窓を開け放つと風が発泡する
それも少し前の記憶
目が覚めている領域に
睡魔は
棲みつく
眠ればこっちのものだ
ヒトの器を残して
記憶は更新され
忘れがたきモノ
は
核廃 ....
それでもかまわない
わたしはここまで
いきてきたよ
きみがみている景色
冷たい潮風
ふたりであるいた
春は遠く、しずか
だれもしらない
それでもかまわない
きみがねむる場所
....
くちびるがむらさきでかわいい
ねむそうだし
あくらつなところも
よくかんがえると
かわいい
ちゅうとはんぱにちてきで
たいしたどっかいりょくがないところも
かわいい
九月の市民球場を
木枯らしがさらってゆく
土埃を巻き込んで
ピッチャーのいないマウンドと
帰る者のないホームベース
永遠のような
0対0
僕は欠け ....
悪人だけど
よくかんがえると
くちびるのいろが
むらさきだったり
するし
かわいい
めが
ほそかったり
マスクを
つけていたり
ハンバーガーを
男と食べていたりするし
みつまたをかけていたりするけど
ごはんをたべるときは
がっしょうするから
いいこだし
きよらか
てんし
散らかった川を横目に
私は今日も生きています。
ビニールやタイヤの花が咲き
ゴミにまみれたおっきな川を
眺めるじじぃの顔が淋しかった。
少しだけ父 ....
Lay Down Sallyがかかる
ハッとする
(゜ロ゜)
仕事の合間
有線の歌
....
フレデリック・ゾマーの
あまり質のよくないコピーと
「時計仕掛けのオレンジ」の
アレックスのニタリ笑い
きみの部屋に語るものがあるとすれば
きっとそれぐらいなものだ ....
怖い夢から目を覚まして
私たちは古い座敷に
手紙を持ち寄っていった
食事の支度をしたり
庭の草むしりをしたり
そうやって日々を過ごすことが
供養になればいいと
言葉少なに話した
遠くで ....
生き物が一匹
息をしている
印刷物の新しい匂いは
いつまでも消えない
一昨日、いとこから
椅子に座っている、と
糸電話で連絡があった
いま僕は
色と形を見ている
....
女よ
ぼくが眼をとじると
きみは枯れた稲妻のようだ
だが
手をふれるとそれが
一匹の大きな白蛇だとわかる
女よ
きみを
冬に横たえる
....
水に映る 白いまだら
狼の家族を 追い立てる光
撒かれる水鳥の骨より白く
昼の月に背を向ける
昼の月に 背を向ける
脊髄に刺し染みるような
氷雨の降る土曜日
灰色のレインコートを着た老婆が
僕の口に腕を突っ込み
ずるずるずるずると
一頭の小熊を引き摺り出した
....
とどくきみ電話の声にねころんで
正しく蒔いたわたしの母音
はじまりの予感にまみれ匂い立つ
いとおしい小さな過ちよ
今日もやっぱり晴れたよねわたしたち
多摩一番の ....
六月
君は椅子に掛けて
ジグソーパズルをやっていた
薬缶が沸くのを待ちながら
壁にもたれて
僕がそれを見ていた
六月
外は雨で
夕方の部屋に ....
あったかいコーヒーが飲みたい。
あたたかいコーヒーは偉大なのです。ほかほかでいい匂いがして、マグカップをもっているだけでふにゃあとなってしまいます。
飲んだらほうっと言葉にならないためいきがでて、 ....
傷つけて
踏んで組み伏せ
物にしろ
逆もオーライ
....
あんまりかわいくないところがすきと
いったら
おこった
あさのたいように
あかく
よみとかれる
せんせいのかみは
はちうえにかくれても
はげしくもえて
とどこおるものがない
きょうしつは
かすんでいる
けむりにつつまれて
ここにいるもの ....
別の女の
別の乳房を吸う
長い街道を歩いてくる
晴れた日の草原のような
パッヘルベルのカノン
男は捻じ曲がった枝
女は雀蜂の巣
青空の ....
爪は残る
ひとはいない
しめった沈黙をやぶるとき
いつも声が漏れている
いつも雨が降っている
河になる 河になるA
(ひとのこえきこゆれど)
(さむざ ....
なかやまどうをはしれば
とりいをくぐって
あやしいみずうみにたどりつく
集団がよりついてきて
その数をふやそうとすると
どうしても対立がおきてしまい
ばあちゃんがうるさいほど
おなじ話を ....
牛が部屋にいる
一頭と一人とで
ずっと見詰め合ってる
やがて夕暮れ
嘘によく似た沈黙の中
牛の眉間に
世界は収束していく
私自身の
昆布〆を食べる
という日常
の先にある血のついた手
交尾の記憶も生しいままに
後悔をしながら
新茶の香りを楽しむとき
にわかに起こる
彼方のなだれ
氷山の崩壊と
吹雪の中 ....
毎朝着替えるような
軽薄さで
はねひらく
ほつれたワイシャツのボタンは
いつでも
世界に勝敗する覚悟
今日も何度
心から笑ってみせる
{引用= 「歯」
数匹の
蟻とともに
おまえの白い歯が
焼かれている
雨は
降らず
風だけが、その
匿名の乾きを
旗印のようにたなびか ....
曇っているのだけれど
海のむこうまで見えた
青っぽい灰色
輪郭は鮮やか
きょうは風が強そうだ
つめたい風が強そうだ
何処かでブランコが揺れる音
軋むリズムに心臓を預け
此処に在らずな僕らは きっと
誰かに拾われたいのさ ずっと
目の前に居るのに
思考は遠く向こうを目指して
飛んでる鈍痛
....
とけてまっすぐチョコレート
重力まんまのチョコレート
匂いもひかりのことなんです
地球のうらがわ往復します
とけてせつないチョコレート
口をよごしてみたけれど
....
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