わたしのなかの
 過去と今
 現実と非現実が
 背中合わせで
 わたしを巡る
 蛍光色を発しながら
 わたしの頬や
 瞳を舐めていく
 
 昇っても
 昇りきれない階段と
 降 ....
宇宙と

そこに存在するものとのあいだには

違和感がある

物理学者も

宗教家も

画家も小説家も詩人も

私たちも

それと折り合いをつけようと

日々をいとなむ ....
{引用=*地下の風}啓蟄
三月の風が吹いている
この風は
地下の何処まで届くだろうか

春一番ともなれば
地下一階ぐらいまでは届くのか
台風の日
風とともに地下が
水浸しになってしま ....
高速はビル群をすぎて

すると町並みはずいぶん平野で

夕暮れる武蔵野をはしっていた


白くて麗しい彼女に

告白してしまいそうだ

自由な選択

でもそのあとを知っている ....
 わたしは
 あなたの海に棲む
 あたたかないきもの

 瞳をとじて

 銀のあなたの環を
 くぐり抜ける
 わたしがみえるでしょう

 わたしの
 銀のわたしの環を
 風にか ....
最近、黒い手袋が
落ちているのをよく見かける 

ある時は職場の廊下 
ある時は駅の構内 

人間達の無数の足が 
通り過ぎてゆく隙間に 
{ルビ木乃伊=みいら}の面影で 
誰にも届 ....
保守的なフォームで癒し

好奇心と反応探している

銃声が聞こえる

聞こえたら絶命している

はずなのに

悪魔に憑かれた夢

霧のなかで

倒れてるのはだれ

そん ....
 
 
象といっしょに
列車を待ってる
朝からの温かな風が
服の繊維をすり抜けて
僕のところにも届く
こうして春になっていくんだね
明日はまた寒くなって
雪が降るそうだ

昔、象 ....
傷をつけると古びてしまう

古びさせるには傷をつけたらいい

ゴッホの絵のまえに立っている

ゴッホがいた距離のなかにいる

なんだか泣けてくる

あたまんなかで拳銃の炸裂音がする ....
喉に流れ込み
触れては弾ける小さな花火

光に透かして
揺らぐそこを見つめると

まるで

そのときをたゆたうような
はたまた{ルビ空=くう}を泳ぐような

淋しがり屋特有の錯覚に陥る

ひとりでも平 ....
うすべにの桜を頬にほころばせ
ふゆを咲くのは
あどけない、春




さむい夜
機関車さながら息をして
笑っていたね
星くずの頃


転んだらふわふわでした新雪は
 ....
             090302




新しい親戚がやって来て
遠くの景色が良く見えるから
うちの新築のベランダに
登ってみませんかと
自慢をしたいのか
それとも人見知り ....
いつものように
髪を結い


いつものように
紅をひく


わたしは何も 
かわらない


置き去りの
この部屋で


恋しい
恋しい
恋しいと


嘆 ....
傾いた標識に凭れる 
私のうつむく影が 
夕暮れ色の地面に、伸びていた。 

ふいに顔を上げた目線の先 
小屋に並ぶ 
七つの地蔵の真ん中に 
ひとり 
鼻は砕け、片目を開いた 
風 ....
あの上り電車で何本見送ったことになるのだろう
別に数えている訳では無いし
有り余った時間を費やせればとストールの毛玉など毟りながら
外界と隔絶された待合室の硬いベンチに腰掛け
あの夜の顛末でも ....
ひにすえたけがれ
かれたつさしやみ
めにこくりとふく

ほそびののどさす
はるかまないほね

そらとはうえにあるのに
ゆきえぬと かげがそう
 弄(あそ)ぶ指先
 止まらない髪先のひかり
 止まらないにわか雨
 
 ふるえる唇から
 零れる風の接吻
 
 枯葉のぬくもりが
 みえる窓硝子の彼方

 近づく雲のノイズ
  ....
 空を舞う白いなみだ
 近く遠く
 リフレインする
 乳白色の風

 手のひらに
 あるものはすべて
 目を閉じていても
 哀しみは
 感じない

 だけど
 何故だろう
  ....
放浪中の乗り合いバスで 
旅の鞄を開けたら 
電池の抜けた 
目覚まし時計が 
ぴたりと時を、止めていた。 

2本の針が指す時は 
午前5時30分 

あの朝旅を始めた僕が 
心 ....
時計屋さんって
何を売ってる?
もちろん時計を
売っている

時計と一緒に
何を売ってる?
時間じゃなくて
時刻かな

とどめておけないものに
名づける
時刻も
ことばの秘密 ....
                  2008年10月24日

 12Aという真空管は、パワーは小さいけれど素直な良い音ですと、写真の手ほどきを受けた大先輩からなんども聞かされていたので、いつか ....
 白い霧の海が
 みつめている
 囁くように
 
 「この道を歩きなさい
 だけど未来は保証しません」

 誰かの
 冷えたことばを
 思い出す

 眼下に広がる東京湾は
 白 ....
━数億年、
寄せては返し繰り返し
水、空気、光を、

混ぜる、取り込む、濾過する

そうして造られた海は、人の創造を遥かに越えて

例えば、ありふれた海岸線の湾曲にさえも
 ....
マグネチックスピーカー 分解・修理・試聴


                              2008年10月17日07:40
分解
眺めていても始まらないので、昨夜、コ ....
夏も終わって秋が忍び寄っている夜
北の方角で爆弾の炸裂する音がした
花火の季節はとうに終わっている
また爆弾の音
今度は南の方角で起こった
私たち狙われているのかしら
女が震え声で ....
 
 
石積みの朝
陸橋はその歪んだ影を
路面に落とし
昨日までの工程を語り終えると
あなたは静かに
最後の生理を迎えるのだった
 
+
 
足音が擦り切れていく
あなたにとっ ....
オメエ、死ぬのかい
――だったらよう、
せめて逝く前に鮨食おうぜ
肝っ玉据えて、俺と鮨食えよ

粋な麻暖簾くぐってさ
どうぞ勝手に席へ就いちまいな
捌いたネタと酢飯の匂い、
舎利の温( ....
乳房が熱くなって

きみの鳥肌が湿っている

きのう出会ったのは

地方都市の中華屋でだった

客はふたりしかいない

そのあとカラオケに行った

十五の夜を歌う

きみは ....
 透明な煙が
 流れている部屋の窓を
 右手で閉じる
 閉じた手の
 余った時間が虚しい
 煙の足跡の風が冷たい

 こころの温度を
 回復するまでの間が
 夜を登るように苦しい
 ....
            090223


ブタジエンのブ
ルビジウムのル
デビル雅美のデ
ビルヒコックのビ
ルーチンのル

完成間近なビルディング
完成間近な礼拝堂
完成間近 ....
こめさんのおすすめリスト(5567)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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自由に暮れる- 吉岡ペペ ...自由詩609-3-5
『リング』- あおい満 ...自由詩5*09-3-5
黒い手袋_- 服部 剛自由詩809-3-4
好奇心と反応- 吉岡ペペ ...自由詩209-3-3
はるまち- たもつ自由詩2709-3-3
傷をつけると古びてしまう- 吉岡ペペ ...自由詩509-3-2
溺れたウサギ- 愛心携帯写真+ ...12*09-3-2
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『決意』- あおい満 ...自由詩6*09-2-23
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