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そこに
風の道はなかったけれど
風を運ぶものはあった
見えない軌跡を引きながら
きみの空中ブランコが接近してくる
渦まく風のすべり台では
空のクリオネたちが目をまわしていた
宙を満たして ....
シロツメグサで
首飾りと花束をつくり
ぼくたちは結婚した


わたしの秘密を
あなたにだけ教えてあげる
と花嫁は言った
唇よりも軟らかい
小さく閉じられた秘密があった
シロツメグサ ....
本のページをめくる
あなたの指が
風のようだと思った


あなたの中で
長い物語ははじまり
長い物語はおわる


本を閉じると
あなたはすっかり年老いて
物語のドアから出てゆく ....
魚を丸ごと
皮も内臓もぜんぶ食べた
それは
ゆうべのことだ


目覚めると
私の骨が泳いでいる


なんたるこった
私を食べてしまったのは私だろうか


どこをどうやって
 ....
電車の好きな少年だった


窓のそとを
いつも景色を走らせていた
乗客はいなかった


やがて彼は
景色のなかを走った
走りつづけた


いくつかの景色をつなぐと
電車にな ....
今朝

うぐいすの声をきいた

誰かが

空の窓をあけた
夢のなかの
無口な祖父のように
窓が
そっと近づいてくることがある


いつも同じ景色ばかり見ている
だから
無表情のままで
風のような息をしている


私は窓を見る
いや  ....
あの高い木のてっぺんにいるのは
多分ぼくだ
ぼくの知らないぼくだ

忘れていたのかもしれない
ぼくがすっかり忘れていたぼくなのだ
だから懐かしい

ぼくは手を振った
だがそいつは
 ....
あれはきっと
生きものが群れている音だ


口をすすぎ
顔を洗う
そんな朝の水で


生きるために
毎日タマゴを食べる
塩の加減は
これでよかったかと自問する


 ....
ひさしぶりに親父に会った
釣ったばかりの岩魚をぶらさげて
反りかえって山道を下りてくる
いつかの河童に似ていた

秋になると
川からあがって山へ帰ってゆくという
そんな河童を村人はセ ....
望月 ゆきさんのyo-yoさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
サーカス- yo-yo自由詩11*08-12-3
シロツメグサ- yo-yo自由詩26*08-5-30
- yo-yo自由詩21*08-5-2
しおざい- yo-yo自由詩15*08-3-28
電車- yo-yo自由詩26*08-3-7
どこかで誰かが- yo-yo自由詩8*08-2-22
- yo-yo自由詩7*08-2-15
木の物語- yo-yo自由詩6*07-10-5
潮騒- yo-yo自由詩305-10-6
河童- yo-yo自由詩705-6-8

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