すべてのおすすめ
一、
欲するのは桃色の乳房であり
熟れた林檎の頬ぺたでもあり
二、
卵殻のなか足の指で貪る夢という名の水菓子
三、
拒むために無知を選んだ
意識した愛情も無意識の悪意も
....
枕と扇風機と
鳩のなき声は
味方だった
働きはじめる冷蔵庫のうなりに
あんしんして目を閉じた
夏の朝はいつも
まぶたを透かす白
レースのカーテンが波立って
飲み込まれる
眠らなき ....
今日の日付が浮かぶたび涙じわりと
眠れずにつけたラジオから
あの人と似た声ざらりと
笑ってしまおう
目を細めたら泣けてきた
一生懸命でした
今日の日付が浮かぶたび涙じわりと
....
猫が疑問符を撒きちらし
夜がいくらか賑わいを増す
その髭の長さぶんの内容を
ひとつはそっぽをむいた月へ
ひとつは笑い揺れる木々へと
夜が明けるまで
あくびする間もなく語りかける
永遠 ....