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濡れる、まぶたにおいては
10年前のささやかな嘘だって
すこやかに息づいているのだ
腫れている、のどの奥のほうでは
君に贈りそこねてた嘘が
あばれて、あばれて、夜も眠れません
指輪 ....
それは
優しいあいさつだから
きっと、優しい手紙
まっしろな封筒には
ほんわりと香りのこして
優しい君からの言葉
ほかのどこでもない宛先
おげんきですか、
なんて素敵な手紙
....
すこしだけ
ひざを抱えさせて、という。
たぶん
うつむいた想いと
ゆっくりと進行するあきらめ、と
降りだす直前の雲のようなさみしさ
お気に入りだった音楽や
冷めたカフェオレ、二人乗り ....
羽音だと思ってたら
薄布のカーテンをふるわせて
飛びたいよう、と
窓が
泣いていた
わたしがあんまり
窓の目で
空を見るから
ガラスの表情は
いつのまにか、曇って
月の形に ....
君が隣にいなくなった
という事で
分かりやすく
こころの真ん中に開いた穴
わたしの不器用な小指が
簡単に出入りするくらいの
せつない喪失感
まぶしい季節を
思い出せば ....
また明日会えるひとへ
あなたに 手を振る
こころに灯る確信は
また明日も会える
なのに
さよなら、が言えない
じゃあね
またね、
そんな言葉で
ぽん と背中を押して
さらさ ....
もう少し近くで
聴かせてください
微熱の片すみに降りそそぐ
この音の連なりが 唄であるのなら
夏の底
透けた木の葉を揺らす
あるかなしかの風
古ぼけた木のベンチに
ゆっくりと
時 ....
ふいに
欠けた気持ちで目覚めた
三日月の朝
とんとん、と
階段を降りながら
わたしを満たしていた
はずの
あたたかい何かを
必死で思い出そうとする
思い出そうと
コーヒ ....