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日曜日の早朝
誰も見向きしない時間
ひとけないスキアボーニ海岸通りで
僕は
見つかった
サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会に
「見かけない顔だな。お前は誰だ?」
と言われたんだろ ....
焼き鳥が
香ばしい匂いを振りまきながら
暁の空を行く
カルシウムでできた複雑な骨を失い
たった一本の竹串を骨にすることで
初めて得た飛行を
力の限り大切にしながら
もうコケコッコ ....
朝日の広さがだらだら緩んで
だらだら、昼まで届いて
ぼんやり正午をふやかしたアルコール
その向こう側を透かしたら既にぼんやり
夜、のような
そこが既に、夜なら
....
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{引用=
小さな水たまりは
はしゃぐ子供達の
泥足を受け入れて
玩具である自分が
うれしかった
何台もの車が走りすぎ
....
ギターの弦を
思いっきり緩めて
今日が明日に変わる瞬間の
その境界線上に
そっと置いてみな
弦を弾くと
その揺らぎが
その振動が
今日と明日の境界線を
ぼやけさせて
曖昧にして ....
どろどろになった夜が
行き詰まる
収束された光が逃げ場を探しながら
飲み込まれていく
限りなく肥大した闇が舌を延ばして
ひとつ
ずつ
街灯を吹き消していく
誰も ....
空があんまりひくいので
きりんのくびは
つい空から突き出してしまった
そして見たくないものを
見てしまった
あああんなにうつくしいものを見てしまったら
もうぼくは
なにをみてもう ....
微笑みの日
それは
秘法を会得した日
蔓薔薇の刺さえ愛しく
降る雨が 香油のように感じられる日
カーテンの隙間から
きっとあなたの部屋を訪れよう
あなたの胸に ....
潮の匂いのする河口で
きみが釣り上げた秋は
きらきらと
ヴァーミリオンの鱗を煌めかせ
すっぽりと
きみの心に還っていった
ぼくはといえば
あいかわらず
仕掛けを空に垂らし
風を釣 ....
存在の黒い影に向かって石投げた
人の姿になって起きあがり
黙ってこちらを見た
怖くなって逃げ出した
存在の黒い影
街の方に歩いて行った
---- ....
肌にふれる
ざわめきの波に
もういいよ
さすらうため息
とまどうことなく消した
たばこの残り火が
灰皿に冷たく燃えていく
おびただしい熱が
さみしいからだを満たす夜
かえりみ ....
それは
優しいあいさつだから
きっと、優しい手紙
まっしろな封筒には
ほんわりと香りのこして
優しい君からの言葉
ほかのどこでもない宛先
おげんきですか、
なんて素敵な手紙
....
幼い妹の髪を結いながら
長い髪を結いながら
きっとこの髪は
風に{ルビ凪=な}がれて
哀しみを絡みつけているんだろうなぁ
なんて思う
それでもあんまり
真っ直ぐしているから
私には ....
黒いドレスの少女の目差は
夢を射貫いて遠く羽撃く
永遠に透けた墓場へと
涙のあとが堕ちてゆく
約束のための雨垂れが
含んだ土へと帰る
私は時を経て
最果てに芽吹く
お早 ....
好きなものを頼みなさい
メニューを渡すと
娘はしばらくうつむいて
星が見たいと言う
隣のテーブルにバスがいたので
手を繋ぎ乗る
ひとつ前の停留所で
サーカスを見るために
大半の客は ....
その葉の一枚の中に
暖かさが流れていて
触れて私は
その流れの中に浮かぶ
けれどいつしかその葉は
私の中にあり
暖かい場所を探しながら
....
目をさますと
雪のように朝が降っていて
やさしい手順で
呼吸をおくる
あなたは
まだ
夢の体温で
きのう
よそゆきの服がでてくる詩を
読みました
愛とよ ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける
楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
シャーペンの芯が出てこない
シャーペンの芯が出てこない
シャーペンの芯が出てこない
でてこないでてこない
ひたすら親指が動く
出てこないでてこない
詰まった
先端を回してあけ ....
(行ってらっしゃい)
宇宙の森で生まれた あなたと
あなたは今頃どの辺
七丁目の角かしら
目的は果せた?
わたしは洗濯をすますところ
留守のはざまで
不透明な静けさを淹れて飲むと ....
眠れない夜の少女
夜は少女に小さな嘘をつき
少女は静かに夜に眠った
次の夜
夜にかかった虹を
少女は見た
夜はいつだって蒼く永い
それだけでも
少女は良いと思ったけれど
そっと渡って ....
新幹線のぞみ22号で
トンネルも
山も
街も
風景をシャッフルだ
ああ
僕は恋人に逢いに行く
携帯のメールも
僕のはやる心も
空に弾けて
砕けそう
銀緑の光線が
四 ....
魚屋さんの奥さんは
ブロッコリーが好きなので
サンマがよく売れた日は
たいそう機嫌が悪い
なんでもサンマはカリフラワーだそうで
ブロッコリーは明太子だという話だ
奥さんは旦那さんに
....
ひとつ告白しますが
私はキツネです。
この頭脳は
随処で都合よく化けて人を欺くように
精緻にプログラムされています。
ひとつ明らかにしますが
あなたはタヌキです ....
あれはきっと
生きものが群れている音だ
口をすすぎ
顔を洗う
そんな朝の水で
生きるために
毎日タマゴを食べる
塩の加減は
これでよかったかと自問する
....
はばたき
が
今日もきこえたんだ
きのう
コンビニからでたときも
ちょっと
だけ
きこえたし
おととい
電車に乗る前に
そらを見上げたときにも
すこし
だけ
常にはきこえ ....
街を歩いていると
「幸せのために祈らせてください」
とか言うヤツが近づいてきたりする
オレは
「僕の方こそ祈らせてくださいますか?」
と言った
祈り合い合戦勃発
辛くも勝利
上りの通過列車が
雨上がりのプラットホームを過り
色褪せたベンチの水滴を
さらってゆく
少し欠けた白線と
凸凹黄色のタイルは
きっと黙って
それを見ている
プラットホー ....
よく晴れた日
ハンガーに吊るして
自分を干してみる
きっと人はこのように
優しく干からびていくのだろう
水分も記憶も失いながら
+
鏡に向かって
笑う
そんな嘘
ばかり ....
いつも 足りないと
つぶやくような目で
半透明 だった
校庭も
平たいホームの直線も
影をうばうばかりで
屋上にでるたび
そらに 手をひたして
紅くそまった冷たいゆびを
にぎ ....
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