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「 ツァオベラ  あの  真っ白い世界 」





 わたしはその日も一斤のパンと砂糖水を摂った
 目の前で食卓の隅が何枚もめくれているのを見ながら
 なにかを話そうとすると、その度 ....
東京湾上空を固い翼たちが水平に旋回する

垂直にたちあがるオレンジのビルたちのすきまへ
ゆうぐれて輪郭を失ったそれぞれの窓へ
たえまなくなつかしい未来へ


たくさんのたましいがまどから ....
波打つみどり、
敵味方の風、
追われていく

ひとつの鍵盤に向かって
端から指が流れてくる。

とたんに、
空に生まれた
子供にかえる

見つけたカタバミは、
探していたものと ....
絡まり合った人たちの影も
それはそれで綺麗だった
東京
そこから抜け出すと
混雑していた日付が
見慣れない文字に変わっていく
月が、取り残されている
南へ向かう電車に深く沈み込めば
暖 ....
背なか 背なか
もたれかかった珪藻土の壁には
真昼の温みが宿り
後ろから
春の衣をふうわり掛ける

あし
足もと
埃だらけのズックの下で
蒲公英は蹲り
カタバミが少し緑を思 ....
風が吹いていた
風のように母は声になった
声のように鳥は空を飛んで
鳥のように私は空腹だった
空腹のように
何も欲するつもりはなかったのに
母についていくつか
願い事をした

 ....
腕を

上げ下げする時モーター音が少しうるさいでしょう
ごめんなさい

今日はどんな一日でしたか?

駅でまたお腹が痛くなったんですか
大丈夫ですか

私ですか
私は駅のホームか ....
酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く

内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく



道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
のりしろを見つけました。

観察しても、
どちらがのりで、
どちらがしろなのか、
わかりませんでしたが。

とりあえず。
貼り合わせてみましょう。

のり( ....
世界で一番悲しい人が笑った
花のようだった
花の名前と同じ速度で
列車は走った
良い陽が入るね
そう話す乗客たちの袖口は
等しく汚れていた
窓の外にはいつも窓の外がある
という ....
数える、シグナル
着信履歴

数える、車窓の鉄柱
サボテンの棘

数える、つたえたいことば
読んでいない背表紙

数える、もらったさやしさ
星のまばたき

数える、蝉の脱け殻
 ....
ねこや青空や荒野を
ねこや青空や荒野と
なづけたひとにあなたのなまえを
なづけなおしてもらいにゆくのなら
てぶらで部屋を出て
ふいにバスをとちゅうで降りる
もう二度と帰らない旅行へ出かける ....
皮膚を、
へだてているのは同じではないか、その
頂へ
ゆっくりと
のぼりつめるさま
あるいは
交わってなにひとつ溶け合わない、交わりは
交わりのまま皮膚の
上にしんしんと塗布
さ ....
スパイスきょうじゅ
スパイクはいた
スパイクはいて
スパイスのんだ
いちめん ひろがる 
じゃがいもばたけ
おくさんうめたの
だれでしょう

*

あさ うたたねをしていたら ....
空の底
空気圧
破裂してしまいそうな
煙のように混ざり合ってしまいそうな


ねえ
そこで泳いで
きみの背中は
一時間だけのため息が根を張るように
そこでひっそりと、目を閉じていく ....
惚れるひとつ。
溺れるふたつ。

ここにひとつ影。
ふたつ追憶に溺れる。

果てる波みっつ。
国道を利根川の河川敷にむかって歩いた
あそこで彼女と連れションして葉っぱでふいたりしたことを
いま
しみじみとおもいだしている

腕の中には死んだタヌキ
わたしたちは
それを埋めたかった ....
パレード、通り過ぎる、そんな頭上の光を
楽しいという感情を置き忘れた日の夕闇
彼はそのために全てを考えるということをして
流れていくひとりぼっち、常日頃想うようにすること
ステップ、音楽を歌う ....
ひろければひろいほど
わたしはひとりで
つまり

ひろければひろいほど
あなたも
ひとり


あの日
真っ白なゲレンデで
わたしは
ひとつになりたいと強く願った
ゆるやかにカ ....
 月が盲目であることを知るのに私は二十年の歳月を要した。私にとって、月はあらゆる意味で眼であった。月から伸びる湿った神経束は世界の絶望へと接続していて、世界の絶望は、半ば狂いながら老犬の飢えと私の衰弱 .... 行方もない風たちを
帆にはらませて
もう帰らない船の
船笛の消えていく先
短い呪文
アストロラーべ

二人の旅路を
羊皮紙に書き出しても
深海の底に
沈む姿があって
透明な海藻に ....
白っぽい二階建てアパートの部屋で
あなたと
バニラブルーを食べた

窓を開けると
川の音が聞こえた

目を閉じて
耳を澄ますと
まるでわたしたちの下を
川が流れているみたいだった
 ....
その人が、燃えていった
毎日よりも人は集まっていた
いなくなったというよりも
手放した、と言いたかった
彼らは笑う声で
透明な空を細い道にして
順番に順番に、昇っていった
花が、咲いてい ....
なれてしまうこと
わすれてしまうこと
わすれつづければ
けっして なれてしまうことはなく

かぎりなくむせきにんで
なんどでもくりかえします
しあわせなことを
かなしいことを

そ ....
すきなひとができて

くちをきくことがこわくなった





とても あたまのよいひとだから






そのひとの おおきなせなかにもたれると

わたしの「すき」や ....
青いアメリカ
きみはいま風邪を曳いていると
信じたい

少し前はきみを讃えるのに
僕は ではなくて 僕らは と言っていたよ

少ないお金を出しあい
きみのもとへ出したボートが
沈み
 ....
焼き払われて
焦土と化した故郷の村に還ってきた
いちめんの砂地に転がる骨のオブジェたち

あたしの家のあった場所に
炊煙があがったような気がして
駆けよってみると
テントのまぼろしの ....
白線の内側におさがりください
融けかかった身体が通過して行きます
主成分は耳とし耳けるもの
声のいくつか
危険ではありませんが
触れると昔を思い出して
いささかに寂しい
窓とし窓 ....
夕暮れの空にはむくどりが群れて
毎日あんなことしてて
むくどりは飽きないのだろうかと思う私も
飽きもせず夕飯をつくる
いや飽きてるんだけど
夕飯に飽きても
生きてるのに飽きても
生きてな ....
(伸ばされていたのは僕らではなく、日の光だよ)

そう、
つぶやいていたのは誰の横顔だっただろう
同じ服装の顔と顔とが集まっていく、丸顔の時計の下は
いつも降り積もるばかりだった
きょうし ....
望月 ゆきさんの自由詩おすすめリスト(2609)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ツァオベライ- 嘉村奈緒自由詩11*06-2-16
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春の裁ちかた- たもつ自由詩1406-2-5
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- 葉leaf自由詩13*06-1-29
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