なにかを
  つぐなうようにして
  秋が
  入って
  くる
  ピアノを弾いて
  いる
  君の指の
  一本だけが折れて
  しまって
  いた
  あの歌 ....
ふたまたかけると
だめになるという
ことをいわれたとして
それは
さいしゅうてきに
わかれてみえても
ひとつにごうりゅうするばあいは
いっせきにちょうだからと
いう
ふうにいえて
 ....
選ばれる そんな夢想にとり憑かれ
髪も梳かずに誰そ彼を行く
まず
スープを作る
トマトともやしと固いウインナーのスープ

鯵のフライを揚げなおし
カット野菜の上に乗せる

解凍したご飯の上に納豆をかける

テレビを見ながら食事を摂るのはやめた ....
サツマイモ工場で火災が起きて
町中が秋の香りに包まれた
一週間、焼き芋祭りが繰り広げられた工場前の大通りには
今も皮や食べ残しが転がっていて
野良猫がその取り分を巡って抗争を繰り広げた
僕は ....
つき立てたスプーンは
さながら銀嶺

氷寒は、あまい
あまくて
ぬくい


だれかの失くした王冠と
つとめてしずかな
舌鼓


ありふれた脱ぎ捨て方で
癒しのすべが
 ....
浄まってゆく

それに身を任せている

この十年となえていた名前が

さいきん出てこないんだ


きょうさ

なん時ごろ元気だったんだろう

だれとも喋らずに天井を見ているよ ....
梨の始末をどうしよう
この梨を線路に設置して
レールと車輪の間でひき潰すなど
してみたいが
どこか目立つところに
置き去りにしてやりたいが
梨がきゅうきゅう鳴くので
ずっと持っている
 ....
研究室に女が入ってきて
めがねをしていて
地図をスキャナに読み込ませて
香水のにおいをさせているから
はなしかけなかったら
でていったから
じぶんが
わるものとして
あつかわれて
い ....
世界がゼリーだ
わたしはゼリーじゃない
世界がゼリーだ

さんさんなな拍子のリズムで
みんなそうやって生きているなら
それはゼリーだ

帽子を被れ
わたしを視線からかくせ
見えない ....
  あなたを
  埋めてしまわなくては
  なりません、突然の雨に
  暴風に、雷に
  あなたが苛まれないために
  土深く埋めてしまわなくてはなりません
  スコップに土をすくい、 ....
君は浮上するために
身体に無数を纏ったんだ

離した右手は植物に委ねて
かきのきをみて
かきのきだとおもってる

ひとをみて
ひとだとおもってる

かきのきからみたら
ひとはひと

ひとからみたら
かきのきはかきのき

なまえもなく
 ....
渡辺満里奈だけが、
永遠だった夏が、
確かにあった

書泉ブックマートのB1Fで、
よいこの歌謡曲の
バックナンバーを買い求めていたころ

けっしてやってこなかった夏休みが
いま、た ....
  髪のみじかい{ルビ女=ひと}よ
  するどい傷のような
  月の居る夜に
  はじめての女よ
  きみが歌うのなら
  ぼくは歌わない
  使い終えたはずの
  あの夏の歌は ....
私が燃え尽きるとき
あなたが
見ていてくれるといい
生きてることなんか
忘れてしまうような
永遠をあげたい
私が焼き付いて
あなたが見ていて
それが願い
私の骨を抱いて
散々
泣 ....
彼女は残念な人
塩と砂糖を取り違えるとか
それならまだいいが
今日はイオと間違えた
イオとは木星の衛星であり
今この部屋を
星の軌道がゆくりなく通る
涙が邪魔だから
瞳はもう必要ない
見ることは諦めて
耳をすます
そんな日々が転がり始め
ホワイトシチューの中に溶けていく
しばらくこれだけを食べて過ごそう
鍋をぼんやりと見つめながらそう ....
おそくきて勇魚死ぬる浜寒し  
 
水槽をおよぐ絵本に
住宅街のパンフレット
駐輪場は閉鎖された
ネクタイがまぶしい
夏の最後の午後に

アスファルトは坂道になり
知らない街へと続く
土のことなら、昨日
す ....
  サイダー、
  君が
  つぶやいたらこぼれた
  向こうの街が
  透けてみえそうな
  蒼だ
  ここは
  いつまでも夏だ
  サイダー、
  河が
  うねりな ....
雲が ぶんぶん飛んで行く
クローゼットに投げる 枕みたいに

川が びゅんびゅん流れていて
魚たちは 光のようなスピードで 海に殺到する

せわしないな
かみさまが 居眠り運転をして
 ....
  集めるものは
  二つあればいいと思い
  待っていたのだが
  一つとしてこなかった



  神無月の午後
  去ってゆくものと
  去っていったものと
  去りつ ....
 
 
投げたボールの
破片が鈍く錆びて
木々の梢に優しい
アゲハ、あれは
産卵に来た
そしてもう
帰れないだろう
(だから誰かが鳥になる)
(そっと鳥になる)
タイヤの無いバス ....
いつも、いつも思いつくんだあの記憶
遠い日の夕べのかまど
煙の匂い
炎の色
ただの記憶じゃない
デラックスな
ゴージャスな
哀愁の
限り
通り一遍でない
複雑に絡み合った
例えば ....
  俎板に
  茄子があるのを
  きみはじっと見ている
  ぼくの
  右の掌のうえで



  きみの
  ながい髪が
  穏やかにきらめく
  素晴らしい午後

 ....
普通の女の子の日常を見て 熱いお茶を飲んだ 優しい気持ちになれる。 村に晩年は無かった。

母の喪服
「科学だ。」
「つまりは科学なんだよ。」
喪服は飛ばない。
飛行機はいない。
「プランク定数」
「量子力学?」
だから飛ばない、そういう科学だった、 ....
  ほんの少しよごされた
  ガラスでできたコップに
  最初の朝陽がまっすぐに注ぐのを
  僕はじっと見つめている
          
          
          ....
おさないひと
その頬に
くちびるで 触れたなら
きっと、たちまち酸化して
朽ちてしまう
あなた、おさなさゆえに
はるなさんのおすすめリスト(1987)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Fall_Song- 草野春心自由詩411-10-19
メスカリン犬うばたま2号- 6自由詩111-10-18
盆暗行脚- faik短歌1*11-10-18
朝食- まんぼう ...自由詩311-10-17
埋葬- haniwa自由詩511-10-16
モンブラン- 千波 一 ...自由詩7*11-10-16
こんなものを失った- 吉岡ペペ ...自由詩511-10-16
梨の始末- 春日線香自由詩311-10-16
ワトキンソン教授- 6自由詩411-10-15
ゼリーならなんだ- ブロッコ ...自由詩611-10-15
埋める- 草野春心自由詩9*11-10-15
_- nia自由詩111-10-15
柿の木- 小川 葉自由詩311-10-14
渡辺満里奈- はだいろ自由詩411-10-14
夏の歌- 草野春心自由詩311-10-14
陽炎- 自由詩111-10-14
残念な人- 春日線香自由詩411-10-13
ホワイト- 自由詩6*11-10-13
勇魚- 春日線香俳句111-10-11
独り言- たもつ自由詩611-10-10
サイダー- 草野春心自由詩7*11-10-9
雲がぶんぶん飛んで行く- さすらい ...自由詩7*11-10-7
冷蔵- 草野春心自由詩311-10-7
おうと- たもつ自由詩711-10-7
かまどの夕べ- 杉原詠二 ...自由詩2*11-10-6
茄子- 草野春心自由詩2*11-10-6
短歌- 山岸美香短歌211-10-6
指揮者がいない- 榊 慧自由詩211-10-6
ひかりのかげ- 草野春心自由詩4*11-10-5
おさないひと- つみき自由詩311-10-5

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67