OKなの?KOなの?
あたしは十分ばかだから
あたしのもってるもの
ほとんど無駄なもの
無駄は省けない
っていきがって
両手にラメを集めている
なんか
記憶は共有できるもの ....
息を吸って吐く、ということが
ぼくにできる最大限の生き方だと思っていた
*
雨だれを視線がおっかけている
その、
背中には哀愁の目が向けられてるから
不自由を強いられる体をごま ....
僕が君のために涙を流そうが
精一杯の優しい言葉を掛けようが
そんなのなんの意味も無い
例えば部屋の片隅で 君のこころを和ませる
黒く煤けたオルゴール
僕よ ....
20代後半くらいだろうか
その女性はサッと席を立ち上がり そこに自分のカバンを置いた
そしてススとその男性に近づいていった
男性は盲導犬を連れていた
そっと肩を叩き ....
マンゴーのドライフルーツを
食い
リンゴのドライフルーツを
食べる。
今日も行け行けガンガン
デジタル時計のように
規則正しく、慎ましく
誰かに好かれる。
リンゴはつっかえて
....
踊るように、街を歩くひとがいた。
両手首に輪を嵌めた、杖をつきながら。
僕の肩越しに密かな風をきり
横切った、彼の背中はおそらく求めていない
これっぽっちの、同情も。
不 ....
積み重ねられた嘘と 曖昧に交わされた約束が
ワタシの内で交差する
空世辞 空言 空想 空虚
なのに
その眼差しを記憶しているこの瞳が
その言葉を記憶しているこの ....
子供達の遊んだ後に
たくさんのとんぼが
羽をちぎられて死んでいた
なかにはまだ かすかに動いて
震えているものがいた
かさかさとコンクリートの上
笑い声と話し声の下
ちぎられた羽 ....
もずく酢しかない部屋できみは
なくならないもずく酢を
ただひたすら食べ続けている
そんなきみの背中を掻いてあげたいのに
きみには掻くべき背中がない
それよりも前に
ぼくは夕 ....
ラーメン屋の湯気の中で
二人で未来を語っていた時から
おまえは何時(いつ)も ずれた視線をしていた。
駿河台の坂を上って行く途中
ヒラヒラと雪が降り始め
俺には寒かったが
おまえは ....
ピンクと灰色とブルーが混じり合って
あたりがもうすみれ色になっていた
春にちかい風が吹いた
LEDほどのつめたさが鼻を撫でた
きょうの天気がなんであったのか
わからなくな ....
朝一番に窓を開けると真っ白に吹雪いていた
時が流れるにつれて徐々に雨へと変化して
暮れる頃にはそれさえもあがっていた
駅の改札を抜けて家路につく
空には呑気に星がちらついていて
コー ....
私のおなかの上で赤鬼みたいな怖い顔をして
額の汗を拭おうともせず
力強さこそが総てと容赦ない恥骨の痛みに涙を流す
*
さきほどまでの赤鬼が嘘のような寝顔
横になって見つめれば不思 ....
キミのココロの旋律が 時を超え 空間を超え
ワタシの胸を響かせる
時に激しく狂おしく ワタシの胸をとどろかす
時に切なくやるせなく ワタシの胸にこだまする
キミの ....
今日もまた音楽を聴きながら朝の身支度をする 九十年代末に流行ったUnderWorldというテクノバンドのBorn Slippy(NUxx)という曲が流れている 「Second Toughest In ....
眠る前に言う
’おやすみ’は
なんて、いい言葉
忌まわしい出来事も
追われた仕事も
’おやすみ’ には追いつけない
’おやすみ’と言った人を
誰も責めることはできない
冴えない ....
地球と太陽の
その絶妙な位置関係は
引き合うチカラで出来ている
俺とおまえのそれが
この宇宙の法則のうちにないのは
いったいなぜだろう
俺たちに働いているチカラ ....
アルコールの整髪剤を塗り
マッドをつけて
香水をかける。
脇の下にも
ジッポで
タバコに火をつけ
サングラスをして
バイクで一っ飛び
ステーキ屋で
ワインを飲み
カラオケに ....
光の中に硝子を置くと
影の中に虹が生まれる
それはたとえば
闇の中にも見いだした
ひとすじの希望に似ている
過ぎてきた日々を
振り返る
もうすぐ激動の時代が終わる
これから先は ....
君に電話をかけるのは簡単だ
『8』、『コール』の順にプッシュする
それだけ
いつか 君が好きだと言った8
君と知り合い
業務主任は8から1に出世した
あの頃の二人が
毎日 何を話 ....
道なき道を行く
昨日降りしきった雪が
今日歩むべき
おれの道程を覆い隠す
それでも
灯の方へ
踏みしめる
柔らかな新雪が
まるで
踏みにじったあの日の
おま ....
どうせなら木っ端微塵に
影も形もなくしてしまって
幻想に揺すぶられずにいられるように
手前勝手な妄想が記憶の隅をくすぐって
わたしの足を止めるのだ
手前勝手な ....
君の白くてかぼそい指が その先端を握り締める
脆くて儚い赤い糸
ココロが軋む 悲鳴を上げる
それでも僕は 手繰り寄せずにいられない
キリキリと音を立て 張り詰め ....
風が痛いくらいにしみこむ
私の肌はまだ 怯えていて
街頭のネオンを通り過ぎるたび
臆病者の影は心配そうに現れる
風邪は曳くなよ
なんて言いたげに(君こそね)
周囲に誰も居なくな ....
キィィィィ ンンン
鳴っている
塾帰りの娘を迎えに来て
路肩に車を止めてエンジンを切る
ガラス1枚隔てられただけで
街のノイズは膜を張られ
夜の静寂が濃くなるから
ィィィィィ ....
鬼がやってきたので 福豆を袋ごと投げつけた
クイックモーションから全力で投げた
「 俺が大殺界だってこと、わかって来てんのか! コラ! 」
鬼に投げつけた袋を拾うて ほぼゼロ距離 ....
大きな河がある。
河原の茂み越しに夕日が沈む
大きな赤い夕日が沈む
川沿いの巨大な倉庫の
グレーのシルエットを引きずりながら
大きな河がある。
河原の水際にホームレスのホーム
ホ ....
かつん、とネジが落ちてきて
気づいたの
あの銀色の月は
機械仕掛けなんだって
黒い蝶が
りらりら羽ばたいて
夜の甘水を渡っていく
世界が
どんなに張りぼてだって
眼に映る ....
夜まで
桜の木の下で
お花見をしている
とても
大きな
桜の木
風も
少し
吹いている
夜空に舞う
桜吹雪
ぼくが遺書を書く
きみがそれを紙飛行機にして飛ばす
そこかしこに光は降り注ぎ
そこかしこに影をつくっている
紙飛行機が草原に不時着する
文字の無い白い翼のところを
蟻が ....
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