砂漠がたったひとつの井戸を隠していたころから
私の瞳は たったひとりの姫を隠していた
床は真四角の部屋 天井が一点で結ばれている部屋で
彼女は いつも たったひとりで 永遠を歌った
....
ぼくは詩を書きたい
風は景色を光らせ
心をも光らせる
今日もまた
朝の散歩をしていると
光る風に出会いました
その風は
一面に広がる草原に息を吹きかけ
露が舞う
緑の ....
酷いじゃないか
あんまりじゃないか
丹精込めて作った私のお弁当を
フタも開けずに包みも解かずに
だのに
私がやっと振り絞った声が
あんたなんて味噌っかすよ
....
車も誰も通らない夜の道
寝転んで空をみあげる
名前も知らない星々が
必死に光り輝いて存在を主張している
ふう と白い息をひとつ
天に昇る息は 人の魂か
昼間とは違う ....
単調な生活から恵みの時が訪れる時
心が軽くなって誰にでも優しくなれる時
幸せは宝くじでは買えない
日々訪れる荒浪のハプニング
心が窮屈な部屋の中で
ああでもない こうでもない ....
夜の窓辺で予報にあった雷を待つ
窓枠をはずして砂嵐を眺め続ける
これは、八月の物語、
まだ来ないシーンの単調な予想図
チャンネルの変わらないメチャグチャのカレンダーの裏に書かれた
....
ぼくは詩人
道に迷い自分に迷い
道を迷い自分を迷い
それでも何かを見つけることが
人としての生き方でもある
今日もまた
なぜか
いらいらとした気持ちを
押さえきれず
夜の ....
いつも水を背にして
戦う
もう後には引けない。
負けられない。
苦しむ
悩む
嘆く
生きている間は頑張る
いつ死んでもいいように
今を大切に生きる
切腹も厭わない
悔いな ....
わたしの 小さな庭先に
小さな ひまわり
ひとつ 咲く
ひまわりを 守る為
まわりの草を
ひきぬく
ひきぬく
大好きな
ははこ草も
ひきぬく
無惨に ひ ....
ぼくは詩を書きたい
僅かな呼応は波紋を描き
大きくその世界を揺らす
今日もまた
朝の散歩をしていると
山と雲に出会いました
山は夏の緑を乗せて
空を見上げている
そ ....
夏少年の、硝子の{ルビ背=せな}に
せせらぐ
ピアニシモ
白い{ルビ喉=のど}の、滑るシトラスに
透けてゆく
アダージョ
戸惑う爪先の、細い苦悶
ふるえてゆく
アレグロ
....
静か過ぎるくらい静かに
あなたの足音が聞こえました
私を一人にしたまま
あなたは何処に行くのでしょう
私は目をつむったまま
あなたの顔を思い出そうとしました
あなたの残像ばかり ....
一郎さんの牧場で
GI GI ジョー
ほら
泣いてるのは ひよこ
嫌 嫌よ
そら
{ルビ撃=う}て {ルビ打=う}て {ルビ討=う}て
ほら
{ルビ遣=や}れ {ルビ殺=や ....
柔らかな風と共に
木陰を選んでゆっくりと歩いてくる
アリス
届きそうに届かないアリスは
夢の途中に僕に立ち寄り
その心の純粋さが削られていくのを
悲しい思いで窓から真 ....
君は守られてきた
君は飲み込まれてきた
世界は広い
類は友を呼ぶ
新しい世界に飛び込むのは勇気のいることだ
君も飛ばなきゃならない
君を照らす太陽の下で
エネ ....
ぼくは詩人
天に響く激しい轟きは
心に強く厳しく叫ぶ
今日もまた
夜の散歩をしていると
雷に出会いました
暗雲から下るその稲妻は
竜の如くうねり大地へと降り
これから眠 ....
たてものの一番高いところから
真っ逆さまに飛び降りる
陽の光が足裏にあたって
全身が温かく包まれていく
下の方を見ると
あなたはすでに飛び降りている
足裏にちゃんと土踏まずがあ ....
ファッションなんかには
まったくと言っていいほどに
興味がない。
ファッション雑誌に金を払うなんて行為は
馬鹿げていると、思っている。
いまどきの話題なんか
ぜんぜん知らなくて
....
磁石が壊れて北を指さない
蟻の列が日暮里へむかう
そうか携帯で時も方向もわかるのなら
GPSを首にくくりつけて 北へ
豊かなくにの人々は選り好みをする
もともとは貧しかったものだから
それを遠い昔に捨てるため
それとともに
薄れてしまったものが在ることを気付きもせず
豊かなくにの人々は
ある気 ....
今日も終わろうとしています
一つの終点に相応しい月明かりが
街を静かに照らします
無事に生きている事に誇りをこめて
掲げる祝杯で全てを許してあげましょう
皆から非難されながらも
生きる ....
踊る黒猫
踊る白兎
ミックスする
モダニズムの灰色
歯医者の診察台
に座らされ
歯を削られる
リューターの奇声
飛び散るカルシウム
丸い蛍光灯大小2本
収めた四角い枠
ぶ ....
梅雨曇りの朝 あなたはひとり
バスストップで高校行きのバスを待っていた
制服の後姿は 泣いているようだった
僕は「ふりかえってくれ」と心の中でねがっていた
その日はとうとう後姿のままだった
....
男女の蜜月は4年も続けば上出来で
後は想い出の時を刻んでいれば良い
社会的基盤がペアで行動する事を
定めてあるからか
結婚という契約は惰性というからくり
乗っかっていれば安心でらくち ....
海を眺望するために
首筋の汗をタオルで拭き、
どこまでも蝉の声に染まる山道を、
ふたり まだすこし歩く。
水気を含んだ草の色にさわぐ虫たち
土の匂いの蒸す、マテバシイの並木がつづくと
....
くろく輝く
あおくさい、剥き出しの
欲動となって
飛来する/潜り込む もの
海面をこえ
意識の縁から奥へと
あらがいがたい、神々しいかたさよ
天空の色彩を裂き、
ふり注ぐ叫びに
....
ぼくは詩を書きたい
道に迷ったときは
迷った道を楽しめばよい
今日もまた
朝の散歩をしていると
新しい道に出会いました
その新しい道は
いつからあったのか知らないけれど
....
洗面台に両手をついて
鏡面にうつる
わたし自身の姿に
すまし顔のわたしを脱ぎ捨て
背後から
すべてを包んでくれる
あなたの胸元にすがりついてしまう
ひとは誰もそうするように
突きつけら ....
もしも俺なら、
殴られても 殴られても
立ちあがり、攻撃を止めることはない。
だが、奴は嘆願し 鼻血を垂らし、
土下座し 床に頭を擦りつづける
見たくもない顔で 泣きながら乞う、許し。 ....
ひかりをふところに浸す、
みどりのまるみが、いのちの数式を
一面につめこんだ、
萌え上がる、眠れる森に、鬱蒼と、
うすきみどりを染め上げて。
満たされた隙間を、みずいろの風が、繰り返し、
....
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