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レモンドロップと
夜の闇
そこを裂いてゆく
クラリネットの高い響き
五線譜がからまったような
電線の群れを越えて
かぐわしい音色
跳躍し
飛 ....
静か。
過去、いくつもの過去が来て
未来、いくつもの未来が来て
いまきみに重なる。
ぼくは息をのむ。
西日に映えて、
....
まぶしい日が終わると
遠くの唄はきこえない
窓を閉じて
あの悲しみから距離をおく
ゆるされた時はどれほどの厚みだろう
どうか今日は
....
駅のホームからは街が見えていた。
帰り路を急ぐ人々の顔は互いにひどく似ていた。
廃ビルには、昔の記憶が地層のようにこびりついていた。
一日ぶんの影が、街じゅうの屋根という屋根に覆いかぶさ ....
錐のように
喚く、
夜の生きもの。
空気の上に
声の先を、
突き立てる。
黒いアパートが
整列して、
街。
....
陽のなかに
溶け合う
息遣い
空の
奥
拾い集めた
情や景を
手折る
瞳の
底
電線に
ぶらさ ....
マンホールに落っこちた右足、
ガムのへばりついた左足。
自分の右手と左手で、
ジャンケンを繰り返す人たち。
方程式の左辺と右辺、
そのイコール ....
薄めのカルピスに溶かした
致死量のぼくの感傷
ためらわず飲みほした
ひどく暑い真夏の朝
痛みさえ美しく