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「ほんとはね」
爆弾を仕掛けてるの
あなたの急所を
探り当てたよ
遠まわしに少しずつ
見えないように
わからないように
気づかれないように
ねえあなた燃えちゃうよ
燃えち ....
せんせい、あのね。
せんせいのすたんぷかわいいね。
あのね。
ぴかちゅうのえがついてるの。
「がんばりましょう」
って、
ままよんでくれたよ。
すごいって、「しょう」って ....
二人で地面に小石を並べる
ひとつ、またひとつ
やがて円の形となり
収束していく始まりと終わり
夏の日
暑いね、という言葉だけが僕らだった
何故だろう
あんなにも
世界がありふれ ....
動かないで
うっかり逆鱗に触れないよう
紅を差してあげる
私の部屋に浮かび揺れる
赤い花びらに
首を傾げる友達
透明な竜を飼っている
躾はいいほうだ
私の帰りが遅いと寂 ....
サキは笑った
蛸がパソコンを操り始めたからだ
赤くなって蛸はワードをうちはじめたのだ
蛸はなにが書きたいのだろ ....
ゆみちゃんはぽろぽろなみだをながして
ひたすらなきつづけた
てくびをとると
けっかんがきもちでふくれあがって
どくどくおとをたてて
いまにもはちきれそうだった
かおがむくんで
くちび ....
海が
ちいさないびきをかきながら
かぜにふかれている
いるかが
とおいきおくを
うたっている
ゆったりと
こすもすがまわり
ぼくらはやがて
かぜになる
ビーチサンダルのペタつく音にアスファルト、ひとり。光るのは蛍光灯と蛍光灯とそのまた右の蛍光灯と増える増える増える、倍々に膨れ上がる音響のように目をすぼめれば「ほらほら丸くないよ」と跳 ....
母方の父は
南方戦線の
密林にいたそうな
ぼくはまだ行ったことのない
亜細亜の
異国
木の香り
空気に含まれる水
そして
祖父の流した血のにおい
今はかんじられないこと ....
草原の秘密基地
今はもう影だけで
虫取り網を振り下ろす
残像が目に焼きついた
夕暮れの蝉時雨を
いつまでもそこで聞いていたっけ
通りすがりの車窓から指差した
この草原は僕なん ....
ゆら
ゆら 男が現れ くしゃみする
丸くなる背中 男 ひとり
ゆら ネクタイが 飛ぶ
男 引き上げられる 皮靴
会社へ 行きたくないと
取り払う 背広 ゆら 名刺
雲雀の羽 離れ ....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに
男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか
それは
目の前に細く頼りない道が一本
....
トン、と降り立ち
やや振り返ると
縁側に腰掛けた私は小さく笑っている
あ、その儘で
軒下で傘が鳴る音
誰か、いたのだろうか、
少女の死はあまりに退屈で ....
▲
そして
どこまでも
群青の闇を往く
魚のあとを追い
かつての白い肌は
鈍く焼けてしまった
水の角を曲がり
更に水を下る
....
【こときり】
(1)
じ〜〜〜
ぱっ
ぱちっ
ぱちっ ぱちっ
ぱち ぱち ぱち ぱち
ぱ
・・・・・・
これからやっと
盛り上がりそうなところで
線香花火が
力尽き ....
くろいうさぎが
よりみちしてる
しろいうさぎが
さがしにいった
くろいうさぎが
まいごになった
しろいうさぎも
まいごになった
だけどどこかで
にひきはで ....
28から7を引いたら残りはいくつになりますか
答えは0です
私は除かれた7だったから
+
ことがそろそろ長くなってきたので
座ぶとんを引いてパチンと切った
ことは勢 ....
108号室のスガワラさんは
ボンノーのかたまりのようなひとです。
っていっても子ボンノーですけど。
今日もまたカベごしに
「たかい、たかーい」
ってきこえてきます。
「たか ....
架空『少女事典』
この事典には
世界中の少女という少女の
すべて
が網羅されております。
コレ一冊で
少女に関する疑問難問
すべて氷解すること請け合いです。
しかしこの事典は架空の ....
海からは程遠いこの部屋で
僕はパン生地をこねる
できるかぎり薄くひらたくのばす
それを焼くための釜がないこの部屋で
彼方の水面
君は手をかざしていた
何が見える?
「何も ....
一万人にひとりの確率です
ああ
そうですか
ここは100万都市だから
年間にして100人くらい
だから
3日に一度
同じ病名の救急車は走る
一万人にひとりの確率です
そう
....
守られないことを知りながら
またひとつ約束をする
もう切る指をなくしてしまったらしいので
嘘つきなのは僕のほうだよ
と
嘘をつく
今日はしゃがみ込んだ君の足もと ....
降りしきる雨の中
傘もささずに俺たちは歩いた
死ぬほど歩き続けた
けれどそれで
俺たちが死ぬことはなかった
俺たち いい奴だった
俺たち 輝いていた
俺たちは生の肉だった
俺た ....
窓枠から漏れている気持ちを
ガムテープで目張りする
それで安心かというと
そうでもないらしい
困ったな
僕はそれ以上のすべを知らない
進みようのないことを
あれこれと堂堂巡り ....
ちががね、
(血がね、といいたいのだ)
ちががね、びよきだからね
あかちゃんのときからね
そうなの、ずっと
少女は枕に片頬つけて話す
ぼくは少女の枕に腰掛けている
ち ....
(十代の頃、
探していた答えは見つかったかい?)
(「見つかった」と「見つからない」の
間に伸びる道を歩いているような日々さ)
(あの頃、
まっすぐに伸ばした腕 ....
90%知りたい
だけどそれはやめておく
死ぬのはいくつの歳か
それを聞きたいけど
聞かないことにする
と、57歳のおじさんが言った
ぼくの座る
駅前の公園のベンチの前 ....
漢字の
「小」って
お母さんが真ん中に寝て
子供が両脇に寝てる様子に
似てるね
まいばん
そうやって
寝ています
右手を挙げると
鏡に映る自分が左手を挙げた
右手を挙げさせるために
僕は左手を挙げる
外の方から小さな鳥のような鳴き声が聞こえる
空はまだ晴れているだろう
午後は爆弾を買いに都会へと行 ....
くらい部屋の中
あなたはいつからいたんですか
ずっとそこにいたんですか
さっき?さっき来たばかり?
そうですか
全然気づきませんでした
すみません
なんだか元気がないですね
お腹がす ....
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