100119
寒いからと
布団に潜るのは
いけませんと
朝の神様が戸を叩く
紙の上に描いたお供えを
満足げに召し上がり
神様は帰られた ....
伊豆急 城が崎海岸駅の裏手に
白いペンションがある
庭に大きく茂る木
それが やまももの木だ
....
きみのひらがなにぼくの声を重ねて
地層みたいなしま模様になって
それはありふれたメロディーで
すき間にもぐりこむ小さな虫ですら
小気味良いアクセントにしかならなくて
さっき港を出発し ....
漆喰にできたひび割れは
溶けた鉄の蒸気で
ゆっくりと蘇生してゆき
心と体の仲違いは
いつか結露する
細切れの肉のように
安売りされていく苦痛を
和らげるために打たれた注射は
小さく ....
山陰地方の刑務所で演奏したことがある
開演まえ刑務官が所内を案内してくれた
哀しみの影を探そうとしてしまうわたしがいた
風呂場も見せてくれた
それには少し違和感をおぼえた
演奏会がはじまると ....
{引用=
? 世界は 魔法に満ち充ちて 不思議
赤 が
赤く見えること
青 が
青く見えること
それが不思議
だから それは魔法
花が 雪が
光のきらめき ....
ごめんね かぁさん
僕はあなたが生きている間に
謝れなかった
あのときのことを
謝らなかった
物心ついた時
母さんは家にいたはずだったが、
母さんの記憶は
千葉のサナトリウムから。 ....
ひかりの泡を
手のひらに受けて
きらきらと
さらさらと
透き間から流れてゆく
涼やかな風を
見守りながら
(ミドリノ紗綾 ヲ) /サヤ
....
手のひらを重ねるたびに
わだかまりが解けて行く
すでに基底された過去と
咀嚼仕切れぬ 含有物と
同じ手のかたちを持った
私たちは 逢わせる為に
分けて造られた者なのだ
言葉を ....
茅葺の屋根ふきかえる仕事なら
5000円くらい出してもやりたい
赤裸々な積乱雲を食べてみる
グレゴリー・ペックの声色を真似て
濡れ光る僕のあそこのユニコーン
おまえもただの女なりしか ....
君に会わせたい奴がいる
泣いていたんだ
ぼろぼろ泣いていたんだ
涙がぽろりとこぼれたわ ....
夜を走る電車
十五両編成の最後尾
ゆっくり居眠りしようと
乗り込んで席を確保した
はずだったのに
次の駅から
スノーボードと思しき
荷物を抱えて乗り込んできた
二十代前半の女性が
暫 ....
フィクションに
幻を信じた女たちは
二日酔いの朝の様な
気だるい脱力感纏い
眩しそうに太陽睨む
フィクションに
疲れ切った男たちは
優しさに飽きた様に
冷たく無表情を装い
蒼い満 ....
心根にある切実を
切実に灯るちいさな火を
リレーしながら
なにをかへとひとは継いでゆく
そのちいさな火
すべてが純潔だった
なにをかから見つめると
そのちいさ ....
くるくると光り解けて
流れ往け
幾千の揺らぎ瞬き
降り仰ぐ
劫火の尾根の
爛漫難し
....
在りし日の詩人は、独り
無人の原野に佇む影となり
夕空に巡る星々を
澄んだ瞳に、映している
(この哀しみの地上こそ、我が故郷・・・)
頭上を掠める鳥達が
翼を広げ、舞い ....
疲れすぎで
寒気がする。
頭が痛い。
皿洗いしたくない。
お客さんの家では
笑顔で明るく
後になって
どっと疲れが出る。
理想と現実の狭間
生と死
善と悪
愛とマスコミ
....
冷たい氷菓子を たべてみた
きんとする冷たさとともに
かるい頭痛
もう食べまいと おもっても
やめられない
私をつかんで離さない
それでいてすぐに溶けてしま ....
ひかりが冬の風をほどいていた
物かげをみつめながら
たばこの灰を風にながしていた
ふくらはぎには陽があたっている
車にもどることにした
後輪の日なたに雀が
ちょうど ....
庭に咲く
一輪の
紅い花
見ていると
笑っているようだ
人の
優しい
笑顔のようだ
誇らしく
きれいに
咲いている
紅い花を
誰かの
部屋の片隅に
そっと
....
誰もいない
冬の海辺に
かもめが
飛んでいる
えさを
必死で
さがしているよ
かもめが
休んでいる
みんなで
羽根を
休ませてるよ
何かを
思い出したかのよう ....
子供のころに
見ていた
夕焼け空は
まるで
体ごと
つつんでくれる
母親の手の
ぬくもりみたい
今日も
きれいな
夕焼け
あのころに見た
夕焼けのように
きれいだ ....
あなたとふたたび会えてうれしい
鼻先をあなたのももにうずめると
しあわせのゆりの匂いがして
こころがころころと弾むんだよ
あなたとふたたび会えてうれしい
アメージング グレイス
改心は ....
夜の淵からわたしがこぼれ
わたしの淵から夜がこぼれる
固いビスケットを菩提樹の
お茶に浸して深深と雪
積もる声もことばもあるし
誰からも等しく遠ざかれば
せわしなく人の世に生きていたこ ....
突き刺す様に迫る
新月の闇に呑まれ
永遠を誓った枕話
コイン全て委ねた
一夜のギャンブル
ふたりの愛情物語
なにより色の付きやすいあなたが
僕より先に 人ごみの中に入って行く
すべては僕の仕業で
そしてあなたのせいにした
あなたは 拒絶することを知らない
それは 罪だ
....
しぐさが好きだから付き合う
セックスしちゃったから付き合う
酔ったいきおいで付き合う
運命を感じて付き合う
おいしいごはんを食べさせてくれるから
付き合う
価値観が合わない ....
夏の
おわり
もう
秋がちかくに来ていた
とんぼが
飛んでいる
たくさん
たくさん
橋の下の
川に飛んでいる
えさを
さがしているのか
あっち
こっち
行ったり ....
陽だまりの中で
広い野原を
子猫たちが
とびまわっている
草や花を
口にしながら
じゃれている
まるで
会話をしているかのように
迷子になった
子猫たちは
鳴きながら ....
オーロラって
とてもきれい
空一面を
いろんな
色で飾っている
いろんな色が
あたり一面に
広がっていく
まるで
いくつもの
光を見ているようだ
オーロラは
と ....
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