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ハワイは1年に3cmずつ
日本に近づいてるんだって
と君がいう
うん、いいね
とぼくたちは笑う
9才の君が
どんなに長生きしても
せいぜい3mか、そこら
それでも
いいね、とぼく ....
十二月の
さみしい水の底から
きみのささやきに
耳を澄ませる
ふるえる感情の
ひとつ ひとしずく
その波紋
その不自由
どうして人は
急ぐのだろうね
日時計の影が
伸び縮 ....
僕たちは行進する
雨と雨と雨の合間を
かなしみの残る青空に
バシュポン
圧縮した空気は開放され
白い弾丸は
砲の初速を逃れた彼方で
小さな羽を広げる
あの
遥か積乱雲と日輪草の
....
白熊が死んじゃう、と言って
つけっぱなしの電気を
消してまわる君は
将来、かがくしゃになりたい
という
撒き散らかされた
鳥の餌のシードを片づけていると
芽がでればいいのに、なんて
....
朽ちた木屑のかさなりを
踏みふみ
つづら登る春の里山
行く先々を導くように
萌える山吹
ふとした足元に
大人しくうつむく
鈴蘭の白、きみどり
ひとつひとつの
光りの具合を確かめる ....
氾濫する
春の本流を立ち泳ぐ
辺りには甘い毒素が満ちていて
脳から先に侵されてゆく
あらゆる感情の結び目は解けて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断さえおぼつかないまま
い ....
国道を南下すると
海がひらける
それは
わかっているつもりだった
潮の香りがしている
目を細めて見つめている
+
波打ち際で
砂をかく
砂をかくと
掘り起こされてしまう
....
若草色のかざぐるまに
しがみついていた、あの人が
夕風にさらわれて
私の中を流れてゆきます
水たまりの映す青さの
ほんとうを
確かめるまえに
軽々と飛び越えて
もう
行ってしまっ ....
ダッシュボードに斜めに突っ込んだ
おもちゃみたいなラジカセ、レゲエのリズム
全開の窓から
おまえは
ほっぺた出して
ぶるぶるやってた
子供みたいに
俺は
クラッチとアクセル
ジャ ....
波打ちぎわに
光る、{ルビ蟹=かに}
蟹をみていた、飴色の
もう、よしてしまおう
人間なんて、よしてしまおう
両手のひらに
こっそり書いた「冷」の文字
僕は忘れん坊だから
冷え性対策の頁を見てたから
布団からはみだした足先が
とっても冷たかったから
今日は帰りに
ちょっと入りづらいあの店で
....
一、 銀色の背中
飯も喰わずに、カピが月ばかり見ているので
座敷に上げて訳を聞くと
長い沈黙のあと
神妙な顔で
片想いなのだという
いったいどこの娘かと問えば
まだ逢ったこと ....
ばっさり斬り落とした短い髪に
唖然とたたずむ
(なんか、めんどくさくって
照れたように君が笑う
右の頬を隠して
僕の知らない君の夏
正しい折れ曲がり方なんて
よく分からないけどさ
....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋
殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
今宵も匠は
あざやかな手つきで
ガラス球をつるり
音もなく水槽に沈める
瑞々しい、青とグレイと白の珠
覗き込むたび
妖しく映ろう彩雲は
硬く閉じ込められていて
届きそうで、届か ....
望月 ゆきさんの佐野権太さんおすすめリスト
(15)
タイトル
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カテゴリ
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日付
空を飛ぶ宿題
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佐野権太
自由詩
30*
09-12-19
ピアニシモ
-
佐野権太
自由詩
28*
09-12-12
鳩砲
-
佐野権太
自由詩
27*
09-7-2
六月の水球
-
佐野権太
自由詩
40*
09-6-1
花霞
-
佐野権太
自由詩
19+*
09-4-8
春乱
-
佐野権太
自由詩
25*
09-3-20
海のアルバム
-
佐野権太
自由詩
17*
08-8-13
風待ち
-
佐野権太
自由詩
31*
07-7-4
海とポンコツと、おまえ
-
佐野権太
自由詩
18*
07-4-12
春の蟹
-
佐野権太
自由詩
15*
07-3-31
冷え性対策
-
佐野権太
自由詩
18*
06-11-1
カピバラの事情
-
佐野権太
自由詩
41*
06-10-18
檸檬色の夏
-
佐野権太
自由詩
39*
06-8-24
たなか屋の角
-
佐野権太
自由詩
54*
06-6-20
透明工房
-
佐野権太
自由詩
13*
06-5-12
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