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090731
拾ったばかりの
疑似餌を探す
空の彼方にあるはずと
小さな兄貴が法螺を吹く
疑似餌はおまえの目の前に
木の枝に
ぶらぶらと
見え ....
080513
水色の空に雲が流れ
時間が止まっているようにも見える
体育館では
子供たちが遊んでいる
にぎやかな声に
忘れかけた記憶 ....
2007/04/23
牡丹が咲くと
必ず風が吹くのです
誰かがそんなことを言うから
今日も不機嫌そうに
風が舞い降りて
牡丹芍薬百合の花を
へし折ってやる ....
環形動物の好む
クチナシの花が咲いて
夏が来る
ふくらんだ
白い腹の上で
笑いながら
木イチゴの実を摘んだ
開かれた朝
口を閉じていたイモリ
小さな水たまりの底に
きらりと ....
存在の黒い影に向かって石投げた
人の姿になって起きあがり
黙ってこちらを見た
怖くなって逃げ出した
存在の黒い影
街の方に歩いて行った
---- ....
川の浅瀬で遊ぶ
指の間の砂は
気持ちよさそう
身をくねらせて
さりさり抜ける
ゆらゆら揺れる
小舟のように
流れてゆく時が
指の間で一瞬
かたちを作り
すぐに溶けて
見えなく ....
あれ、おかあさん
この花火どうしたの、もらったの
今日はけんちゃんの命日だからね
買ってきてもらったんだよ
こんな暑い日だったのですか
いや戦死公報に ....
西に向かって
連戦錬磨の
新幹線が走る夜
各駅停車で行く
新宿に着くと
黄色い山手線が見える
それは昔のこと
今は見えない昔に
見えない色の
見えない顔して
つながらな ....
光りが消えた後では、記憶と幻覚が新しい宇宙を
符号的に再構築してくれるのだろうか。
ミミズは夜の地表に顔を出したときに
なにを感じるのだろうか。
....
あの日も
この日も
眠たくて
午前三時になりますと
まんまるい
おやつの氷が溶けるので
風呂桶に蓋をして隠れます
水を入れられ逃げ出すと
薄目を開けたお日さまが
よっこらしょ ....
懐中時計がチクタク
どこから来たのか
金剛石のクツワムシ
ガチャガチャと喧しい
ガラスのお城を建てた
お腹が空いたと
建てたばかりの
お城を囓る
ガチャガチャ囓って
あっという間 ....
首が痛くなるまで
眺めていたが
風がないから
つまらない
つまらないから
キリがない
晴れたお空に飽きたので
リックサック放り投げ
転がり出てきた
桃缶を
三つ指ついて ....
疫病が蔓延して
またひとつ
古い村が捨てられた
縦穴住居跡には
いつも怯えたような
青白い満月がかかる
古代を復元した月が
青白いのは空気が澄んでいたから
ここにも ....
お玉が池の近くの
ポエム道場に通っていた頃のこと
冬の寒い夜に
一丁目の
首塚に抱きついて朝まで眠ると
霊感を得て
いい詩が書けるようになる
先輩から後輩にこっそりと告げられる
うそに ....
海の見えない
深い森の中で
事件は起きた
たまごから
孵ったばかりの
おたまじゃくしは
幼いから
なにも知らずに
鰓呼吸をする
木の葉が沈んだ
たまり水で育つ
藻を食べて ....
双葉山が
土俵の外に
吹っ飛んだ
なんて
ここ一番の
ビッグニュースが
裸足のままで
飛び込んできたから
不作法な奴だと
縁側から庭に突き落としてやった
だいたい
近頃のこん ....
大きな犬に
吠えられたので
逃げる
逃げると
追いかけてきて
かぶりと
噛みつかれる
そんなことは分かっている
分かっているけど
大きな犬だと
怖いから逃げる
逃げると
....
黄色いタンポポ
綿毛になって
風に吹かれて
お空に昇り
雲の兄貴に
会いに行く
雲の兄貴は
花粉症
うっかり
うかうか
くしゃみして
可愛いタンポポ
吹き飛ばし
....
江戸っ子の
おきゃんといなせがくっ付いて
魚屋を創めたよ
時々遊びにいくと
人工甘味料のだけの
昔はそれしか無かったんだ
オレンジジュース
好きなだけ飲ましてくれた
....
朝、目覚めたが
からだがかたい
かたまった
うごけなくなる
心臓まで止まるので
ふだん着のままで
こそこそと道路を渡ったら
車に轢かれた
よそ行きに着替えて
タクシーを止 ....
冬休みには
寒いので
サーモスタットを自作する
簡単だ
膨張率の異なる薄い金属板を張り合わせれば出来上がる
なぜかというと
常温で同じ長さにしてみても
温度が上がれば金属は伸びる
....
このごろ
ヒデコさん来ないの
あの人も忙しいから
なにしろここには
鈴木さんが
三人もいるから
話し相手には不自由しない
あんたも(イラクで)
虜にならなくて良かったね
元気にし ....