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風の強い夜だ
下弦の月のまわりに
虹色の光の輪を作っていた薄雲が通り過ぎる
窓辺に焼きついた油色の日々が
ガラス板から流れ落ちる

星々がさわさわ震えている

明滅する交通誘導棒を持ち ....
(おとしあな)

落とし穴を作った
きっと誰かが落ちるだろうと
草叢に隠れて見張った
1時間経っても2時間たっても
誰も落ちやしなくて
なんだか虚しくなった
落とし穴の場所に戻ってそれ ....
カリカリカリと書きまして、
カチャカチャカチャと打ちました。

スイスイスイと推敲後。
やっぱり駄目ねと書き直し。

リライト、リライト、リリライト。
リライト、リライト、リリライト。
 ....
僕が
自分のやりたいことすら
決めかねていたころ

もうどうなってもよかった

幾度もの朝が訪れ
僕の閉ざされた心が
ひび割れていった

夜と朝の狭間で
小鳥の声が聞こえてきた
 ....
理由もなく
ただ
流れてくる涙を
流れてくるがまま
流す

信号待ちが
もどかしい

ずっと
立ち止まらずに
歩いていたいのに
止まらなければならないのが
もどかしい

 ....
  よく冷えたふたりの恋に
  思い出エッセンスを少々

  泡立てすぎて分離しました
   
      
ドーナツの穴から覗くと
世界はいつも
いいにおいがした
食べ物で遊んではいけない
そう教えてくれた人が
今ではもういない
体中の
キズを辿る

一番大きいのは
三歳のときの
やけどの痕

足だから目立たないのに
ママは
いつまでもいつまでも
ごめんなさいと
言う
もうこの子は
結婚できないかと
 ....
    新品の自転車は
    大人びた黒
    コウちゃんはゆく
    立ち漕ぎでゆく

    試運転の海岸線
    やがて
    登りにさしかかり

    みるみる
 ....
    ひとさらい
    なら
    まだいいのだ
    身体ごと
    根こそぎ
    さらってくれたら
    よかったのだ
    安心して
    甘えられる
   ....
真夜中のアイス・ココアは
可笑しい程
ひとり

カーテンの隙き間から
誰かが覗いたら

やあ
ひさしぶり

いない人とパーティーをする

君は
許してくれるかい?

ゆる ....
鳥は自由に飛ぶ
一本の線によってへだてられた空間を
風つかいのグライダーのように滑空し
大気をはらんだ凧のように静止し
熊蜂のように羽ばたいて流れの外に飛跡を残したりして
そして時には それ ....
突然の雨に
掌で傘を作ってみたけれど
隙間が多くて
無抵抗に濡れていく私です

傾きかけた夕暮れに
落ちてくる雨は暖かい


いつのまにか
大切なことを忘れてしまったようで
メモ ....
あたりまえの生活というものがよくわからない

平日のお昼時に街に立つ
オフィスから吐き出された人々は
中也の作品に、嗚呼サイレンだサイレンだ、といったのが
あった気がするそれに近い  ....
友人の部屋の隅っこに
ネジが一本転がっているので。

「このネジ何?」
「どうやら俺のものらしい」
拾い上げて見ると確かに友人の名前が書いてある
「そりゃそうだろう、お前の部屋に落ちて ....
サヨナラなんて

10秒あれば言える

俺は言ってない

あなたも言ってない

なのに

もう会えない

出会いには出会いの

別れには別れの

儀式が必要だ

少 ....
檸檬は今にも飛んでいきそうな色と

形をしているけれど

決して空を飛ぶことはない

朝、テーブルの滑走路で
                       きゃらめる 5

  よる

  1

なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
 ....
また打ち萎れて

寄せては引きゆく

涙の日々が尽きません

失う度に

一枚の半紙の表に

愛しい名前を書くのです

それをそのまま

月夜の窓辺にさらし

裏に返し ....
お姫様は考えていました。
「やっぱり武器は必要かしら」
もう、大好きなオレンジジュースを飲むの、我慢するから、
と泣いていましたとさ。

最大のヒントです。
自分を愛してくれない人たちのせ ....
あなたから
別れのメールが来ました

気がついたのは
余光わずかな
アパートの階段を上る時
スカートの中に
想見の風が吹き込んできた

2段上がって
またメールを読んだ
左隣りの ....
それがほしいのだという
網の籠を背負って
捕まえて入れるのだという

静かな息に
舞い上がり漂ったのち
重さを感じて落ちてくる頃に
掴むのだという

小走りに途切れて
靴音の後ろか ....
灰色の朝でも、
朱色の朝であっても、
六時の時報をラジオが伝え、
その日がたとえば八月十五日朝六時のニュースです、と
個性を消した声がする。
日々つみかさねられ、くりかえされてゆく
あたら ....


野村さんの奥さんにはきちんと名前があるが「野村さんの奥さん」と呼ばれても野村さんの奥さんはあまり気にしない
野村さんの奥さんは決して「若奥さん」なんて呼ばれないことを知っているがそ ....
彼女からの手紙が
炊飯器の中で見つかった
もう
ほっかほかの
ぐっちゃぐちゃで

炊きたてのご飯はうっすら黒く
食べると微妙にインクの味がする
時おりぐにゃりと繊維をかんだりもする ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
1.
顔を洗って髭を剃ると
私の顔は鏡の中にあった

洗面所の窓
その外にはいつも外があって
夜がまだ薄っすらと残っている

貞淑なやす子は朝食の後片付けをしている
今までの毎朝 ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
校庭の使い方を忘れてしまった
忙しさにかまけ
タバコをふかし
子供たちの嬌声に耳を傾け
止むことを知らない霧雨のなか
彼女の寝顔
彼女のやさしさ
彼女のフルネーム
それがなんだか忘れて ....
望月 ゆきさんの自由詩おすすめリスト(2609)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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テイケットウの神様- umineko自由詩3*04-4-2
ひとさらい- umineko自由詩4*04-4-2
カラギーナン- umineko自由詩4*04-4-2
鳥は自由に飛ぶ- ダーザイ ...自由詩2904-4-1
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spring- umineko自由詩6*04-3-30
ネジが転がっているので- たもつ自由詩1904-3-29
☆86_ギシキ- 貴水 水 ...自由詩804-3-25
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きゃらめる_5- アンテ自由詩45*04-3-3
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時代- たもつ自由詩1703-7-11
醤油- たもつ自由詩9203-7-9
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