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胸の想いは、
薔薇色の珊瑚だよ
だから貧乏だなんて
口が裂けても
絶対に、
言ってはいけないよ
こんなふうに、
今は。
志のある人なら誰でも
・・・・とても
苦しい、時代だ .... 
水のそばに
水の羽があり
四つの水を映している
ひとつだけ蒼い波が来る
ふいにひろがり すぐに消え
ふたたびふたたびをくりかえす
窓に打ち寄せ
つもる影
屋根のつら .... 
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている
風車越しに月を掴もう .... 
右まわりに触れられ
そこにいると知る
笛の音の房
こぼれる鈴の輪
細い光がたなびき
夜を分けるのではなく
既に分かれて在る夜を
ふいに消えた家々を描く
 .... 
矢は左目から入り咽に止まる
わたしは振り返りおまえを見る
今までもこれからも
ただおまえのそのままを見る
はざまにどれだけ
どれだけはざまに挿し入れようか
おま .... 
変わらないね と 
あなたが笑う 
おばさんになったわよ と 
口では否定しながら 
ちょっと考え込む 
15年前と今のわたし 
どこが変わったのかしら 
また あなたが笑っ .... 
ヒロくんは 
ほ乳びんの乳首ならチュウする 
「わたしの乳首はキライなの?」と 
ほ乳びんの乳首にやいてみる 
昨日夢をみました 
あなたの夢でした 
あなたの ちっちゃい ちっちゃいこぶしが 
わたしの おなかの皮から ひょっとのぞいた 
そして わたしと握手をしたのです 
うれしくて 
 .... 
ゆうぐれをあびると
くびすじから、すこし
てんしのにおいが
する
だから もういちどだけ
とべる
きみも ぼくも
もう もどってこれない
こくばんに
らくがきしたかっ .... 
雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ
小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。
消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして .... 
水へ空へ振られる手
野に沈む鉄
鉄に湧く花
近づいてくる曇の光
すべてを縦にずらした景が
樹から樹へと伝わってゆく
氷と浪をくりかえし
光を光の外に置く
 .... 
灰皿の中には
口紅のついた吸殻が三本と
長いままへし折られた
断末魔が一本転がっている
口をつけなかった
ウィスキーグラスの氷は溶けて
意気地がない表面張力が
テーブルを濡らして .... 
互いを圧し合う青のはざま
渦が渦を巡る陽の道
空の水たまりを数えている
浜辺の藪にころがる鏡
鏡に空が映ると
鏡は笑った
おまえは
空じゃない
水  .... 
夏のおわり
夜風をあつめて
帆をたたみました
骨のぬるい晩のことです
 
しん、と澄み切った屋上の一隅で
片付かない、ちっぽけな一匹のままでした
 
(金属製 .... 
ためいきをつきたいところだが
煙草の煙を吐く
自嘲したいところだが
天井を仰いでみる
大きな家蜘蛛が
照明の近く動かずにいる
どこからか
中空に浮かぶ腕があらわれて
書き記すだろう .... 
幽かに残された血の色が、
うっすらと赤く滲んだ )))
香ばしく焼けた肉の塊りを
荒々しく丸ごと無造作に載せ、
じゃが芋と人参のグラッセで飾った
輝く、銀のオーバルトレー
猥(みだ)り .... 
しがらみに追いつかれた
雨上がりの宵の口
ゆらゆらと裏通りを歩けば
アーケードの端にかかる立待月
前のめりのふりをして
探していたのは出口
つらつらと磨いた逃げ足で
袋小路に駆け込ん .... 
手首をすぎる風の先に
向かい合う双つの枯れ木があり
雨に雨を降らせている
夜が増すごとに
熱は辺をゆく
遠くも近くも ただ打ち寄せる
朝の裾が笑い
見えな .... 
はふり はふりと
絶え間なく吐き出される
うすく くもった溜め息で
部屋の中のこまごまとした輪郭は
ほとんどなくなってしまった
あいまいにぼやけた世界は
色々なこと を
許してくれそうで .... 
小さな緑の段差を踏む
声は低く
応えられないままにすぎる
切り落とされた枝から
離れない虫
おまえは
おまえがどこへゆくか
知っているか
火の前に途絶え .... 
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが
どうして
美しくないと
思っていたのだろう
  みんなの中に居るか
  「だれ .... 
しめった風が頬をなでるのをやめ、
埃のような雲霧が二人の呼吸を失わせていく
白くかすんだ記憶の中で
街灯だけは飴玉のように赤く潤んでいたが
  
  私はそこにいるはずなのか
  そうでな .... 
きのうを飾る
わたしの言葉の裏がわで
だれかの爪が
あしたを研ぎます
 輝こうとする意思は
 ばらばらに統一された
 石として
 きらきら、と
 眠るのです
 .... 
双子が
互いを呼ぶ
枯れ野
道ではなくなる道
枯れ野 枯れ野
追いすがり 追いすがり
とりこぼし
曇を燃す火
こぼれ こぼれ
大きく傾き
野に落ちる曇
 .... 
  「愛あるいは天使のような」
どこまでも続くかのように広がる
白樺の森を抜けて 僕は行くよ
アナスタシア 揺り椅子で眠る
君の失った右足の膝下に
赤い 赤い 靴を置いた
は .... 
影が動きに遅れてゆく
遅れては遅れては重なりつづけ
ひとつの歩みのたびに咲き
ひとつの歩みのたびにたなびく
海の終わりからはじまる砂漠で
影と涙は会話していた
 .... 
ざらついた
明るさのない
明るい日
写真に
死者に
塗る色もない
そのままの日
岩と涙
価値あるものから伝わらぬ価値
あなたの漂着
あなたの波間
蟻と .... 
雪はつもり
せわしなく落ち
寄生木と寄生木と寄生木の森
冬が虹を捨てに来る森
枝と鉱 黒と緑
はざまにはざまにそそがれるもの
響くうちは
水でいられる
 .... 
灯台は
海をさがしている
それゆえずっと
船にすくいの
手をのべる
灯台は
自らの眼を
ながらく持たない
おのれを見つめるものたちの
ことばの向こうを
 .... 
音の闇があり
むらさきがあり
白い泡を染め
闇を抜ける
夜の会話が屋根を歩き
窓から入り
まばたきに驚き
再び出てゆく
夜に咲く花と脇道
小さく手を振る気 .... 
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