どこへ行こう
あなたとはなれて
ひとり

さびしいよ  オレ 単身赴任
と、言ったら

みっちゃんも
さびしい
と、
涙をいっぱいにたたえて
うごかない体をふるわせて
白く
 ....
古い人体解剖図
の中の男に
愛をささやかれる
夜遅く女の部屋にゆくと

女の使っているお椀やお皿に

夕ごはんを盛ってくれていた

二十も年下であるのに

玄米ごはんと海老の水餃子をつくってくれていた

まえから誘われていたのを

ぼくは連絡をと ....
  一輪のすみれを
  花のところだけ切り落とす



  いとしい{ルビ女=ひと}よ
  きみの優しさが
  どこまでも悔しかったからです
冷蔵庫の中から
あなたが出てきて
おとなになりたかった
と訴える
こんな夜には
ビルよりも背の高い
おとなになりたかった
おとなになりたかった
目が夢を欲しがる時
演じることが 遠ざかる
電車の シートで
自分のことが 好きだった
{引用= ――はるな「桃のこと」に寄せて}

  桃を剥く
  なるたけ薄く
  しゅるしゅると
  あなたを剥く
  透明な肉



  最初に
  いだかれた痛み
  それ ....
  さわってもいいけれど
  そこにはないよ
  僕の手にも
  やせた胸にも
  ズボンの下にも
  さわってもいいけれど
  つたえられない



  書いたっていいけ ....
セミ
かと思ったらエビ
枝にたくさんの甲殻類が
困っている


 朝目覚む
 早き時刻
 妻に声をかく
 名を呼べど答えず
 名をもう一度呼ぶ
 目を開けず
 もしやとよく顔を見る
 もしやと閉じた
 目を開いてみる
 妻にっこり笑みて ....
海に帰る男の子がふえている。海に帰る途中で冬になった東京に寄り、からだを売り飛ばす男の子がふえている。海猫がコロニーをつくるビルを、非常口を確認するように稼いだ金を数えながら、のぼる。うにゃん .... 熱風と潮のからさに生足を出したというのは言い訳だろう


追想と他人の秘密を剥がす酒 求めないはずの指先を磨ぎ


隙をみせ皮膚が食われるもよおしを芽吹ける場所が賑わっていく
  突然
  女の胸が
  扉のように開き
  細く
  こわばった
  いくつもの指たちが
  ぼとぼとこぼれた



  モネの指
  キースの指
  アルゲリッチ ....
届かなかった
無数の声を
毛むくじゃらの姫が
歌う

時計が砂になるほどの
はるか昔の
花束
  お願い、
  ドアを閉めて。
  その椅子に座って。



  涙のギター、
  スライドして。
  出来るだけ、
  音を伸ばして。



  歌うなら、
  ....
話しかけても顔をそむけて
そっけない返事をするのは
なんか

愛ゆえのことで
千尋の谷に
つきおとして
ようすをみるてきな

かのうせいが

ある





おもっ ....
 
 
魚屋に雪が降る
並んでいる電信柱たちは
パンのように沈黙する
台所の窓辺にサボテンを置いて
今日は何をして過ごそうか
外のアスファルトが
小さな音をたてる
きみの体温も静かに ....
千早振る蛇を殺して猫眠る

美しい人を殺した怖い人

好きだった歌を忘れた四畳半

窓の外はあらゆる事の起こりうる

枯草熱試合終了五分前

ていねいなしらない人の顔写真
  わたしの喜びが
  きりきりと痙攣する
  ただ一滴で
  あなたの
  搾りだしたさよならのせいで



  落下するさよなら、
  道をゆく眼差し、
  世界じゅう ....
そういえば
姉の名前は
梨の華と書きます
はじめての孫に祖父が名づけました。

昨日の午後に
私はのこぎりを持って
全身を使って
梨の枝を切り落としていました
父と一緒に
 ....
  歌ってはいけないことは
  ひとつもなかった
  嬉しければ笑えばいい
  悲しければ机に突っ伏し



  歌ってはいけないことは
  どこにもなかった
  愛しければ ....
ダビングしようと
君はいった
それはとても
素敵な提案に思えたけど
僕たちは
ダビングすべきものを
なにも持ってはいなかった
だからふたりは
ちょっと高価な
ビデオカメラを買って
 ....
地震
崩壊
揺れ
一度は死んだという思い
希美子、幸司、靖司
混乱
信頼
マンボちゃん、知沙
揺らぎ
ターハイ
イッチャン、ニチャン、サンチャン
巻き込みあいながら
ひとつとし ....
とは言わなかったが深緑
の海の底でシャワーを浴びる
人魚の群れ

いずれ死ぬ花と骨の埋没
うつくしい響き
何かが溶けるような
うつくしい響き
風にとばされながら
うたい続けている
うつくしい響き



鳴るよ
君は鳴る
その奥に潜むグロテスクな塊を
うつくしい響 ....
めだまやきには
苦痛をともなうべきだと
たまごがやかれ
失われるのは
とりのめだまの

だった
きみとしろみとその他もろもろ
たとえられて
身のぎせいを
あじわっている
なんて ....
バスが停車するたびに
バスガイドが代わる代わる乗り込んでくる。
口元に引き寄せたマイクから
日本から海外まで。観光地から
狭い路地から、台所から、寝室から
行くこともない土地の話を
そこに ....
いちご畑にみんな集まれ
にこにこ笑顔に
さんさん太陽
よんで
ごらんよ
ロックンローラー
七輪にうちわ
鉢巻き巻いて
焼べた赤い火で
唐辛子あぶる

五十五秒だけ待っててね
も ....
僕は今から体内を洗練する
温度を感じぬ裸足で外に出る
海に向かい血の付いた右手で空を切る
許しを得るために
残虐の対価として僕は
上記のように清らかに生きなければならない

 ....
{引用=  ――Raymond Carverに}

  男の頭を
  少し傾けるとレイに
  もう少し傾けるとアル中患者になる



  注意深く
  あなたは頭を傾ける
  朝
 ....
はるなさんのおすすめリスト(1906)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
泣く光- 草野大悟自由詩5*11-8-5
秘密- 春日線香自由詩211-8-5
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イストの指- 草野春心自由詩411-8-1
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クソ- 草野春心自由詩211-7-31
どうなんですかね- 6自由詩211-7-31
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習作(6)- ああああ川柳211-7-31
一滴のさよなら- 草野春心自由詩3*11-7-30
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歌ってはいけないことは- 草野春心自由詩7*11-7-29
ダビング- Tsu-Yo自由詩511-7-29
『森のなかの海』- はなもと ...自由詩8*11-7-29
これは雨- 春日線香自由詩211-7-29
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めだまやく- 中川達矢自由詩15*11-7-28
[:trip- プテラノ ...自由詩311-7-26
レッドレッド123- aria28thmoon自由詩311-7-26
物忌- 散布すべ ...自由詩311-7-25
傾ける- 草野春心自由詩6*11-7-23

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