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一度目の恋は恥ずかしくて
愛してる、なんて
言えなかった

二度目の恋は何となく
愛してる、と言った
意味なんてわからなかったけれど

三度目の恋は愛してる、という言葉に
責任を持と ....
雨の、話など誰もしていないのに
空が溶けてきたねとあなたが言う
気が付けば隣で誰かが溶け始めていて
手紙に残された文字が一人、笑っている

手のひらは繋ぐためにあって
思えばそんな場所ばか ....
未来に
あくびをさせるな
過去なんかに
囚われるな

高ぶる感情のまま音を紡ぎ上げ
楽器を演奏するジャズメンのように

その瞬間に熱狂しろ

目一杯着飾って
トランペットを持ち
 ....
県庁所在地から車で十分、
ガスと電気が設備されたマンションに住んでいる。
子供はまだいないが、二人くらいは、と考えている。
電線の張り巡らされた郊外の一室で。

進化は未来を追い詰める。
 ....
 ハリエニシダ
 遠しといえど難からず

近頃の人間は半袖というものを着ない
だから腕に掻き傷のひとつもないのだと
おじさんは言う
茂みを抜けた岬の荒れ地は
見通しはいいけれど 
とお ....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた

ずっと憧れていたこ ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
裁くことは可能だ
だが公平ではない

愛することは可能だ
だが公平ではない

博愛主義とは何だ
ひたすらに
わけあうことか

私の精神は
無限ではない
私は
命のベクトルを
 ....
山道を左に入って
舗装されていない砂利道を1キロくらい
そこに

わたしとあなたの
思い出が
白っぽい蜃気楼になって
佇んでいる

わたしは怖いから行かない
たぶんあなたも

 ....
降りつづける雨は
もしかしたら辛い過去かもしれません

降っては止み
降っては止みを繰り返し
いつしか涙のようになって

まるで一人ぼっちみたいに
その「ぼっち」が淋しく響いて ....
窓辺には 
ガラスケースにしまわれた 
誰かの心臓が置かれている 

真夜中の無人の部屋に現れる 
今は亡きピアニストの面影 

奏でられる旋律に 
永い眠りから覚めた心臓は 
脈を ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
言葉の中に
小さな石を見つけた
それはとても赤く
とても美しい色で
鳥を打ち落とした
正午から午後二時頃にかけて
北部を中心に雹が降った
農作物が被害を受けた
傷口から病害感染の恐れがあるので
薬剤が散布された
長い坂道の途中
幼い男の子が線を引いていた
線を引くと
線 ....
戦争が終わって
俺は窓辺にサボテンを飾ってみる

戦争が終わって
俺は愛のあるべき形を知ったのだ

戦争が終わって
俺は誰も彼も愛しまくる




 フィルピンパブで働く女を
 ....
帽子の話はひととおり終わり
白い塀が先の方まで続いています
突き当たりの干物工場を右に
道順を教えてくれる指先は節くれだっていて
足元には重いものに潰されたような
カマキリの一部が残っていま ....
川のせせらぎかと思った
マンホールの奥に それはある
空気入れで押し込めたタイヤの中にも
 いわば
作りかけでいたはずの 夏の星座
暗闇を並べるのは不自由するばかりで
地平まで 窓に映る蛍 ....
焼けていくその空は
思ったより高くなかった

天に伸ばした手が燃え染まる
風が私と空をつなぎ
とけていく境界線

明け方の雨が露のごとく
草にとどまっている
匂い立つ今 ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
わたしはいつも、つつまれている。 
目の前に広がる空を
覆い尽くすほどの 
風に揺られる{ルビ椛=もみじ}のような 
数え切れない、{ルビ掌=てのひら}に。 

その手の一つは、親であり  ....
こわれた、かぜを
かぞえている


とめられないから
ぼくには

ひとーつ、
ふたーつって

やわらかいところから

ふいている
こわれた、かぜを


 ....
花冷えのころ
すきとおるあおと
ぬくもりをさがしながら
蝶のようにとびたち

風の声をとどけに
あなたの耳で
蕾になって

向日葵のだいたんな喜び
わすれな草のブルー
おしろ ....
ことばは
かけらだ
かき集めて
かき集めて
つくる砂の城が
ひかりを浴びて
窓に飾る花の叫びだ
レースがひるがえり
それは、かけらだ


宿酔いだから
洗濯に行こう
宿酔 ....
淡く
夢にいた人は水彩でした


*


(あ、)


こめかみとシーツの間に
かすかに染み入り、そこから
まぶたに明けてゆく一筋の朝の滲みに、すっと
打 ....
あてもなく、この先は、動かされるままに。
意識とは別に、行く先は、南、でした。

無音の、ファンネルからの、伏流は、
見ている人しか、伝わらないなんて。
見えないだけでしょう。

 ....
遠い
遠い言葉が
この近さで生まれる
形を変えていく音の
はじまりが揺れ続けて
廊下に落ちていた
誰かの笑い声を思い出す


+


夕暮れが残る夜
潜みの中の湿った皮膚へ
 ....
{引用=
鱗はがし


   ぐったりとした坂の両脇

   片付けられたばっかりの ここは小さな店屋さん

   向かいではやけくそなハンマーが突き出た骨を打っていて

    ....
ぶつぶつ
ひとりごとをいいながら
ひとが
えきのかいだんをのぼっている

おそらく
なにかたいせつな
くんれんをしているのだろう
ことばをはっするたびに
すこしずつ
もれていくもの ....
             2007/04/23

牡丹が咲くと
必ず風が吹くのです
誰かがそんなことを言うから
今日も不機嫌そうに
風が舞い降りて
牡丹芍薬百合の花を
へし折ってやる ....
あとかたもなく
灰にするということだ

ひとりで
生きていくために

世界に
巣立ちをせよということだ

父を焼く

かたくなに
声を伝えぬおとがいを
持ち上げたなら
かさ ....
望月 ゆきさんの自由詩おすすめリスト(2609)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
愛してる- たもつ自由詩1507-6-4
親和する朝、の- 霜天自由詩907-6-4
Dig- Porter自由詩26*07-6-3
宣言の声を聞いた- ブライア ...自由詩2*07-5-30
ハリエニシダ_2- 「ま」の ...自由詩8*07-5-28
いちたすいち- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-5-27
幻視顕微鏡- 嘉野千尋自由詩61*07-5-27
紫陽花- umineko自由詩17*07-5-26
舗装されていない道- チアーヌ自由詩1207-5-25
「水結晶」_(二部作のうちの①)- ベンジャ ...自由詩5*07-5-24
窓辺の心臓_- 服部 剛自由詩12*07-5-24
私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
プロテナリア- プル式自由詩6*07-5-18
報告- たもつ自由詩507-5-17
終戦- Tsu-Yo自由詩1307-5-14
道順- たもつ自由詩2407-5-9
帰還(feedback)- 高橋良幸自由詩1207-5-7
いつもの朝に- さくらほ自由詩14*07-4-27
書店で働くということ- 吉田ぐん ...自由詩73*07-4-25
椛の木陰_- 服部 剛自由詩25*07-4-24
こわれた、かぜ- はらだま ...自由詩17*07-4-24
*耳の産声*- かおる自由詩25*07-4-24
かき集めて- soft_machine自由詩31*07-4-24
水彩の夢- A道化自由詩3007-4-24
融雪プランクトン- 鯨 勇魚自由詩20*07-4-24
距離- 自由詩10*07-4-23
星を千切る- 嘉村奈緒自由詩15*07-4-23
くんれん(ことば)- たもつ自由詩1607-4-23
五感する- あおば自由詩7*07-4-23
明日に咲く花- umineko自由詩12*07-4-21

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