熱を舐める
終電すぎ 汗のすべりが
愛の五月蝿さをおしえてくれる
置いていった本のように心が
かなしくひかる
こんなにも
あなたの
辞書に雨が降り
やがて水溜りができた
海と間違えて
文字たちは泳いで行ってしまう
僕は代わりに
いつか拾った流れ星を挟んでおいた
柔らかいものはみな
今日は朝から倒れている
....
煩い町に
ふれて
僕は 意味のまえにいた
夕がた
本をよんで
考えることを考えて
きみの眼を 思う
押しつぶした 光が
なんどもまる ....
躰のほとんどを
ねじれた袋におさめて
わたしたちは泣いていたね
はんぶん透けて
はんぶん凝ったような
美しさ 見えかけの 東京の月
東に東に行ってそれで見えるようになった建物が
大きいほど小さくなれる気がした
本当は寒いところならどこでもよかった
この季節に
身を預けたままぼんやり生きたい
ままならない生活、体、触れられ ....
鹿
という字に
お湯をかけるとあらわれる鹿に
みつめられながらカップヌードルをすすっている
いつまでこうしていられるだろう
これからの時代は
もっとたくさん間違ってしまうことも
ある ....
僕はここに生きている。全てが可能になる領域。
とても長い時間をかけて鬱が良くなったり悪くなったりした。五ヶ月前に何か変わった。ピストルにセーフティがかかるみたいに。二ヶ月前にも何か変わった。その ....
玄関の前で斜めになってカメムシが死んでる
斜めになって題名を叫んでいる
詩は叫ぶものとは
言いたかぁないが
耳に突き刺さる
詩は突き刺さるものとは
言いたかぁないか
聞こえるものは
し ....
道に座って詩を売りながら、飛行機に近づくチャンスを待ってる。
宮下公園の木には下着やストッキングが引っかかっていた、お祭りのかざりみたいに。大統領専用機が離陸すると、路上生活者やカラスがジェ ....
人の息と
息の間で
僕は
息をした
僕の息と
人の息の間で
君は息をした
僕の息と
君の息の間に
朝はあった
毎朝
朝があった
生きていれば良いこともあるさ ....
夏、おめでとう
快感のために全てを捨てられる?
煙草の煙の行方を追うように、
夕食後私は死出の旅に出る。
言葉が融けていく領域、
全ては無い方がいいのです、
全ては、最初から無いのだか ....
ベッドの柱に小指をぶつけた!さぁ何事もなく椅子に座って読書でもする?…そんなとんでもない!スマホを落としてしまって(ヤバッ)その落下(間に合え!)を追って手の小指をぶつけたわけじゃない。いつも隅っこに ....
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
少女の頭の中に象が住んでいる。作文をしている時、句読点をどこに打ったらいいか、背後からそっと教えてくれる白い象だった。ある日、少女は工作の授業で作った押し花を、象にプレゼントすることにした。少女の差し ....
てんじょうから染め物を垂らし ろうそくと鏡が揺れる小屋の もうとっくに知っている怪談に 肩をよせて聞き入った作法が
いとおしい
夜店のカラーひよこに触れた鮮やかな記憶 金魚を入れた袋の向こ ....
6p
あなたは頭にてをあてて、「願いましょう、ほしがりましょう」といいます。
それを聞きましたら、「わかりました」というのです。
21p
怪我をしたら、その血がぢめんに落ちる前にするこ ....
あれがああだとしても風車はああだ
ああしているあれ。
あんなあれはああしだす。
そうか…
私は風車にはああしない。
『香水』『涙』『休み』『美』『ドア』
『ひどく』『誓 ....
朝のような
首すじだから
遠くから見つめている
階段をのぼっているだけなのに
人生だ なんて言っていいのか
自由と自由の間に
履物をそろえる
わたしを取り去った世界とは
ど ....
今日のお昼何食べる?
星!霞!猫!小判!
マリーゴールド!
あの時のきみがずっと
ぼくの傍でねむっている
少しだけ、雨の匂いをさせて
笑いながら喋りつづけた
言葉はむなしい闇にのまれた
若く優しいだけでいられた
....
あなたはこう呟く
「私は詩を書いてはいけないのかもしれない。
だって私は詩の試験を受けたことがないから…」
あなたはいつからか詩人に憧れた
「すごいですね!詩検定一級を持ってるんですか ....
煙がすべて空に消えたら
ぼくの骨を拾いに来てくれ
肉はすべて
烏どもにくれてやった
ぼろぼろの骨のなかから
丈夫なものをひとつだけ拾ってくれ
それからそれを
あの女の部屋に投 ....
セックスを
やってる時は
あってるか
いつも不安で
....
あなたのカロリーはセクシー あなたを摂取するカロリーはセクシー あなたが残すカロリーはセクシー あなたを捨てるカロリーはセクシー
あなたの顔をつたう哀しみはヘルシー
からだを逃げ惑うカ ....
どこまで漕いで行こうか
こんなにも暗い夜だ
幽かに揺れている水平を
描いているのはいつの波紋か
この舵だけが覚えていることだ
銀の月が爛々と眩い
溶けているのだな、おまえ
うつくしく ....
カレンダーを
これから旅立つ友だちにもらって
廊下にかけた
それは
ラウンジの一人がけのソファに座ると
真正面にあって
ふとスマホから目を離したりすると
かつては真っ白な壁だったところに ....
祭りかと思ったら血祭りだった 町境に夜をおしのけてくる扉につまずいてはじめて足が生える
君の影は鉛筆だった
色はコバルトだった
窓ギリギリのところで
キリギリスみたいに
君の長い足を見ていた
教室の外
足音が聞こえるたびに
叱られた子供になって
君が振り返るたびに ....
「すみません、これは、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、ですか?」
「はい、これは、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、です」
「あり ....
滔の海を見ました。かれのたましいはそこに転がっているように思えたコンクリートの路地裏があったのだけど、そうじゃなくて、本当は海みたいに手でかたちづくれないものの合間に挟まっているんだと思えました。残さ ....
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