その石には
  一房の夜が埋め込まれていて
  羽をひろげた名もない鳥が
  宙返りをして遊んでいる
  ならば
  僕は
  手のひら一杯の嘘をあげる
  その重みで
  ....
太陽がバターみたいに溶けてゆく
まどろむように夜を迎える

君が見た世界は僕と違ってて
うれしいような かなしいような

かさねると おもたくなるのは仕様です
背負ってゆくより  ....
 
あなたへ直線をひけないので

円をかく

今日も円をかく


 
君たちは分裂して数を増やす君たちは分裂して夢を数え上げてく、
何しろ満足しない方法を覚えたときから、
君たちは足を増やして切り落として、
切り落とした足を食べて生きているんだから、
そのために ....
  夜半、
  食器棚の中に
  銀色の双眸を宿した
  生温い女がはいっていて
  その白い吐息は
  ガラスの扉を曇らせていた



  他にはいっていたのは
  腐っ ....
牛丼屋でウシが食事をしていた
まさか共食いか、
と思ってよく見ると
豚丼だった
食べ終えたウシは
お父さんごめんね、と言って
手を合わせ
泣き始めた
他のお客さんは皆
見て見ぬふ ....
「素因はたぶん、耳ね」
おまけに、抜け落ちる髪と繋がっている緩んだ肉体は耳のためにあるらしく
耳の熱を冷まして寝ないと
ふとんに泌み込む塩素にわたしの夜を知られてしまう

「結果はたぶん、口ね ....
 夜間高速
肘から先の宇宙は
少年時代に繋がっていて
綿菓子みたいな青春が
笑顔で僕を待ってる

 螢
てらてらと鳴いている
光は人の絆を蝕む
川に小舟を浮かべるよう
やさしく空へ ....
会社の前に
クジラが打ち上げられていた
昨夜の雨の中を
泳いで来たのだろう
海に連れて行こうとしても
びくともしない
やがて専門の業者の人が来た
都会ではよくあるんですよ、
と ....
まだら模様の彼は
大声でLOVEを叫びます
私はこの身体から
外出するために
嫌いなものを
好きになりました
{引用=(煙突)

   獣たちの
   輝いていた瞳は
   もう、眼窩にひそみ
   昼の祝祭は
   夜の灰となり
   細い導管を
   遡る


(車)

 ....
七月の家

窓から風が
緑の葉は揺れ
庭の木々も
風と戯れ
汗ばむ頬
七月の午後
珈琲はおいしく
壁の絵もうれしくて
全てのものが
涼しい唄をうたっています。
うさぎの
あたまが
たいへんに
わるくて
いしの
そつうが
できないから
せんきょけんが
あたえられず
せいじさんか
できないから
うさぎに
じんけんはないし
うさぎは
ひ ....
それでも困るやつはいない。
ビルの踊り場にモップが散乱しているくらいじゃ。
そのかわりに、掃除用具のロッカーの中を
想像していただきたい。ガムテープでぐるぐる巻きの警備員か、
同僚たちのつ ....
街灯は静かに同じ夜を燃やしている
うすくかかった膜のような
どこにでもある話をしながら

特急を乗り逃して
ふてくされて爪を切っている
割と、大事じゃないような
そんなものに焦がれている ....
 夢と同じに
  冷やされた
  あなたは個人

  支払の半分
  内科病棟に
  忘れました

黒 ....
  干草色をした
  豚の死骸の、腹の上に
  尖ったつま先を押し当て
  バレエダンサーが回転している
  白く、
  白く
  バレエダンサーが回転している
  酸素を吸い込 ....
  夢を見た
  左脚を喪った
  整った肌の少女が
  ふらふら回っているような



  君は
  か細い針金を
  丁寧に折り曲げて
  全身の骨と取りかえた

 ....
魔法は科学になった
リアリティは横たわり
キノコ雲を見上げていた
父は母にすがり
ボクは身体を脱いで窓から顔を出した
水平線がまっすぐに伸びている
ウェア・イズ・ラブ?
ほしかった弟 ....
  月が
  奏で、
  室外機が歌う



  実直な夜
  君が
  眠りにつく頃には



  風が
  そっと
  欄干を滑り落ちて
  夢の水へ沈む
 ....
飲みこんだ真珠や
赤いブレスレッド
すべてを撫でる風は吹く
温度を忘れても
冬をほどけば
空に明日が生まれる
夜を閉じて
支度をしよう
窓の外から歌が聴こえる
見て、朝が来る
ヤスデさん 溺死まぬがれ僕の家 来たはいいけど踏殺されて
ヤスデさん 優しい人に会えたなら もっと長生きできただろうに
ヤスデさん 広い世界の片隅で 僕に会ったが運の尽き哉
歌誌よみて見れば向こうの妻しんぶんの束をめくりておりぬ

図書館の向こうの青き林にも何かゆめ見るきょうのわれらよ

妻の死を悔やむ歌からよみとれるそのひとと夫人の関係など

愛の詩集を手に ....
トラック/ブルーハーブ「未来は俺らの手の中」




柔らかくて湿り気のある赤ん坊の肌状の空間が薄いグレー。
空の成分について考える。

感覚と距離を体に叩き込む。
意味とかなんて全 ....
仕事先でなにかの
自己啓発系セミナーをうけろといわれて
そういうのはもうさんざん勉強しましたからと断ると
これはほかの物と違って無料だし
うちの店に足りない物だとオーナーがいって
 ....
ちょうどよいのが
ティファニーの偽物だった
だから彼女は
それを大切に身に着けていた

彼女は泣かない
代わりにティファニーの偽物が
泣いてくれるから
だから彼女は泣いたことがない
 ....
  五月、
  鞄のなかで
  ぼくは死んでいた
  たくさんの緑に包まれ
  豊かに死んでいた
  柔らかな乳房の
  香りだけ憶えていた
  影と
  影とが出会い、
  つめたい脚を絡ませる



  太陽は
  西に佇み
  濁ったガソリンが
  そっと背中を流れてゆく
シガーロス3曲目

東京中の
男子が全員
「おれのスカイツリーはすごいぜえ」
とかいって
自分のすきな女子のなまえを
叫んでる

その
瞬間に
女子たちはみんな
「東京スカイツ ....
市民プールに雪が降る
ハムを食べ過ぎたと言って
嘔吐しているうちに
友達の一人は
立派な大人になった
紙のような声で鳴く鳥が
夜明けのある方へと飛ぶ
その頃になると
すべては塩辛く ....
はるなさんのおすすめリスト(1987)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
石の夜- 草野春心自由詩712-8-2
金星- ゆうと短歌212-7-30
円をかく- 殿上 童自由詩39*12-7-30
アスピリン・ソング- 由比良 ...自由詩7*12-7-29
生温い女- 草野春心自由詩812-7-25
都会図鑑4- たもつ自由詩712-7-25
それは、たぶん- 阿ト理恵自由詩8*12-7-24
さみだれ- さひ自由詩412-7-23
都会図鑑2- たもつ自由詩412-7-23
酷薄- 和田カマ ...自由詩1*12-7-23
樹々へのコラージュ- 草野春心自由詩512-7-21
七月の家- 生田 稔自由詩512-7-20
エンデウミオン- 6自由詩412-7-20
驚き- プテラノ ...自由詩112-7-19
とげの音- カマキリ自由詩612-7-19
ヌミノース- 和田カマ ...自由詩4*12-7-19
回転- 草野春心自由詩3*12-7-17
シャドウ・ワルツ- 草野春心自由詩5*12-7-16
WWW- 自由詩712-7-15
欄干- 草野春心自由詩712-7-12
ミュージック- 自由詩512-7-12
ヤスデさん- 只野亜峰短歌312-7-12
図書館- 生田 稔短歌512-7-9
ポイントいりません(絶望していろバーカ)- モリマサ ...自由詩712-7-9
ポイントいりません(わんちゃんが生前最後の方で結構読んでくれ ...- モリマサ ...散文(批評 ...3+12-7-8
その日を眠るために- もっぷ自由詩1012-7-6
乳房- 草野春心自由詩8*12-7-5
ガソリン- 草野春心自由詩6*12-7-5
ポイントいりません(スカイツリー)- モリマサ ...自由詩1+12-7-5
夜明け- たもつ自由詩412-6-30

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67