天災に
期待も悪も
呑まれゆく
ひとつの声が
空に消えたり

好きだった
君の髪一本
筆箱に
そっと隠して
春を閉じたり

旅先で
出逢う少女の
襟足に
夕陽こぼれて
 ....
犬の名前を並べる、
タロー、ルル、ブンタ、シロ
そのことを悔い、
喉元にキムチの色を塗りつけて、
俺たちは、見つめあった

北の城壁が高く聳えていた
たぶん、高さは、
喉の渇きで測った ....
言葉を任意の性質の飲料の器であってそれ自体はニュートラルであると考えるとき、日常会話は好き好きに飲み交わす宴会、数学は何も注がずに器自体を精緻に並べる骨董マニアの自己満足的営みないし器自体を塑像する工 ....  
 ポエムは

 疲れた夜に心にしみる

 Sweetsみたいなものだから

 甘くていいよね

 甘酸っぱいくらいでいいよね

 りくろーおじさんのチーズケーキ

 レー ....
僕は死んでいるのかもしれない
電気はもう通らなくなってしまった
水はもう流れなくなってしまった
重力はもう働かなくなってしまった
僕が生きているということを君は証明できるかい
全てを破壊した ....
コップに残る水の
ぬるさに 立ちのぼる気配

窓辺のほつれた糸が
風にふるえて 何かを問う

なにもない机のあしもと
捨てられた 言葉の裏がわに
わたしが置き忘れたものを
君が知らず ....
ほどけていく
朝の気配と
牛乳だけが白い
メガネの
遠い向こう
身体の在処
その不在

親の顔が見てみたい
度々そう言われ、毎日
親の顔を見るのが
不思議だった
見に来 ....
芝生がきれいです。
太陽はずっとてっぺんにあります。
風がそよいで、僕の帽子がころがります。

とっても時間がたった。そんな気がします。
たくさんのことを覚えていたら
いろんなことを
忘 ....
南の祖母は
星の名を教えてくれた
できの悪い生徒である私は
星の名をときどきまちがえた
そのたびに
牛乳をいれたコップが割れたり
黒猫が尿路結石になったり
母の眼鏡が折れたり
祖母は言 ....
ひさしぶりにかえってきた娘が
玄関を開けて
いえのにおいがする、といった
ずっとこの家にいるわたしには
そのにおいがわからない
いいにおいかどうか
よくないにおいかどうかも
わたしが息を ....
シャッターのおりた憂楽街
眠りに落ちた改札口
プラットフォームの底
沈んだレールから
明日が聴こえますように
夜がはじまる、八重洲口バスターミナル、年末だからか人がたくさんいて、映画のオープニングみたいだって思う、見知らぬ若い男女の、かばんがぶつかって、実はアパートのおとなりさんでした、色々あったけど、めでた .... 嬉しさを愛の形に当て嵌めて今日も誰かを恋しに出かける


脳内で育った角があと一秒、あと一秒で頭皮を破る


須賀敦子だけを読んでる春の朝、親類なんてひとりもいない


マグノリア大 ....
たらこ、食べたいの
ねえ、買ってきて、たらこ
たらこ、買ってきて
今すぐとは言わないから
でも今すぐ食べたいから
買ってきて、無理なら
とってきて、海から
海でいいと思うの
磯 ....
おれたち闇を見てる
おれたち夜を見てる
おれたち風を見てる
おれたち今を見てる
おれたち虹を見てる
おれたち春を見てる
おれたち海を見てる
おれたち光を見てる
 ....
ひとつだけ残った恋をつまみ食い 小骨がのどに刺さって痛い  喉を 僕は 通り過ぎて
 日差しの少ない部屋に入った
 時間の寂しさが近づいてきていた

 まだ 早かった けれど
 コップに 桂花陳酒を{ルビ注=つ}いで飲んだ
 時間の寂しさが近 ....
白い服を着た人びとが
地面に横たわっているが
誰ひとり目を覚まさないし
光もそこだけ薄暗い
時折風が吹いて
着物の裾や袖を膨らませ
やわらかく和毛を揺らす
鳥は肉をつついて
おもしろく ....
呼ぶ名前すら知らず絵学ぶよ。
よぶなまえすらしらずえまなぶよ


私の潜る余白と読破、夜、雲の下は。
わたしのもぐるよはくとどくはよるくものしたわ


太古、鱗ごと心動いた。
たいこ ....
誰もいない言葉
綴られただけの
八月の少年
薄色のかき氷が
風に消えていく
その飛沫

街のどこかに
沈没船が埋まっている
そんな噂が広まった
大小のスコップが売れて
大 ....
庭先には
風で出来た駅があった
物も事も停車しない
すべてが通過してしまう
寂れた駅だった
夜が明ける頃
母は庭に洗濯物を干し始める
それから弁当をつくり
朝食の準備をすると
 ....
 青い 空に
 梢がしがみついている
 かなしいことは いつも
 庭の木の柿のようにみのる
 世界の端のほうに 僕は坐っている
 つぶれた靴を
 見ていると雨を思い出す
 ほの明るい 窓硝子のむこう
 僕の心が僕の心に変わっていく
 その間も絶えず 雨は降り続けている
椎茸と茄子をあんなに嫌ってたあのころ世界は輝いていた 衣食住が足りていても言葉が足りない
そう言って君は僕の顔を見た
でも、実際できる事とできない事があるんじゃないかな

僕がそう言うと君は僕の頬を平手打ちした
部屋中に肌の鳴る音が響いた
そ ....
 世界が 大きな空洞なので
 水平線が見えた
 海が見えた

 白い 掻き傷が あるのか無いのか
 どうしようもなく なにもかもが
 影

 倦み果てた貌で
 あなたは 眼に映る ....
 魚が数匹
 日の光になって
 頬の上を泳ぐ

 問われては 答え
 答えてはまた 問い
 感情の影に貌をかくして

 問われては 答え
 生まれてはまた 息絶え
 命あるもの ....
夢。中学校の美術の授業。なぜか美術室ではなく教室。また、校舎内は板張りが多く、これは自分の通った中では小学校に近い。1人1枚、B4アナログ原稿用紙に漫画を書いている。その風景は書道の授業に似ている。自 ....  何も言わない
 読点のような皿を洗う
 燃え終えた数本のマッチに
 年々似てくる
 僕の記憶

 日をうけて
 影になっていく 木
 振動する沈黙 かなしすぎるほどに
 決して ....
 無害なことばかり話す有害な人
 舌先から 論理が涎のように垂れて
 皺くちゃのスーツに染みをつくる

 キミに足りないのは嫉妬心だよ
 そう言われた 丸ノ内線の車内で
 他人か知り合 ....
はるなさんのおすすめリスト(1987)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
AI短歌99- 花形新次短歌125-7-6
犬の名前- atsuchan69自由詩22*25-7-1
言葉に関する断片- 森 真察 ...散文(批評 ...225-6-26
りくろーおじさん- おやすみ自由詩225-6-16
空洞- 若森自由詩7*25-6-14
見えない音- 飯沼ふる ...自由詩6*25-6-3
水滴もしくは- たもつ自由詩625-6-3
きれい- fujisaki自由詩425-5-17
星の名- 尾内甲太 ...自由詩1625-5-10
いえのにおいがする- そらの珊 ...自由詩17*25-5-7
夜の底- wc自由詩18*25-4-28
よるにいどうする- fujisaki自由詩625-4-1
迷子の朝に- 由比良 ...短歌3*25-3-29
たらこ- たもつ自由詩3*25-3-28
ジュピターには何時に着くの?- TAT自由詩8*25-3-22
恋の小骨- 福岡朔短歌525-3-22
桂花陳酒(2025.02.16)- 草野春心自由詩525-2-16
- 春日線香自由詩625-2-6
胎児と踊る(回文)- 水宮うみ自由詩3*25-1-29
渋滞- たもつ自由詩425-1-23
風の駅- たもつ自由詩325-1-9
梢と果実(2024.12.12)- 草野春心自由詩325-1-8
自分(2024.11.29)- 草野春心自由詩324-12-19
いまは好き- 秋葉竹短歌224-12-17
理由- 久遠恭子自由詩324-12-16
倦み果てた貌(2024.11.28)- 草野春心自由詩5*24-12-15
魚(2024.11.06)- 草野春心自由詩424-12-10
- なけま、 ...散文(批評 ...2*24-12-10
何も言わない(2024.11.03)- 草野春心自由詩424-12-2
涎(2024.10.31)- 草野春心自由詩424-11-25

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