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歩け
私よ
高い高い 青い 硬い硬い 空に
息も出来ぬほどの銀杏
高い高い 青い 硬い硬い 空へ
撒かれた イエロー
湧く イエロー
破れた イエロー
の 咆哮
 .... 
森のすきまを覆う街
道をゆく赤い衣たち
誰かがまいた白い紙
銀の飾り
頬かむり
目にいっぱいの赤
目にいっぱいの赤
階段は鳥
そっと踏みしく
脱ぎかけ .... 
うなじ、ああ、うなじ
寒々と潔く、美しさを意識していた付け根あたり
いつかの冬に結い上げた髪、が
氷のように動かし難く完全だったから
私、もう髪を伸ばさないだろう、もう結わえたりな .... 
ひとつの落雷のはじまりと終わりに
すべての線路がはばたいては消える
火のような虹が
幾つも幾つも噴き上がる
ふところの鍵が重い夜
出会いがしらの火花の .... 
今日は来ないでほしい。
僕も、君も、
きっと余計に淋しくなるだけだから。
今日、会えば、
君についた嘘を全て告白してしまいそうだから。 
花に触れた虫たちが
ひらきふるえる花になり
花のまわりを
まわりつづける
暗闇のなか
さまざまな数字たちが立ち上がり
わずかに差し込む光の下で
花粉のように踊り .... 
あたしの声なんて 届いてない
あたしの想いなんて 伝わらない
だから 切なくて
だから 会いたくて
少しでも 近くに居れたなら
少しでも この想いは伝わるのだろうか
少しでも 傍に近づ .... 
僕は彼女に嘘をついている
僕がいちばん好きなのは彼女じゃない
だけど好きな素振りをしている
もちろん嫌いではない
好きだ 大好きだ
でもいちばんではない
きっとそれは彼女がすぐに手に入った .... 
踏切の陽
濡れた傘ごし
枕木を追う
複眼の火
草の管
草の筒
草の洞
あふれでる
穂の明るさ
光の背の道
はじまりの
花の
はじまりに
よみ .... 
訪れるものに告げられる
訪れてなお訪れるのだと
川の水は増し 鳥たちは
乾く間も無く飛び立ってゆく
まじわり はなれる
指の内 指の外
同じかたちの .... 
やわらかな文字が降りてくる
葉の裏側の粗い緑に
次々と染まり 降りてくる
朝の方位へはばたく鳥の
青い青い羽の炉心へ
影はたなびくように落ちてゆく
午後の淵 .... 
これは
あなたのためのおみそ汁
あなたのための水をおなべにはって
あなたのためのおだしをいれて
あなたのための大根をきって
あなたのためのわかめをもどして
あなたのための玉葱をきって
あ .... 
のみかけのココアはそのままに
あなたはここを出ていった
コーヒーものめない子どものくせに
あたしから離れていくなんて
のみかけのココアは
つめたい部屋にぽつんとおかれて
ゆき場をうしない
 .... 
この世でいちばん哀れな女って
どんな女だと思う?
それはね
忘れられた女よ
捨てられた女よりも
死んだ女よりも
もっと哀れ
あたしのママはバーの歌手で
たばこやら
酒やらを片手に
 .... 
そのままの静かな脚の間から
見える色は枯葉だった
風と風ではないものの境に
あなたは立っていた
空き地に囲まれた家が
はじめて舞うもののようにふるえてい .... 
流れはじめる雲はみな
夜の灯りに焼けたように
薄暗く赤く降りてくる
あの雲のほうに行くのだ
町をがさがさと覆い隠す
あの雲の視線を向くのだ
曲がり角を .... 
滑車の前で 光を背に
腕をひろげて 動けずに
崩れ重なる門の残骸
霧を貫く鉄の橋から
したたる滴を聴きつづけていた
霊はいて
雪の地に立ち
応えを受ける
 .... 
低い雑音が
長い指で部屋を握る
振り落とされそうになりながら
いつかは終わる
いつかは終わると
言葉を噛みしめながら
揺れを震えを聴いている
誰の声にも触れ .... 
リリーはね
いつも
フランソワーズというカフェの
いちばん
おむかいのおうちの小鳥がよくみえる
あのふたりがけの席にすわるの
奥の椅子にこしかけて
まるで
だれかを待ってるみたいに
 .... 
夜になると
ケーキが食べたくなってくるので
わたしはすかさず
はぶらしをとりだして
はみがきをします
はみがきこなどはつけず
一心不乱にみがきあげるのです
そうすれば
ケーキを食べずに .... 
ふたつとないわたしはひとつではなく
ただひとりのわたしはふたりのわたし
これは わたし
これも わたし
あの日のわたし
そのままに触れた手に落ち
切 .... 
褪せた町の灯りが屋根をすべり
落ちることなく消えてゆく
その色は激しい
その音は悲しい
何かが歪んで立っている
歪みゆえに美しく立っている
その歌は激しい
 .... 
今日はあたしの誕生日なので
お母さんがごちそうをつくってくれます
いつものケーキ屋さんにデコレーションケーキを取りに行って
ジンジャエールと生ハムと鶏肉なども買ってきて
ナタデココなども買って .... 
とどまらせようとするかぎり
けしてそこにはとどまらない
手をとり 馳せる
見えない姿
見える意思
ほぐしても ほぐしても
つむぎあうもの
暗い光の
いち .... 
冬が融ける
血のしたたり
音は跳ねる
夜の火矢
とどかぬもの
とどまるもの
ふところから
燃えあがる音
子供の頭
カラスの羽
公園をまわり
 .... 
四階建ての夜がゆく
長い長い橋も一緒に
星が少しも近くならず
自分の足だけが遠い夜
ひとつだけ灯る窓を乗せ
音の鳥たちを引き連れて
夜はゆっくり東へ向かう 
 
  .... 
自転車の前輪の
音も姿も消えてゆく
ただ後輪の影だけが
どこまでも自分を追い抜いてゆく
見えなくなる 見えなくなる
夜の光の下
深緑の猛者
おいしげる
おい .... 
目にはふたりの天使がいて
朝のまばたきに言葉を交わした
ある日目覚めるとひとりの天使が
目の下の黒ずんだ荒野に去ってしまっていた
言葉の無い朝の光に
片方 .... 
雨を吸った荷を枕に眠り
どこまでも開きつづける羽を夢みる
左側だけが蒼い羽
鍵を持つ手を戸惑わせる羽
いさかいの火に
月は燃え 雲を吐く
ただの黒へ ただの黒へ
鳥は沈 .... 
にわかには信じがたい歌と指によって
けだものは のけものは 降って来る
目にあまるけだもの
手にあまるけだもの
首を差し出せば
からみつくけだもの
出た .... 
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