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苦い思い出を語れというのならその昔
廃材置き場になっていた広い空き地の泥水路に丸太の橋が架かっていた 。
小学校から帰ると幼なじみの僕とK君はイタチのようにそこの盛り土に上がっては秘密基地 ....
さっきからずっと
いちごチョコが大好きって話を
何度も何度もする君を見つめながら
僕は何度も何度も君を愛しいと思った話を君にすると
君はまたいちごチョコが好きな理由を
何度も何度も話し始める ....
火曜日に君に逢う
週末の休みが大好きな僕が
土日なんて要らないと思うほど
火曜日を待ち焦がれながら
まだ触れたことのない
君の手の温度を知りたい
どこでもドアのない世界は
時 ....
花園から投げ捨てられたものだったのかもしれないと、
ぼんやりと思い描いてはいたのだがー、
あいつー、刑務所からの出なんだって、たまげたものだよ、
キミもやつの噂を知っているかな。
....
そのまま東へ進めば
青春時代を過ごした街まで
たどり着くのだろうけど
特急が進行方向を変えたら
あの北の雲の先に
私の帰る場所がある
中途半端に古ぼけた駅舎の
売店はもう閉まっている ....
ストレスが溜まり
怒りっぽくなった
空気を抜かなくては
しかし金がない。
スポーツしたいが
する暇がない
我慢をするしかない
精神的にどんどん
追い込まれていく
逃げるところはな ....
校庭の隅っこで
秋風に吹かれて
あれは百葉箱
百片の言の葉を入れておく白い箱
言葉なんて
目に見えるものではないから
留め金をそっと外して開けてみても
なかは空っぽだ
ほんとは ....
白鳥を見たことがありますか
クラリッサをルリルするドンドの美しい瞳
動物園ではなくて
柵越しにではなくて
檻とか
金網とか
ああいったものは
目の前にあると
とたんにわからなくなる ....
この世のうわずみを
あらかた舐めてしまった
僕は
もう
面白がらなければ
何も面白くないし
欲しがらなければ
何も欲しくない
この世のうわずみは
どれも同じような ....
言葉をなくした私は、
夢の中で、
処刑場の裏で、
カディッシュー、
この無限の、彼方で、
いつも、私は、
瓦礫の山を光としてであるけれど、
私は、見る。
私は、 ....
ねぇダグラス
「たんぽぽのお酒」を読んだよ
ねぇダグラス
本当にタンポポを醸そうか
白や黄色やピンクなの
タンポポにもいろんな種類があるから
選抜育種とか品種改良とかして
タンポ ....
お菓子の世界には
心踊る響きが幾つもある
カップケーキのプケという脱力感
ホワイトチョコのイトチョコ・イメージ
ベーキングパウダーの
グパという響きは異国情緒深く
レバニラ炒めの中 ....
六月二十七日は、
私のしるひとの命日です
あの葬式では、
天気雨降りました。
七色の午後
左手薬指の約束に花輪をそなえました。
あの天然水は
このからだをとおりながれることはなくいま ....
家にはじめてテレビジョンがはいったのは
ぼくが八歳のときだ
十二月の寒い午後
第九交響曲を唄う白いブラウスの女性たちが
画面に映る
カメラは三人くらいずつを順番に写していく
近くにだれ ....
足首に巻き付く
風が 頬に
突き刺している
私は知らされた
私は何かに
手にさせられた 私の
希望を 手に入れた
私は 無一文だ
....
椅子だけが敷き詰められた
簡素な地下鉄の空間を
カラスアゲハが飛ぶ
必然にも良く似たその羽で
運転席のピッチャーは
キャッチャーのサインに首を振り続ける
投げられないのだ
....
土の中の幼虫は
どこから来るのだろう
やわらかな
よく肥え太ったからだ
手ずから
土から用意した鉢植えなのに
ひっくり返すと何故現れるのか
ときには
五匹も、六匹も
きみたち ....
世界からの光だ
いつもそこに立ちつくす 私は
真冬のあたためられた日だまりの中に立たされた
だけど もう 春先だと 私は光を見た
私は世界に体を手にした
国民として働き続けさせられた ....
赤い月夜の森の中を
恋人達が無言に行く
凍った大気と闇の道を
二人は抱き合って行く
抱き上げられた女は
男の肩に頭を預け
柔らかに目を伏せて
その温かさに耳を着け
胸の鼓動を感じている ....
ユキサキボタンヲオシテクダサイだけ覚えて
宇宙船のように忽然とやってくるそれは
なにくわぬかおをしてヒトのたぐいをのみこむと
にどと開くものかコ・ウ・テ・ツまがいに
ヘアーライン仕上げのシルバ ....
私は何も知らない子供の目をして
今日も行くだろう 私の出歩く季節の中を
ぼんやりとざわめきの中で思いをこらし 腰を下ろす
木影は蝉の鋭く鳴く暑い季節もあるだろう
とても穏やかな色彩の晴 ....
夜の街角には見知らぬ何者かがいないものだろうかと
ぼんやりと私は一人 非常に古ぼけたアパートの部屋の隅っこで、
ぼんやりと一人で日が暮れるまで立ち尽くしていたのかもしれない
そのラジオから 今日 ....
実のつらなりが
水に映る
逆さになり
雨が来る
遠くと近くの震えが混ざり
小さな 音だけの雨となり
曇へ降る虹
曇から降る虹を見つめる
指のかたちの熱が ....
どんぐりの双葉はたくましい
芽を出しなさい世界樹
リスたちはみんな
頬ぶくろを持っている
そんなリスたちに運ばれて
埋められて
忘れられて
どこか幼稚園の片隅からでも
天の屋根 ....
私とは一体何なんだ
そうして耳を傾けさせられた言葉を
私は眠ることにした どこまでも無限に光の流れだされた世界だ
ここで 私だけが今日も書き続けられたならと
私はそんなことを考える 真 ....
「貴女はご自分に酔っていらっしゃるのです」
思いがけない言葉に顔を上げた
彼は静かに私を見つめて煙草に火をつけた
(どういうこと?)
いぶかしげな眼差しの私に彼 ....
立ち止まるひと
立ち止まらないひと
その違いってなんなんだろうね
わたしなんか立ち止まらないひとだと思ってたのに
こんなとこに5年間も立ち止まってしまっていて
指先器用でギターと ....
ライギョダマシは
シーラカンスのゴンベェさんとメル友らしい
ラティメリア・カルムナエ氏ってば
地元ではゴンベッサで通してるんだってさ
魚みたいな
でっかいギョタマジャクシは
夏のバスと ....
仕事が忙しくて
体の疲れが取れなくて
人の顔を殴りたくなる
振り上げたこぶしを
見つからないよう
そっと下ろす
胃に穴が開いちまった
口からは血反吐しか出ない
女に振ら ....
阿修羅マンの塩ビ人形を手でもてあそびながら
手にしている時 墜落した航空券のチケットを
回転させている時 必死で
五十嵐さんは 立ち尽くしていた そこに
ぼんやりと 歯車を 見つめていると ....
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