すべてのおすすめ
数えきれないほど多くの
手首のかたちをした炎が
夜の空をまわりつづける
見える夜 見えない夜を
讃えつづける
原を越える雨
石の絵文字に咲く花
森をまとった遺跡の .... 
僕の「はじめまして」と「さようなら」は
イコールになっただろうか
なんだか「さようなら」ばかり思い出す
僕は1年前
君に出逢った
君のことが好きになった
心から .... 
俺の瞳はガラス玉
もう感情がないんだよ
あなたを失ってから
辛い時
いつもあなたをたよっていた
悲しい時
いつもあなたがいてくれた
それが
もういな .... 
闇が降りてくる
大きく静かな
ひとつのまばたきが
ゆっくりと夜を動かしてゆく
音もなく仕方なく触れあうものたちが
手のひらで互いの目をふさぎあう間も
夜の蒼の流れは止まず
ほ .... 
ふりふりふり っと 
どれすの すそを 
ゆらして 
まるい 
ぼうるの なか 
きのせい かなー 
うわめづかい 
きのない ふりして 
さそってる かなー 
そとは 
 .... 
紫陽花を見て
死のうとしていた
そんな時
僕は君に会った
君は悲しみをしっていて
苦しみも知っていて
僕と同じだった
月日は流れて
紫陽花を思い .... 
白い部屋の
白いベット
窓から飛ぶ鳥が見える
俺も本当は
翔びたかった
翔べただろうが
翔べなかったのが事実
もしもお前がいっしょなら
きっと翔 .... 
まず、最初に言っておくけどね。
冷凍室から取り出したばかりのアイスキャンディーを
すぐに舐めてはいけないよ ホワイト
表面を白く覆う 霜という物が消えてから
静かに舌で突っついてさ 甘 .... 
ぬるい雨に圧され紫陽花の青い首が舗道へ垂れています
私は待っています
触れてくれるでしょう、荒れたアスファルトの
えぐれたままの古傷に溜まる暗い水に、柔らかく
あまりに .... 
貝殻を気取る私は
捕獲されるのを警戒する
辺りが静かになった頃
深い深い、おそらく他人には不快と思われる
夜の底にて
ようやく貝は口を開く
ポロポロと子守歌
誰にも与えら .... 
ああやっと見つけたお前はそんなところにいろ
ドアを開けたり閉めたりして
出たり入ったりしろ
振りほどいた手は振りほどきっぱなし
アクセルを踏んでブレーキ
両手でつかめるものは .... 
夥しい夥しい直射日光で
アスファルトの明度が振り切れ
真昼は真っ白い暴力だ
私は激しい夢うつつに陥り
液化してゆくアイスキャンディを見下ろしても
何を思えばいいのか何も何もわ .... 
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない
涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと .... 
空の不思議な明るさを眺めていた
午後のしん とした静けさに
誰もが固唾を呑んで、音が止まるふりをする
脂汗を拭って、開け放った窓に手を掛けた
そろそろ雷子がやって来る
彼女はいつ .... 
空に高く 灰にひとり
思い出の外へ繰り返すもの
夕暮れのない夕暮れを見る
銀の鱗の目に指をあて
器をめぐる光と火を聴く
底にはじける姿たちを聴く
波を走る白い炎が
し .... 
まひるに
月が笑いながら
堕ちてゆくのを
見とどけてしまった
罪
サルビアの
紅が憎くて
泣き叫ぶのもかまわず
摘み取ってしまった
罪
こめかみが
痛くてたまらない
や .... 
3匹目の獏は道端で  
へたりこんでるところを拾った  
小さな獏は虚弱体質で  
夢はもちろん秘密も嘘も受け付けず  
今にも消え入りそうに震えている  
私は必死で噂とか言い訳とか  .... 
湿った風が頬を撫でる。
低層とはいえ、
屋上に吹く風は、
やはり地上より少し強い。
初夏の太陽のまなざしを受け。
はたはたと、
風に揺らめく白いシーツは、
恥 .... 
焚き火の火を見つめながら
煙草を吸っているから
涙もくしゃみも煙のせいにできる
焚き付けの新聞紙にはテロのニュース
世の中のもめごとみんな燃やしてすっきり
なんてわけにはいかないけど
 .... 
電灯に 虫が群がる
暗闇を震わせて
光に酔ったように身を惑わせる
ぶつかり合って 羽を散らし
ひとつ
ひとつ
闇に落ちていく
ああ
あれは ヒト だ
 .... 
こんなに苦しいのは
人間が氷のように
あとかたもなく
消えることができないから
こんなに悲しいのは
人間が泡のように
ある時パチンと
消えることができないから 
朝に刈られた草は低く
鉄路から来る風は遅く
火花の熱は溝へと至り
冷たく通りすぎてゆく
触れることのできない飛沫のように
緑は道から放たれてゆく
遠い遠いものばかり .... 
幸せのかけらはミルク色の花びらになって
満天の星空から零れ落ちてきたようで
みどり色の山から沸き上がる雲の花
いずれ ミルキィウェイに還るのか
真っ白なふかふかの絨毯が
空一面を覆い尽く .... 
ここにあるものを
遠いことのように
海辺にはひとりで
いつも見る夢に
ひれ伏すようにして
倒れる
砂の積もっていく音
どこかから落とされる音
仰向けに空
口を開ければ世界が
飛 .... 
わかってほしい
とは思わない
だれにもわかるわけがないのだから
わかってるよ なんてウソをつかれるくらいなら
わからない  って言われたほうがマシ
愛してほしい
と .... 
失った昨日を探して駆けた
太陽は眩しいから怖い
明日は だらしなく口を空けて僕らを飲み込もうとするから
嫌い
 
失った機能を求めて泣いた
大切なものは消える
心 .... 
あなた 寂しいというなら
その血肉を隣人に与えなさい
血は啜られ 肉は喰らわれるだろうが
{ルビ末期=マツゴ}まで あなたは独りではないね
あなた 狂いたいというなら
 .... 
ニンゲンの丘に立つ
魂を踏み砕いて
隙間から洩れるのは{ルビ赤光=シャッコウ}
全てを抱えあげるには
一対の手は絶望的に少なく
踏みしめる両足は脆弱に過ぎる
誰 .... 
次に私が拾った獏は
これはもう生まれついての
野良獏だったから
やっぱり夢は食べなくて
好んで食べたのは・・・嘘
あぁ 私はどうしたらいいのかしら
せっかくイイヒトで通してきたのに .... 
この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。
窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から  .... 
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