火のついた白い煙草を
  きみが 一の指と二の指から
  二の指と三の指に移すのを見ていた



  なんでまた 髪なんて伸ばしてるんだ



  くちびるから 夢まぼ ....
バイクが走っている
私の名前を引きずっている
どうしてだろう
フェンスばかりが青くて
言葉は汗ばんでいる
買ったばかりの紙袋が風になびく
その側で人が笑っている
夜のキャベツに メガネをかけて
ながめるよ おほしさま
きらきらひかるよ

夜のキャベツに フォークをさして
かかげるよ おつきさま
いつかあげるよ

夜のキャベツに 鍵盤のせて
か ....
  夕がたの田舎道を
  きみの車で走っていたとき
  ステアリングをつかんだまま
  きみは溶けてなくなってしまった



  遠くには海がみえた
  少なくとも、海のような ....
 
 
秋田に来てはや二年。気がつけば、すっかり美人慣れしてしまった私がいる。逆に言えば、美人慣れするには、二年も要するということである。これはたいへんな試練である。
美人を見ても動じない。読者 ....
友とふざけながら歩いた道に
地雷をたくさん仕掛けたら
爆発して死人が出てしまった
なんてひどいことをするんだ
なんてひどいことを君は
  首すじの まるい砂に
  あまい夢が 今日のしずくを落とす
  夕いろの、せまい、部屋のような瞳を
  ころがしてあなたは とかげの顔で笑う
  いつも 恋は速すぎるし、
  と ....
ドーナツがまずいカフェで
ドーナツがまずいで有名なカフェで

双葉ちゃんはアルバイトしている
双葉ちゃんはかわいい

カフェは今日も混んでいる
カフェは今日もドーナツが売れ残る

お ....
  うつむいて
  ひもをむすぶ
  しろいシャツに
  あかねいろが染みる
  今日はきみを 抱きしめたくはない
  ありふれたことばで 濁らせたくはない
  きみはうつむいて  ....
電話はだいたい突然だけど休日をアクティブにだらだらしようと思っていたら突然モエモエからランチに呼び出されて駅前の定食屋で待ち合わせた。酢豚定食をたのみ、どうしたのと聞くとやっぱり好きな男のことで、やっ .... ジリジリと
迫ってくる
それは感じている
でも、
足が動かない
腕も
手も

渡り鳥が行ってしまう
夕陽が沈む
花が枯れる

気付けば
何も無い
何も無かった
過ぎ去って ....
じゃりじゃりした気分で
浜辺で
1人で
100人で
海なんて見ないで
あらかじめ用意された
浜辺で
1人で
じゃりじゃりした気分で
少年が
少女が
スズメが
雲が
魚が
猫 ....
殻の煮え
爪先立ち
ケレン味
夜には
一斉に開かれて
“みんなエビフライだよ!”
どよめく心筋
押し寄せる十指
感覚が
五臓六腑をうろつき廻り
首が調理師の
涙で濡れていました
 ....
朝から鶏肉を網で焼き
人々に振る舞う聖人よ
あなたの本当の目的は
オーエルのヴァギナか
ジス イズ マイ ペニス
あるいはそんなことも
視野に入れているのか
いずれにしても今夜は
とて ....
ギザギザの鋏が切り分ける
夕暮れ時の空と山を
営業車に乗って
ただぼんやありと見ていたら
早く家に直帰して
キッチンに立つ妻を
背後から抱きしめたくなった

フロントガラスの映像が
 ....
  珊瑚礁がわらっている
  夕方 潮風のかわりに



  わたしは、
  爪を剥がされた猫と 体毛の薄くなった猫とを
  膝のうえに半分ずつ抱いて 雨を受けた、
  あなた ....
  滑らかな掌が 部屋の中で
  私たちの内のどちらかをさがしている
  (夜は こんなにも 明るいというのに)
  捩じれた、青白い樹の 影が、こごえている
  いつか 囁きに似た笑 ....
かるく、かるく、
つかれる羽は
かつて
どこかの空でした

あかるく、かるく、
つかれる羽は
かつて
どこかの水でした

まあるく、まるく
つかれる羽は
かつて
どこかの ....
  春、ひとすじの川が
  豊かな緑に彩どられるころ
  薄い衣をまとっていくといい
  きみは女なのだから



  岸のむこう側では
  きれいなかたちをした石が
  見 ....
  椅子に座り、瞼を閉じて 静かにしていると
  彼女の心は川の水に深くゆっくりと沈んでいく
  遠い、淵のところからあふれた透明なものたちが
  灰色にくすんだビル街を薄い膜で包みこむ ....
シャッターの
陰で
あんたと





しりとりを
した
  ところで、
  思い出のなかのあなたは春先のキャベツのように
  何よりも甘く、温かく、笑い転げている
  意識のあやうい外縁を一匹の野良犬が走る
  窓の外で雨が降っているのかど ....
  蛙がいっぴき、
  きみの眼のなかで凍え死んでいる
  その皮膚は潤いというものをうしなっている
  そんなことお構いなしにきみは蕎麦を食べている
  分厚いダッフルコートのボタン ....
  朝がきた
  薄ぐらいもやの向こうに
  金色の光が輪をかけている
  あなたが いつか その手のひらに
  汲んできた水は だいぶ前に
  何処かでこぼれてしまったけれど
  ....
頭脳明晰な俺の妻
しかし俺の偏差値では
筆算がいまだにできない
妻はそんな俺に対し
まともな食事をさせず
手のひらいっぱいのいり大豆を
三日分の食事だといって
手渡してくるのだが
しか ....
  さびしいことを言ってくれ
  秋の幕がひかれるころに
  紅葉色のセーターに袖をとおして
  氷雨の似合う 唇のような{ルビ瞳=め}をして
  かなしくてたまらなくなることを言って ....
  白鳥はうつくしい
  あなたの細い両の腕は、きょうも
  わたしの首をきりきりと締めつけていた



  あなたの長い髪の毛は
  あなたの言葉に似ていない
  みじかくけ ....
女の股に両の手を挟んで暖をとる冬   ビールジョッキをあしらった看板から
  たっぷりとした影が道に{ルビ溢=こぼ}れていた
  旅の荷をおろした無口な男は
  これから何処まで往くのだろうか
  それは 知りようもな ....
  夕暮れのなかで 光たちは話をしていた
  かつて朝日だったとき じぶんがどんな色をしていたか
  藍色の 円い 夜のうちのひとつになって
  薄暗くとけていくことへの 微かな畏れにつ ....
はるなさんのおすすめリスト(1970)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アカシア- 草野春心自由詩314-3-29
simple_plan- たもつ自由詩814-3-23
夜のキャベツ- 御飯でき ...自由詩414-3-21
- 草野春心自由詩214-3-16
美人慣れ- 小川 葉散文(批評 ...914-3-16
のう- セガール ...自由詩314-3-11
あまいゆめ- 草野春心自由詩814-3-8
ドーナツがまずいカフェで- 左屋百色自由詩3*14-3-5
風のあと- 草野春心自由詩2+14-3-5
よせて_あげて_はさまれて- 末下りょ ...散文(批評 ...3*14-2-26
signal- opus自由詩114-2-25
あらかじめ現代詩にさせられた言葉たち- 左屋百色自由詩11*14-2-24
みんなエビフライだよ!- ゴースト ...自由詩7*14-2-21
ナンパ- セガール ...自由詩114-2-14
無理- 和田カマ ...自由詩2*14-2-11
珊瑚礁- 草野春心自由詩414-2-9
滑らかな掌が部屋の中で- 草野春心自由詩214-2-8
羽つき- 千波 一 ...自由詩614-2-6
薄い衣- 草野春心自由詩7*14-2-5
エーテル_11- 草野春心自由詩314-1-13
初恋- TAT短歌2*14-1-3
エーテル_5- 草野春心自由詩313-12-28
蕎麦屋- 草野春心自由詩213-12-21
むかしの歌- 草野春心自由詩913-12-20
頭脳明晰- セガール ...自由詩413-12-10
たそがれ- 草野春心自由詩713-12-6
白鳥はうつくしい- 草野春心自由詩313-12-5
「肉の冬」- 宇野康平短歌213-12-3
歴史書- 草野春心自由詩413-12-1
光たち、影たち- 草野春心自由詩613-12-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66