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誰かのシアワセが
ゴミ集積所に
捨ててあった
家に持ち帰って
磨いたら
結構使えそう
だった
コンセントを
入れたら
シアワセが
動き始めた
君はなぜ
捨て ....
そのはじまりからすでに
鋭く亡びに縁取られているのが夏で
青空と陽射しがどれほどあかるくても
そのあかるささえ不穏なのが夏で
蝉が鳴き騒いでも
祭の喧噪が渦巻いても
濃密な静寂が深々と ....
心臓破りの坂
に破られる心臓
そして
けたましく鳴り響く電話機
に似た形のビニール袋
に梱包された
けたましく鳴り響く電話機
の絵
も
範囲内の限りにおいては
どうにでもなる
....
さみしい唇が
のどに鈴を付けて
歩くたび揺れて鳴く
顔迄這い上がる地熱はゆらゆらと
蒸せかえる
濡れたアスファルトの匂い
空は墨青を垂らして
飼育箱の中は授乳室であった
....
春だった
すきと思った、無理だった
駅で時刻表を見る
あのひとはなにをしているだろう?
昼休みのチャイムが鳴る
あのひとはなにをしているだろう?
宿題を片付ける
あのひとはなにをして ....
食後に飲むはずだったビタミンが
テーブルの上で醗酵している
その熱で君の言葉は燃え尽きてしまった
僕らはたくさんの窓や部屋を投げあって
ぶつけあって、お互い
何となく傷ついてる
夏 ....
田中君は今日も元気
弧を描くよな風が 短い場所でおおらかに吹いていた
湿度の低い 午後3時
フレアスカート プリーツスカート ふくらんだりして
白桃や北 ....
星砂ヶ浜
夜 月光のまぶしさに
まばたき出来ない お魚が
目に焼き付ける 星のまたたき
しばしば するので 砂で洗った
こそこそ するので 飛び跳ね回っ ....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....
帰ろう
と何時でも君は言うので
何処へ、とは聞かない
ヘッドライトが線になるまで
ただ通り過ぎるように
覗くことをしない
触れるなら静かに
斜めになった窓から
射し込んでくる光が
....
その日 二人の間にあったのは
「愛」ではなく
「コーヒー」だった
しかしすでに冷めきっているという点では同じだ
彼が口付けたのは
「私」ではなく
「コーヒーカップ」だった
どんな味か ....
太陽とは太陽系のなかでもっとも内包する矛盾が大きい存在だ
くだらない分別
分かる、理解する ということのくだらなさ
そして逃す
逃し続ける
分からなものを逃し続ける
つまり不幸だから分 ....
大きな犬に
吠えられたので
逃げる
逃げると
追いかけてきて
かぶりと
噛みつかれる
そんなことは分かっている
分かっているけど
大きな犬だと
怖いから逃げる
逃げると
....
横断歩道の真中で
持ち主を失った目覚し時計が鳴っている
この世のどこかにはそんな交差点があって
生きている人間は普通に呼吸しながら
もう生きていけない人間に
静かな止めを刺しているんだろ ....
「寒い」
と君は呟く
君に街外れで告白したのは
怖かったから
君はそんなふうに
すぐ
逃げるから
「寒い」
と君は呟く
僕はその頃
埠頭で潮風の匂いを嗅いでいた
....
愛情を持ってことばと向かい合う
簡単なようでむつかしい
誰かの作品を読む
誰かの日記を読む
誰かの声を聞く
誰かの
親しみを込めて私はそこに立つ
私の親しみを
だけどあなたは知らな ....
朝は静かに浮上してゆくのでした
三葉虫の化石に太陽が反射したとき
そっと手を触れるときは胸が痛くなるのです
痛いところにわたしがいっぱい死んでいる
朝を埋葬していく
繰り返しわたしの中に ....
窓辺を漂っていたスウィートピーたちは
薄れて消えてしまったよ
白いのもピンクのも薄紫のも
いつか行こうなんて云っていた
銀の門のある空中果樹園も
いつのまにかどこへやら消え失せてしまったよ
....
溶けるまで
眠れそうな遠くの日々が
溶けていくまで
深々と、動かない部屋で
指を折る
指を折る
ありきたりな言葉では
追いつけなくなりそうで
街灯がつくまでの時間を
静かに歩 ....
空の割れた日は
なんでもない午後の水面が
微風にそっとゆらいだくらいの
静かな頃で
お気に入りの帽子を
どこかに置き忘れてしまった
隙間から、パリンと
音を聞いたのは私だけかもしれない
....
沈む夕日を見ていると
今日もまた唇が淋しい
姉さん
そうつぶやく僕には
生まれてこの方
兄さんしかいなかった
太鼓橋が渡れない
と
友達が言うので
回り道を教えてあげたら
来なかった
君がいなくなった世界は とても堪え難い
けれど僕がいなくなった世界で
君が泣いている世界は もっと堪え難い
だからいつも僕は
僕がいなくなった世界のための準備をしよう
....
どうせなら一度くらい殴っておくんだった
そうじゃなければ愛しているとでも言っておけばよかった
見上げたり見下ろしたり
飽きもせずよくそんな遊びを続けていたもので
今になって思い返してみれば 何 ....
丘の上の工場から
午后のサイレンが聞こえて来る
いつもそれを待ち侘びていた君
遠くまで行きたくて飛び乗った電車
あれは過去のこと
海を見ていた
太陽は焼け付くようだった?
白 ....
今頃は、さらさらした風が吹いてきて
いつも 左肩から
あなたを感じる匂いが します。
昨日 通ったことのない
知らない道でデジャヴした
山吹色の花咲く庭の
崩れかけた壁の上 ....
毎日たくさんのものが
あなたから生まれることを知っている
それは言葉であったり、声であったり、感情であったりする、けれど
それらはあなたの分身でしかないことも知っている
そのことをあ ....
嵐の日にカンパーナが遠くでないている
そんなに悲しい声でなくのはやめてくれ
森が揺れているよ
悲しい悲しいと、
カンパーナ
誰もおまえの森を奪いはしないのに
....
さらり、さらり
さら
さら
さら
もう少しで越えられそうな
海辺の砂の城が
指を折る度に
遠ざかっていく
懐かしい人の声で
ここから離れることのない
耳の奥で鳴り続ける乾い ....
{引用=
4 時 間 前 の
君 の キ モ チ が
ア ナ ロ グ
変 換 さ れ て
今 頃
ぼ く の 脳 ミ ソ に
届 い た
で も
今 の 君 は
....
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