口遊むGet Wild蝉とる子 ぶつかってぶつかって流れている
浜辺で拾った
恥ずかしい過去でぼくはできている
不意に手を出して
重たい出来事にカウンターをあてる
かくかくと足を揺らし
きれいなものを瓶につめる
あとに ....
カラスが鳴いている

豆腐屋の笛の音がする

昭和16年の町の光が射している


悲しみはいつも異国に満ちている

清々しいぐらいあたりまえに朝が

地球が暴力的なまでに回ってい ....
黒い、毛の長いねこを飼っていた

みんなもらわれて
のこった一匹は
白くないしオスじゃなかったけど

玄関に出てきて見上げた
ママに「飼おうよ」って言った

味付け海苔がだいすきで
 ....
夏の髪は濡れている


わたしの髪が揺れている
遠浅の海はそのなかで年老いていく
形態が機能に従い
それぞれの行為が所定の位置に置かれていく


気晴らしのような裁断の美しさ ....
よく晴れた人ごみの空の下で
不確かだった 繁華街の中で
震えていた 対人恐怖症のような思いで いつも
人の視線の中を私は歩いていた


昔から いつも 出歩くのは不安だった
微笑みが 本 ....
「眠り猫」

眠りたかった
眠り猫のようにまるくなって
幸せな眠りの世界に入りたかった

好きだった
すべてを合わせても足りないぐらい
そのぶん言葉にできなかった


「猫の眼」 ....
  午後の壁で
  冷たい粉を拭う
  わたしではなく、
  あなただけが白い
  子供になっていく海
  無色透明な硬いさそりのようだ
  一回きりの
  嚏
  桜上水。
  蝦蟇口のなかの、みずいろにこわれていく
  春、わたしたちの優しさを{ルビ回顧=おも}いだす。
  発泡酒をのみながら一銭にもならない話をしたこと、
  夜の昏さに身 ....
君のそろえた手のひらのくぼみに湖が
あるなら
ちょうど夜が明けて霧も晴れてきて
青い山々がすっかり見えるだろう

僕は湖畔に寝そべって
君に捧げる歌を作る
君がふっと息を吹きかけるだけで ....
肉を商(あきな)って居た
チーフと言う剥き出しの足
貰い忘れの給料をとりに行き
なぜ剥き出しの足が
晩秋の夕暮れに
トイレにまで
社会保険労務士の試験の後までも
追いかけられるのか
不 ....
  右腕や左腕やどちらでもない腕などがそこに浮かび、
  かえってきたのか向かっていくのか全然わからないが
  アルミ製のサッシ越しに月面の色でくりかえされている
  気は確かだ気は確か ....
  かたむいた胸を
  祭太鼓が踏みかためていく
  永遠へ向うあなたの黒髪の隙、
  円形・方形の一群は街を滑落し
  ひかりとかげを揺れ模糊となっていく
  わたしのさびしさの刹 ....
  サルビアの陽射しへ
  うつむいた頸がいろどる
  あなたが放つすみれ柄の微熱
  この愛しさと出会うために
  幾度自らを{ルビ擲=なげう}ってもいい
  振りむいた睫毛に弾む ....
街路樹の若葉のかげに見えている赤風船は僕のかなしさ 猫のうたをたくさん描いた日日
束の間のしあわせと平和をしる
それをしるすよろこびが 実は
のちに癒せない痛みとなっても

そのことである
そのことである
そのことである
猫はもういない ....
猫の死を看取って
父の死を看取らなかった
看取れなかった
間に合わなかった
タクシーがいけない
わけじゃないたまたま
道路が

父さんの死は私の最初の死、で
その後に仰天の連続たとえ ....
白い指が止まり木になって
季節の変わり目を溶かしていく
鳥も空気も光も水も
四角いゼリーの中で蛹になる

いつか君の口が閉じたら
ありったけの体温を渡そう
僕の眼はガラス球みたいにピカピ ....
そのうちに僕を欲しがる人たちも星に変わるしすぐゴミになる 生まれた町が
少しずつ変わってゆく

取り壊される古い団地

あの棟には昔
友達が住んでた

ガチャで出したおもちゃの指輪を
いつか私にくれたね

名前も思い出せない

忍者 ....
  朝の肌にはずむ、
  夕暮のような愛 水いろにゆがんだ
  その痕 わたしたちの歌は 数えきれない
  むなしい花びらで埋れた これ以上、
  あなたにはなにも云わない
  ぬるい肩ら、
  いまは{ルビ抱=いだ}きあう
  あたたかな那由多に


  {ルビ細雪=ささめゆき}、
  うす燈り
  耳のなかの馬にのり
  ぬるい肩、はなれていく ....
よわすぎて愛でしかない 雨の日にきみが育てた青いポケモン


この世界の終電を乗りついでくようなどこか甘えた気持ち なんだか


ミニチュアの切り株をネコに盗まれて貝柱に座ったシルバニア
 ....
日当たりの悪いベランダで
洗濯物が乾いていく
気まぐれで買った麦チョコが
戸棚の奥で湿気っていく

あんなに好きだと思っていたのに
あんまり顔も思い出せない
あんなに好きだと思ってい ....
  {ルビ破瓜=はか}(は)
  蒼い、瓦礫のような
  いわし雲の瞳の(おんな、)渇きはてた
  袋へと詰めた街は、桃の味がするのだろうか?
満ちたものの
嘘は知らない
ことにするよ

私の奥の奥の
空間は私の空
であって私の
大地なんかで
はないからね
  花弁 さるすべりの
  あおい昏さにあかるみ、
  わたしたちは愛した 確かに
  弱さのかげにしおれた また一つの
  どうしようもない弱さ・ひとらしさを
  愛した 確かに  ....
  戯れに
  たまを投げ
  くれないの崖
  に、蜥蜴たちが{ルビ円=まる}
  い、女らから、嵩張る
  ち、をさそわれ、しらないまちの
  下水管にしたたっている師走の月の ....
ひかりがすこしこだましている。どこかとおくへいきたいとおもう。気ままでぜんぜんいいんだけど、おいしいおもいもしてみたい。ひとりでしおひがりとかしたい。ただとおくへといきたかった。いっそねてしまえばいい .... 失った左目で見る猫の恋
はるなさんのおすすめリスト(1989)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
口遊むGet_Wild蝉とる子- 北大路京 ...俳句316-8-27
OMOIDE_STREAMING- カマキリ自由詩216-8-23
1941- 吉岡ペペ ...自由詩316-8-13
友だちのねこはどこ?- ともちゃ ...自由詩716-8-11
切って縫う- DFW 自由詩4*16-7-27
池袋の中の喧騒- 番田 自由詩116-7-25
猫だった頃- 梅昆布茶自由詩816-7-18
- 草野春心自由詩3*16-7-16
桜上水- 草野春心自由詩216-7-11
くぼみ- ふるる自由詩18*16-7-1
- 間村長自由詩116-7-1
多い腕- 草野春心自由詩3*16-6-9
かたむいた胸- 草野春心自由詩316-6-9
放熱- 草野春心自由詩4*16-6-5
街路樹の若葉のかげに見えている赤風船は僕のかなしさ- フユナ短歌116-5-31
- もっぷ自由詩516-5-23
- もっぷ自由詩416-5-22
鋼鉄と透明な羊- カマキリ自由詩316-5-20
そのうちに僕を欲しがる人たちも星に変わるしすぐゴミになる- 北大路京 ...短歌116-5-19
団地- ガト自由詩9*16-5-4
恋のかなしみ- 草野春心自由詩316-4-23
nayuta- 草野春心自由詩316-4-10
ゆとりスペクタクル- さわ田マ ...短歌716-3-19
麦チョコ- 青井自由詩316-3-16
momo- 草野春心自由詩116-3-14
- 佐藤伊織自由詩316-2-27
sarusuberi- 草野春心自由詩216-2-26
tama- 草野春心自由詩216-2-26
ひだまりだまりねこねころがり- さわ田マ ...自由詩6*16-2-25
失った左目で見る猫の恋- 北大路京 ...俳句516-2-19

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