と
他者のための方程式
絵 ....
わたしと一緒のときでさえ
素知らぬ顔でメールチェックする あなた
コーヒーをかき混ぜる仕草で
わたしのこころをかき乱す
いつの間にかミルクを入れなくなって
ショウウィンドウに映る姿を気にして ....
花の痛み
虫の言葉
消えていく波
つぶやかれ
誰にも聞かれることなく
飛び去るもの
なまぬるい風から生まれ
梳くように 飾るように
森の細かさと弱さに寄り添う
仮 ....
間違っている気がして
冷蔵庫の乳製品を並べることにする
自分に似ているものは右側に
似ていないものは左側に
それ以外のものは
バスタブに順序よく沈めていく
ひとでなし!
口のよう ....
母は優しい
兄貴より遥かに出来が悪い俺は、
絵が好きで詩が好きで、なんだかいろいろ中途半端で、
でも、
生まれてきてくれて本当に嬉しいのだと
臆面もなく言うから
俺はいつもあなたの目を真っ ....
嫉妬の炎が メラメラ!
メラメラ! メラメラ!
あいつが あの子と
ア・ル・イ・テ・ル
いったい なんなの
くやしいわ アア
嫉妬の炎が メラメラ!
嫉妬の炎が メラメラ!
....
ハロー・スワロー・ウィカ・ウィカ!
意味深なイマジン、空っぽの暇人の
ケージの中の三文刑事さん方が書く散文の
政治ではクラリセージも育たぬ零時半
オマージュ・反復・ハシシュの一服で
ぐら ....
空がほつれ 花になり
空を淡く照りかえす
むらさきになり 羽になり
まぶしく逆さの金いろになる
廃屋がひとつ
いつか走り出す列車のように
窓だけをにじみかがやかせ
少 ....
あのあおい波が沖まで連れて行くんだわ
そうよ私たち逃げるの
あそこにあかい鳥がいるわ
そそり立つ岸壁はまるで斧
こわいなんて言っては駄目
だってあんな絵本は嫌い
小鳥は飛ぶことを諦め
....
もう少しだけ
隣にいて
お願い
あたしをいじめたりしないで
あなたに向かう
欲望と不安のかたまり
それは
赤くて大きすぎて
二人の間に漂って邪魔を始める ....
幼き頃に思っていた。
雲は何処から流れてくる?
貴方を手放した今、
そんな事は如何でも良い
時々寂しくなる。
昔見ていた大きな夢が
叶うはずの夢が
覚めて 今を見渡した時
屁理 ....
動かない水たまり
晴れの日 他の水たちに
追いぬかれてゆく水たまり
重い火の血の水たまり
底に焦土を抱く水たまり
光をはじく骨の手を
振りつづけている水たまり
脂の角 ....
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