フェットチーネがおいしいのは誰のせいなのか

という設問に対してウィットに富んだ
受け答えをしないと
面接試験で落とされることがわかったので
ひと晩対策を考え
当日

豚野郎のせい
 ....
ぼくらは両の手足と口で其々の聖書と夜を持つ
自愛の絹の帯で隔てられた小宇宙のなか
滑らかなつめたさにあやされて歌い
明日を諦める
朝を祈りながら憎み二度と望まないと誓う
私がまだモクセイ科モクセイ属の常緑小高木だった頃
女は窓に立つ鳥でした
私がまだ荊のような神聖さを保っていた頃
女は鳥をやめ風景になりました
そんな女が周期的な区分でグラデーションを繰り返す間 ....
五月の橋の上で
生まれ変わったら
何になりたいと聞かれた

ねことか
とりとか

雨の日の林の中の
きのこ
なんてどうかなあ
ぷつぷつとうたうたう
春の腐植の土たち
立ち上がろ ....
  きみの部屋は
  病室のような匂いがした
  八月も十二月も
  おなじような匂いがした
  気の遠くなるほどたくさんの
  交わりの匂いがした
  病室の匂いがした
  だ ....
スロープが設置され
単離された感情が乗って行くスロープ
サングラスが監視する目を伏せ
切り刻む風景を随時放り込む

横縞の観覧車が上下に回転する
警笛がしずかに
きわめて静かに鳴っていく ....
父は木製
母は金属製
そんなわたしの骨は木製
そしてどこか金属製

寄り添う啄木鳥
蝕む啄木鳥
偶然かわいい一羽くらい
薄い音を鳴らすときどき

黙る木製
黙る金属製
そんなわ ....
 ああ僕はよしと言われた犬みたいぺろぺろぺろんぺろぺろぺろん

 ああ僕はよしと言われた犬みたいこっちもぺろんこっちもぺろん

 ああ僕にあのぱたぱたはないからねジャージのズボン脱がずにおこう ....
穿っても

穿っても尚

届かずに

ノミの切っ先

だけを見ている
ベースギターの練習をしている最中に鬼が来て
私を殺そうと金棒を振りおろした瞬間に手を滑らせた
私は即座に金棒を確保し鬼を制圧しようと試みたが
あろうことか鬼は私のベースギターを手に取っている
 ....
さよならと つぶやく君の 背中だけ 目で追い掛ける 春の夕暮れ

先生の 正しい言葉 毒づいて 今日は悪魔に 心売りに行く

放課後の 君の耳を 塞いだら 愛してるって 言える気がする

 ....
僕の飼育権を勝ち取ったのは名実ともに日本一の動物園、上野動物園だった。
僕はすぐさま薄暗いトラックの中に入れられ、東京へと運搬された。
園内に着くと早速、僕は檻の中へ放り込まれた。
新しく造られ ....
い きながら えて
いきながらえ る

いき ながらえ て
いきながらえ る

いきな がら えて
いきながらえ る

いきながら えて
いきながらえ る
 
 
卵に言葉を教えた
教えた言葉を
卵はすべて覚えたけれど
口がなかったので
話をすることはなかった
雲が形を変えながら
夏の空に消えていく
わたしが生まれてから
何度も見たそ ....
わたしのむねのおくをのぞいて
ひとよりすぐれているといふ
じぶんをみつけてぞっとした

つくえのひきだしがちゃがちゃで
だいじなノオトがみつからない
いいこといっぱいかいてたの
それはひ ....
星空をみてた

指で細い線を描いた



流れ星をみた



折れた花の茎のように


頭を垂れた




空が白む頃

帰りそびれた月が

少しだけ

 ....
あらゆる情念は鳥のように去りゆき、今やもう海の彼方
きみの温めた卵はもう何処にも見当たらない
いづれ粉砕されるのを知りながら体温を分かち
最後まで希望と名付けることはなかった
そんなきみの熱情 ....
『心を打たれろ』

そう書かれた紙を僕に見せて

君はこう言った

『詩を書いてみたんだ』

僕は成程本当の詩とはこういうものだったのだなと

妙に納得して ....
紙切れを全部
宝石にかえてしまって
世界から落とすと

もうひとつの世界では
踊るヒトデが
それを重しに
深海に沈んでいく
雨が強くなり
森が海に呑まれる
木々の繊維が悲鳴をあげ
窓枠がかすかに共振する

死に向かう命の塊を
やはらかに包んで緑は
夜闇の中で黒と見分けがつかぬ
音がなくなれば沈黙は意味を失く ....
 
 
先生はもう液状になって
黒板の海を
白墨で汚している

本当は海の生き物たちが
みんな住んでいたはずなのに
僕の皮膚には朝から
いろいろなものが刺さって
痛くはないけど
 ....
嫁が欲しいが良縁がないので
この際もう人でなくても良いと思い
皮付さきいかを嫁として迎え入れたが
晩酌のつまみをうっかり切らした際
ほんの出来心で嫁を食ってしまった
以来わたしは嫁殺しの罪を ....
かび臭い二月に始まる
情けない恋のうたをサチコに

ぼくはある日
茶色い少女に恋をする 髪も制服も靴下も
少女は教室で教科書をカバンに詰め
僕は黒板のようにそれを見ていた

せっかくの ....
我が子とまではいかないが

年の功での助言にて

ぼろ屋の手入れをし始める

憧れの農業よりも楽な筈

草刈り、刈り、刈り、

思い出す

父が庭木の手入れして

母にまだ ....
 
 
わたしの妻になるひとは
どこにいるのだろう
漠然と考えていた
頃があった

もしわたしがこの街に
来なかったなら

あなたはもっと
幸せな人生を
歩んでいたことでしょう ....
思い出の
ダイアモンドは
あなたです
忘れるために
わざとなくした
金属を叩く音が
全部で三つ

離れすぎず
また、求めすぎない間
充分で理想的な関係

重要なのは音色
振動する空気も
重すぎないのがいい

単純な規則性と
各々は直に影響し合う ....
私かて10年前の文章を発表したくなる気分のときはある。そして実際にお蔵から引っ張り出してきたこともある。しかしいまそんなことやろうとは思わない。そんなまどろっこしいことやってられっか。世の中はすでに変 .... お望みとあれば
私の鏡を
君にあげよう
ただしお忘れなく
君が手にした時から
それはもう
共有はできない
君のものなのだから
何故なら
映るものが
同じだとは
限らないのだよ
 ....
そして、最初のはなしをしよう、
どうして始めたのか、どうやって始まったのか、
それがわからないから、お父さんと、
お母さんの、名前をじゅんぐりにつぶやいて、
そのなかにはまったくぼくがいなくて ....
はるなさんのおすすめリスト(1906)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
フェットチーネがおいしいのは誰のせいなのか- a自由詩210-5-30
2010/5/30- 鎖骨自由詩710-5-30
柊と鳥- 瑠王自由詩5*10-5-28
五月の流れる水の上で- オイタル自由詩9*10-5-27
分娩室- 草野春心自由詩210-5-26
半袖のかいだんです- KETIPA自由詩310-5-26
カストール- 瑠王自由詩8*10-5-25
犬の歌- 藪木二郎短歌310-5-24
僕の趣味は彫刻なもんで- TAT短歌3*10-5-23
ナンシー- セガール ...自由詩410-5-20
今日はふとんに巻かれよう- 桐谷隼斗短歌310-5-18
青木龍一郎が動物園にやってきた- 青木龍一 ...散文(批評 ...310-5-16
いきながらえて- 紀ノ川つ ...自由詩1*10-5-13
夏の雲- たもつ自由詩22+*10-5-12
欠落- 朧月自由詩210-5-12
おなか異体- 自由詩13*10-5-11
ほとり- 瑠王自由詩8*10-5-10
- TAT自由詩3*10-5-8
fade_away- mizunomadoka自由詩310-5-7
- 瀬崎 虎 ...自由詩410-5-6
水を買う- たもつ自由詩1210-5-6
嫁殺し- セガール ...自由詩410-5-4
恋のうた(サチコに)- オイタル自由詩4*10-5-3
赤い斑文- yoyo自由詩310-5-1
- 小川 葉自由詩610-4-29
synthetic- mizunomadoka短歌210-4-27
三つの音- 瑠王自由詩10*10-4-23
機は熟している、はずなんだけど。- 佐々宝砂散文(批評 ...5*10-4-21
価値- 瑠王自由詩4*10-4-21
そして、最初のはなし- れつら自由詩510-4-21

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64