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冬の終わりです
雪です
女を埋もらせています
深さ九十センチ
春ともなると
シャベルがやってきて
雪を掻いたり
女を掻いたり
シャベルも
女も
シャベルも
女も
みんな ....
ばななの身に
きりんの形をした
バナキリン
というのが いて
草丈も短いサバンナで
こういつまでも
夏が暑いと
やわらかく 溶けてしまいそうなのを
困ってる
バナキリン
五月の橋の上で
生まれ変わったら
何になりたいと聞かれた
ねことか
とりとか
雨の日の林の中の
きのこ
なんてどうかなあ
ぷつぷつとうたうたう
春の腐植の土たち
立ち上がろ ....
かび臭い二月に始まる
情けない恋のうたをサチコに
ぼくはある日
茶色い少女に恋をする 髪も制服も靴下も
少女は教室で教科書をカバンに詰め
僕は黒板のようにそれを見ていた
せっかくの ....
人は少しずつ変わる
まずぼくに
最初の紅茶がやってくる
砂糖の少ない紅茶が
ぼくはしばらく
砂糖の少ない紅茶をすする
それからゆっくりと
考える
だれがどんなふうに
変わった ....
さあ でかけようぜ 狩りに
黒鉛のナイフを左手に
舌先の罠を仕掛けに
いつもの通い路は未だ暗いが
彼方で獲物の
かなしい誘惑の声が響く
さあ でかけようぜ 狩りに
えさは厳冬の風に晒 ....
曲がったネクタイを直して
身だしなみをきちんとして
それから 二人で
青空を見に行った
白いけむりが立ったので
裏の丘へと登っていった
あなたの腕のような
楓の木々のあちこちに
朝 ....