くるりと回すと宝物は潮の匂い、使い込まれたそれらはところどころ錆び、いっぱいあるけど違いがわからないって言うと笑う顔に歯がない、かつてキスやらクサフグやらと一緒に愛車のトランクに入れられたそれらはこれ .... 安売りをしていたので
星をひとつ買った
命名権付きということで
相応しい名前を小一時間考え
以前飼っていた犬の名前をつけた

部屋の電気を消すと星は仄かに瞬いて
偽物みたいに綺麗だ ....
海がもしも優しくするって約束してくれたら
あたしは沈没してもいい
船になる
何をして何をしないで生きられるサラダにプチトマトは入れない 覚えてる
あたしは最初 小鳥の卵だった
知ってる
あたしは卵から孵った子
わかってる
あたしは あたしだってこと
いつまで経っても飛べないけど
それが あたしだってこと
ちゃんとわかっ ....
みあげてもみあげても空は足りなくて骨になったら海に行きたい   小さな島に移り住み
  満たされたひとたちは
  くだらない寓話を書いた


  虫を殺した
  テレビを観た
  風邪をひいた
  支払いを渋った
  過ちを悔いた
 ....
 
 
部屋に海が落ちていた
魚の姿は見えなかったが
遥か遠くを
タンカーが航行していた
 
朝のうちは
キッチンの方へと吹く
潮風にあたり
そのように過ごした
 
午後 ....
  壁に穿たれた
  美しい釘のそばで
  うしなった言葉を私たちは捜す
  古臭い絵には茂みが描かれている
  垂れ耳の犬のながす 白く長いよだれ
押すなよ!押すなよ!といってる人の
背中を押すのはよしなよ
ねえよしなよ

押すなよ!押すなよ!といってるくせに
背中を押してもらうことを
期待するのはよしなよ
ねえよしなよ

俺の ....
  かれらが、一体なにを
  言いたいのかちっともわからず
  ことばのなかにひらめく暗闇をさがした
  目を凝らして 耳を澄ませて 鼻をとがらせ



  けれども本当はかれら ....
  驚くに値しない
  あなたの指のなかに
  古い町がひとつ埋まっていようが


  青い部屋でわたしは 静かなチーズを齧る
  散らばっていた 丸い 悲しみの粒を
  一列に ....
夜の海辺を
韻を踏んで歩くと
奇妙な砂利は
ペイントされ
同じ表情をかもす
眠りに落ちた
カモメの泣き声を
閉じ込めた貝殻に
吹き込んだ愛について
空き缶に零れた
海の ....
雨で
ヒゲが湿って
しょぼくれてる猫

軒下から
灰色の空を呪い
ふやけた肉球を
丹念になめまわす

寒いだろう、とか
冷たいだろうと思うのは
いつだって人間の勝手で

猫は ....
  硬い建物は
  不躾な質問に似ている


  夏の朝、
  青い樹がそよぎ
  世界から こぼれ落ちそうになると
  わたしは動けなくなるのだ
  かつては二つ並んでいたが ....
  赤い皿に
  老夫婦が座っている
  男の穿くすててこは膝が破け
  女の手に握られた琥珀色の数珠には
  結び直したあとがみえる
  うつむいて目を閉じ、かれらは
  眠って ....
  緋色の籠は いつも
  夜がくるまで あなたの
  六畳の寝室に置かれていた
  房をなした影をひとつひとつ掻き分け
  大なり小なりの
  扉がついたところでしか
  きくこ ....
  冷えた三角形がピアノ線で
  夜に吊るされ 波打っている
  白いチョークで昼のうちに引かれた
  いびつな線路をたどり その女は
  むかつくほどきらいな男に会いに行くところだ
 ....
  あの後、わたしたちは
  ふたりで 雨の骨をひろった
  萎れたすみれの花に似せて
  造られたかのような
  蒼い 夕暮れ
  きみに
  話しかけることができない
  脈をうつこめかみに手をふれて
  ひとつめの言葉をさがしているのに
  どうしても話しかけることができない
  うまれて初めての夜がきた ....
  左脳のなかに
  右脳が休んでいる
  縁石に腰かけ、私たちは
  玉砂利をつかった遊びに耽る


  あとほんの少し風向きが変われば
  瞼の暗闇にともされた炎のかたちがわ ....
貫かれた衝動
拍動する心臓
息を切る

カモシカの大群
打ち落とされるナパーム
プラスマイナスの反発

縦横無尽の飛翔
響く雷鳴
ぶら下がった魂

無為のやり取り
くだらない ....
  夕立のなかを
  わたしたちはとおり過ぎる
  云うことがなくなって
  胸のなかをおよいでいた
  魚たちはさっきいなくなって
  あなたの透明な顔がかなしい
  あなたの息 ....
  なめくじは あなたの頸に似ていた
  固い紙袋から ぶどうパンをかじって
  わたしは こっそり あなたの頸をみつめた
  どこにも ふってはいない 雨の音
  どこにも たどり着 ....
舌から唾液を出来るだけ
すすろうとして
がっついてたら
もう激しすぎって
嗜められたんだけど
おじさんは鈍感だけど
経験を積んでるから
わかってて
でも、
君は19歳だって言うから
 ....
光には影がある
影は光によってつくられる

二分の一の世界を
きみ
知らないね

半分は
影なんて
どこ探してもないんだ
もう半分は
光なんて
ない

たくさんの人が
息 ....
起きた時喪失を感じる。夢を遡り昨日を遡り、どんどん過去へと逃げていく私の心の半分。私は朝起きるたび心が半分になる。そして、過去へと遡って行った心は決して帰ってこず、その代わり消え去った思い .... (軟禁で恋は作れる)窓のない部屋に缶詰転がっている   わたしたちは煉瓦をみつめていた
  通りの人がみな風邪のようなものをひき
  草色の貌をして 汗をかいているとき
  わたしたちは煉瓦をみつめた
  話をしながら
  煙草をすい ....
妻は
ピストル🔫を手に入れたいと言う
それで僕を撃ちたいの?と聞く
弾が無駄だからイヤだと言う
まさか自分のこと?
馬鹿じゃないって顔をする
宅配便業者の頭に突き付けると言 ....
はるなさんのおすすめリスト(1906)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夾竹桃/即興ゴルコンダ(仮)投稿.61- こうだた ...自由詩5*15-8-8
夕日- たもつ自由詩3515-8-1
約束してくれたら- もっぷ自由詩11*15-7-18
何をして何をしないで生きられるサラダにプチトマトは入れない- 北大路京 ...短歌515-7-16
あたしの唄- もっぷ自由詩415-7-13
_*- もっぷ短歌415-7-6
満たされたひとたち- 草野春心自由詩115-6-27
言い訳- たもつ自由詩515-6-22
美しい釘- 草野春心自由詩215-6-20
よしなよ- カニさい ...自由詩115-5-29
かれら- 草野春心自由詩415-5-24
並べる- 草野春心自由詩16*15-5-23
微笑の群れ- かんな自由詩8*15-5-22
奇跡の耳- ガト自由詩4*15-5-21
不躾な建物- 草野春心自由詩515-5-17
赤い皿- 草野春心自由詩215-5-5
緋色の籠- 草野春心自由詩315-5-4
冷えた三角形- 草野春心自由詩315-4-30
雨の骨- 草野春心自由詩415-4-25
話しかけることができない- 草野春心自由詩615-4-3
- 草野春心自由詩515-4-3
kick- opus自由詩115-4-1
夕立のなかを- 草野春心自由詩415-3-28
なめくじ- 草野春心自由詩415-3-22
ignoble- opus自由詩215-3-15
嘘もしくは舞台- 草野大悟 ...自由詩1*15-2-22
起きたとき- 葉leaf自由詩715-2-17
(軟禁で恋は作れる)窓のない部屋に缶詰転がっている- 北大路京 ...短歌315-2-2
煉瓦をみつめていたとき- 草野春心自由詩315-1-24
妻の願い- 花形新次自由詩115-1-18

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