握りこぶしに八割の水分
寝具に横たわり
タンクトップも脱いでしまって
タオルケットに巻かれてしまえ
コットンが素はだかを優しく撫でる
身体感覚が昇るからうつぶせを楽しんで
ひと ....
  1.

  海岸に
  打ち上げられたふたりの詩人が
  詩の話をしている
  金持ちが金の話をするように

  2.

  都市を撃ちぬく
  弾丸
  僕たちの指 ....
私達は風景を食べている
そしてもうひとつの地球のような
そんな世界を造りその上を歩いている
しかしそれはとても、とても小さい

幾つもある小さいを繋いでみようと試みるが
誰も縫い目ひとつに ....
自分だけがまちがっていることを
信じてはいても
わたしには疑念などなかった
ただ父は
大抵開けぐちが分からなかったので
最後にはいつも口をつかっていた

色のぬけ落ちた昇降口で
晴れた ....
一粒の滴りを待つ
張りつめた液体の緊張感
揺すられてこぼしたくない
あと一滴であふれ出したい

風のにおいを嗅ぎ分けて水辺を目指す獣
求めるものは
水ではなく
ただ己が
命である事
 ....
 泣く女

泣く女は階段の下で
セーターを編んでいる
赤い毛糸と緑の毛糸で

 哀れな女

シンデレラは靴の片方をなくした
シンデレラは靴の片方を探している
シンデレラは義足の片足 ....
みずたまりにうつる眼のふかさを知った
それは空腹をうったえていた
またたくと俤もきえた

あさましいおまえを
最初からさいごまでみつめてた





月を投げる所作で骨を嬲る

あなたよ
速度を落とし日に暮れ呼ばれ遊ぶあなたよ
春が待つようにして 白く落ちた嘆きがあるのだ
知らずして手をやる 水に揺れたのは破片であったか

 ....
神様をよくみたら

ソリトンだった
  果物ナイフできみの
  胎のあたりをちょっと切ったら
  どろどろとした詩がこぼれてきた
  その飴色の液体は
  ぼくの手のうえを這い
  フローリングに落ちて広がった
 ....
早く死ねばいいのに死なないのは嫌がらせなのかと
1日3回言われることになった
めがねをかけた
細い男から
いわれる

だから殴り殺すのが
いちばんいいが
だめなので
できない

 ....
びょうてきで 
  うるさすぎます

      駅前が
玄関が開いても
わたしではない
ので
もどす
お昼に食べた
おとうさん
おかあさん
ひとしきり泣いたあと
ゆっくりと暮れる

そういえば
今日は人死にがある  ....


 ギターの弦をはらう (音が鳴る)
 柄(ネック)をたたく(音が鳴る)
 ギターの腹を起こす (トントン)
 背中をひっくり返す (ふくよかな音が)
 響 ....
 
 
紫陽花の花弁の数の命かな
 
 
  学校帰りの
  黄色い子どもたちが
  葉桜の大きな
  大きな陰をこえると
  もう
  すっかり
  おとなになってしまった
フェットチーネがおいしいのは誰のせいなのか

という設問に対してウィットに富んだ
受け答えをしないと
面接試験で落とされることがわかったので
ひと晩対策を考え
当日

豚野郎のせい
 ....
ぼくらは両の手足と口で其々の聖書と夜を持つ
自愛の絹の帯で隔てられた小宇宙のなか
滑らかなつめたさにあやされて歌い
明日を諦める
朝を祈りながら憎み二度と望まないと誓う
私がまだモクセイ科モクセイ属の常緑小高木だった頃
女は窓に立つ鳥でした
私がまだ荊のような神聖さを保っていた頃
女は鳥をやめ風景になりました
そんな女が周期的な区分でグラデーションを繰り返す間 ....
五月の橋の上で
生まれ変わったら
何になりたいと聞かれた

ねことか
とりとか

雨の日の林の中の
きのこ
なんてどうかなあ
ぷつぷつとうたうたう
春の腐植の土たち
立ち上がろ ....
  きみの部屋は
  病室のような匂いがした
  八月も十二月も
  おなじような匂いがした
  気の遠くなるほどたくさんの
  交わりの匂いがした
  病室の匂いがした
  だ ....
スロープが設置され
単離された感情が乗って行くスロープ
サングラスが監視する目を伏せ
切り刻む風景を随時放り込む

横縞の観覧車が上下に回転する
警笛がしずかに
きわめて静かに鳴っていく ....
父は木製
母は金属製
そんなわたしの骨は木製
そしてどこか金属製

寄り添う啄木鳥
蝕む啄木鳥
偶然かわいい一羽くらい
薄い音を鳴らすときどき

黙る木製
黙る金属製
そんなわ ....
 ああ僕はよしと言われた犬みたいぺろぺろぺろんぺろぺろぺろん

 ああ僕はよしと言われた犬みたいこっちもぺろんこっちもぺろん

 ああ僕にあのぱたぱたはないからねジャージのズボン脱がずにおこう ....
穿っても

穿っても尚

届かずに

ノミの切っ先

だけを見ている
ベースギターの練習をしている最中に鬼が来て
私を殺そうと金棒を振りおろした瞬間に手を滑らせた
私は即座に金棒を確保し鬼を制圧しようと試みたが
あろうことか鬼は私のベースギターを手に取っている
 ....
さよならと つぶやく君の 背中だけ 目で追い掛ける 春の夕暮れ

先生の 正しい言葉 毒づいて 今日は悪魔に 心売りに行く

放課後の 君の耳を 塞いだら 愛してるって 言える気がする

 ....
僕の飼育権を勝ち取ったのは名実ともに日本一の動物園、上野動物園だった。
僕はすぐさま薄暗いトラックの中に入れられ、東京へと運搬された。
園内に着くと早速、僕は檻の中へ放り込まれた。
新しく造られ ....
い きながら えて
いきながらえ る

いき ながらえ て
いきながらえ る

いきな がら えて
いきながらえ る

いきながら えて
いきながらえ る
 
 
卵に言葉を教えた
教えた言葉を
卵はすべて覚えたけれど
口がなかったので
話をすることはなかった
雲が形を変えながら
夏の空に消えていく
わたしが生まれてから
何度も見たそ ....
はるなさんのおすすめリスト(1987)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
肌のよる- たちばな ...自由詩18*10-6-30
都市風景(1〜20)- 草野春心自由詩410-6-29
Patch_Work_#1- 瑠王自由詩11*10-6-28
生活- 梶谷あや ...自由詩710-6-27
ミルククラウン- テシノ自由詩110-6-26
食傷- salco自由詩22+*10-6-26
真昼の自白- 佐古自由詩2*10-6-20
月と骨- 水川史生自由詩6*10-6-19
神様- 佐藤伊織自由詩110-6-18
- 草野春心自由詩210-6-16
めがねをかけた細い男からいわれる- a自由詩210-6-13
特に摩天楼- 佐和俳句610-6-10
たそがれ- 古月自由詩410-6-8
宇宙空間、眠る庭園_(原始と死)- ヨルノテ ...自由詩310-6-6
紫陽花- 小川 葉俳句110-6-6
日陰- 草野春心自由詩310-6-3
フェットチーネがおいしいのは誰のせいなのか- a自由詩210-5-30
2010/5/30- 鎖骨自由詩710-5-30
柊と鳥- 瑠王自由詩5*10-5-28
五月の流れる水の上で- オイタル自由詩9*10-5-27
分娩室- 草野春心自由詩210-5-26
半袖のかいだんです- KETIPA自由詩310-5-26
カストール- 瑠王自由詩8*10-5-25
犬の歌- 藪木二郎短歌310-5-24
僕の趣味は彫刻なもんで- TAT短歌3*10-5-23
ナンシー- セガール ...自由詩410-5-20
今日はふとんに巻かれよう- 桐谷隼斗短歌310-5-18
青木龍一郎が動物園にやってきた- 青木龍一 ...散文(批評 ...310-5-16
いきながらえて- 紀ノ川つ ...自由詩1*10-5-13
夏の雲- たもつ自由詩22+*10-5-12

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67