生臭い夜に
  九本の足が生えている



  洗いたてのシーツに置かれた
  ただひとつの丸い石
  きみの汗がそのうえを伝い
  鼠がねぐらに帰るように
  闇の奥へ ....
  肌のきらめきだけで
  月が出ているとわかる夜
  きみの胎が優しく
  蒼い氷をはらんでふくらむ



  白いシーツのうえで
  ふたつの影がみっつになり



 ....
このせかいをみつめて
だまって泣いている

それだけが
神さまのできること

このせかいをつくった
小さな神さまの
炒飯がびちゃびちゃだった叫びたい 憑依中(男の子ってきもちいね) セックスのあとで
めずらしく君が眠っている
男は眠るものだろうか
君は起きていることが多いようにおもう
日常には官能がおちている
おち窪んでいる
せいかいに近づくには
どこかまち ....
十一月のなかは
雪のよに降り積もる人だった
手を繋いで、繋いで、
それでもさしだした
朝や、夜を
ずっと奥へ
奥へとならべていく
ちぎれはじめた日陰を
乾いた猫のにおいと  ....
なぜ君の 泣きそうな顔 が好きかな  冷めたコーヒーは苦い水であるからして不味いのは当たり前のことである。かといって大雨で増水したドブ川の匂いがするとなったら話は別だ。好奇心から、私は中に人差し指を沈めてぐるりとかき混ぜてみた。すると ....   金色の水がつたうと
  かたく四角いその壁は
  栗鼠のようにまるくなる
  ひとびとの話す声が
  物陰にひしと隠れる秋  
  きみの舌は木枯らしをつかみ
  それからねむ ....
つらい暗い夕暮れ
ひとりを噛みしめる時間
あとにしたカフェで飲んだ
クランベリーソーダを思い返している

霧雨のなか
あえてテラス席で
はじめたばかりのタバコ
慣れない手つきをごまかし ....
返信! しづらい!
お前からのメールの前で俺は立ち往生する
返信! しなきゃいけないのに
返信! してお前を助けなきゃいけないのに
俺はメールが打てない お前を助ける有効な対策が打てない
お ....
  バスタブに水を張って
  女の手のひらを投げこむ
  まだ、
  切り落とされたばかりの



  まるい骨ののぞく
  その切りくちにも似た
  鮮やかな真夜中
   ....
すばらしい
愛を見つけた
このため僕は
幸福だ

春も来た
桜の季節
このため僕は
幸福だ

愛のこと
を歌っている
このため僕は
幸福だ

夢のよう
に感じている
 ....
  幼い男児が
  朝、
  一匹の蜥蜴を手に捕らえる
  厚い辞書に差し込んだ
  すみれ色の栞のような朝
モナリザの骨の髄かな添水鳴る  キヨの彼女は料理が大好き。料理の隠し味は大きな愛よ、なんて言っちゃうもんだからキ
ヨはいっつもヤキモチ妬いちゃう。だからキヨは「そんなに料理のことが好きなんだったら
その刃こぼれした包丁に訊いて ....
ぼくがいなくなれば

あなたは四人になれるという

でもそれじゃあ

淋しくてやりきれないから


ぼくを過ぎたら

あなたは四人になれると

そう言ってはくれないか

 ....
 ある時、しくみちゃんのセーラー服のリボンがなくなった。赤くて、カワイイ、テラテラのリボン。しくみちゃんは目を丸くして、「わたしのリボンがありません」と学校中をぐるぐるしはじめた。あんまりしくみちゃん .... サンデーバザールのあと
あらしが何度か通りすぎ
片腕の乞食が食いっぱぐれ
捨て猫みたいに骨と皮だけになって


水気で頬をいっぱいに膨らませた雲は
策略的なハンターの目つ ....
人は、一生の内に、何度謝るのだろう。
謝罪と、謝礼、どちらの言葉を多く発するのだろう。

皮膚が盛り上がったまま元に戻らない左手首の傷跡を指して
主人が言った。
「君は確かに被害者だ ....
おもしろいひとですね
という
もんごんを
どう
かいしゃくしても
つきあってください

いう
いみに
ならないので
メールは返信しない
いらつくから

もっとしたてに
で ....
あなたの命をください



終電間際のホームに
滑り込む光の溢れる
車内から

私たちは聞こえる事も
ない声を聞いた



わたしたちの命は
こうして
汚泥のよう ....
「趣味は何ですか?」と訊かれて、「詩を書くこと」と答えるのは難しい。なんだかものすごく恥ずかしいし、そもそもたぶん、詩を書くことは趣味なんかじゃないと思っているからだと思う、心のどこかで。

  ....
望遠鏡を覗いたら小さなレンズの町を見つけた
わざとらしく咳き込んでみる
もしかしたら誰か見ているかもしれなかったし

星と僕の距離にもいくつかの歴史が並んでいて
無理やり重ね合わそうとしても ....
  膝を折って
  床の上に散らばった
  数枚の紙の、種類をかぞえていた



  たえがたい白さは
  閉じたドアを容易くすりぬけ
  光へと落ちぶれ
  痩せた手の甲に ....
  精一杯
  わらい疲れたあとはさ、
  窓際にいってごらん?



  夜を徹して
  つみあげられた花が
  ひとときに燃やされてゆくからさ
  空のはじっこに
   ....
あやういですか
あやういですな
どうやら夕陽が 見えていませんな
へそとひたいと てのひらに
目薬をさしては いかがですかな











 ....
  座るきみの膝に
  とうめいな猫がねころんでいて
  真っ赤なりんごを撫でている



  僕のじっぽんの指は
  オルガンの鍵盤に載せられ
  ゆるやかにだまりこむ
  ....
閉店までコンドーム売ってる棚の前でけわしい顔してるだけのバイト

謝るからリズムよくフィギュアの首を抜いたり挿したりするのやめてよ

第一回写メ撮られるまでカマキリの真似して街を練り歩くオフ
 ....
はるなさんのおすすめリスト(1987)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ねぐら- 草野春心自由詩612-11-10
蒼い氷- 草野春心自由詩512-11-4
もういちどこのせかい- 佐藤伊織自由詩412-11-3
無題- 小田桐ピ ...川柳112-11-2
憑依中- 小田桐ピ ...川柳112-11-1
スマートフォンの向こう側- かんな自由詩7*12-10-27
星を食べる- ズー自由詩3*12-10-25
泣きそうな顔- 舞蛍等俳句112-10-20
微睡みの後- 御飯でき ...散文(批評 ...2*12-10-18
秋の夢- 草野春心自由詩912-10-10
- もっぷ自由詩912-10-5
へんしんしづらい- 新守山ダ ...自由詩1312-10-2
バスタブ- 草野春心自由詩512-10-2
すばらしい- 舞蛍等自由詩9*12-10-1
- 草野春心自由詩7*12-9-29
モナリザの骨の髄かな添水鳴る- 北大路京 ...俳句412-9-27
愛しあう人たち- 御飯でき ...散文(批評 ...212-9-26
ぼくを過ぎたら- 吉岡ペペ ...自由詩312-9-26
しくみちゃん、リボンをさがす- 御飯でき ...散文(批評 ...3*12-9-26
街角で簡潔に詰め込んだ食事のあとで- ホロウ・ ...自由詩7*12-9-25
加害者と被害者- 桐ヶ谷忍散文(批評 ...412-9-24
フィールディング_トム_ジョーンズ- 6自由詩112-9-22
地下鉄- 佐藤伊織自由詩212-9-22
詩を書くということ- 三田九郎散文(批評 ...612-9-20
かたまりあっている- カマキリ自由詩612-9-17
紙の種類- 草野春心自由詩5*12-9-16
つみあげられた炎- 草野春心自由詩612-9-15
ノート(目医者)- 木立 悟自由詩312-9-15
とうめいな猫- 草野春心自由詩712-9-6
空飛ぶ紐パン- 魚屋スイ ...短歌3*12-9-4

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