すべてのおすすめ
たったひとつの睡眠を
羊たちと分かちあって眠る
もこもこしてるね
なんて今日は言わない
めえ、と寝言を言っても口をふさがない
数をかぞえない
何も思い出さない
夢の中で道に迷うと目覚めなくなるって本当?
って彼女が訊くので
ルルルと笑ってごまかした
蓋し彼女の顔に見覚えがあるのは確かだ
しかし果たしてそれが
そうです
シスチンとシスチ ....
歩いてて思うのは、
この道がどこに続いてるかって事。
今、ビルの向こうに海が見える。
霧にかすんで現実に思えないけど
それでも、
不思議だ、
いつかは着く。
実際に着くんだ。
右手 ....
飛んでいる
飛んでいる
はげしいビートだ
もう世界もおわりだから
走ってゆくしかないのだ
酸性雨が ....
アルコホル
眠くなる後悔する
の
夜のすきまには
都電はすべて ばらけている
傘の先つたう水を
すとんと間抜けた放送を
泥に似て垂れる人を窓につぶつける雨を
ゆられてふらめく光 ....
微笑みの匂いがする最後の頁を
めくるかのように
僕が女を忘れたころ
女はいつもと同じ場所で
いつもと同じ歌を
歌っていたそうだ
未明
人も車も動き出さない冷たい駐車場
空を見失 ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
雨が垂直に
突きささったまま
凍りついた
野の どこかに
愛のひとは
ふしあわせだ
与えるばかりで
奪われない
そんな物語の
かいてある石版が
埋まっている
らしい
まこっちのお母さんは
夕方
青い作業服を着て
バスで帰ってくる
まこっちのお母さんは
まこっちが失敗すると
笑って
肩をすくめる
まこっちのお母さんは
めがねをかけて
まあ ....
一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう
ぼくらは、たまに
どうしよう ....
泣けるなら
泣いたほうがいいのです
いっそ
泣けたらいいのです
冷静に閉じたココロ
ふたたび泉が溢れるのなら
泣けるほうがいいのです
清らかな水が
こころを洗い流してくれるから ....
電車に駆け込む、37℃の平熱
昨日の夜食は暴力のオブラート包み揚げ、
鼻つまんだら食べられるけど、おいしくない。
電車の中はオンザステージ、ヒットパレード
ファンクにきめる少女たちを讃えろ ....
歩行者は夜9時を過ぎていく
ぼくの身勝手でやさしさを決め込んだ算数が
ドライな公園でひたすら石を数えるように
きみは月を見た
マイクに空気を
あたたかく篭ったノイズが閉じては枯れ
なぜ ....
おとうちゃん しっぷ はらはる
あかんもう年や、ゆうて 腰に貼らはる
おかあちゃん むね はらはる
もうすぐあかちゃんくるんやで、ゆうて むね張らはる
おにいちゃん テ ....
もういいだろう
コーヒーカップを片付けようとした
コーヒーがコーヒーではなくて
モーイーだった
モーイーなんて
くだらなすぎる
だじゃれにもならない
飲み乾してやった
....
エレヴェータ に乗っている
ねても さめても いつでも
エレヴェータ の透明なガラスは
都市の骨を映し出して
エレヴェータ は昇る
いき あっても いきたえていても
エレヴェータ は香りに ....
あなたは知っていましたか
すべての細胞は
自殺するということを
遺伝子の片すみに
小さな時計が隠れてて
もういいよってささやくと
それきり細胞は
すべての作業を放棄して
....
覚えていますか
と
問いかけるのは怖い
そして無意味だ
わたしはあなたにとって
最初から存在しなかったと
同じなんだと
確認したところで
一体なんになるだろう
覚えていますか
と
....
開かれた窓が必ずしも
空ではないとゆう君が開く
歌集の背景も部屋ではないとゆう
綱渡りな瞬間が連続している
今日は一番新しい日
みんなに会いに行こうと思ったけど
道はすべて絶たれて ....
くそ じじい と
おまえは また そのすこし
ぽってりとした くちびるを ゆがめて
はきすてるように いうのだろう
なんだよ と
ふたりのあいだにある へだたり ....
子供らがそらを指さして騒いでる
何事かと思いぼくもそらを見る
この角度でそらを眺めるのは
ずいぶんと久しぶりだ
見慣れたビルの屋上付近は
見慣れない広告でひしめいている
そのすき間ほどのま ....
行ったきり帰って来ない父を待っている間に
僕は肩を壊してボールを握れなくなった
故障した肩は匂いや形が花に似ているみたいで
通りを歩いていると勘違いしたハチが集まってきて困る
その度にそよ ....
秋になったかは知らんが
満たされない月に向かって吠えます
オレンジの灰が屋上の地面を転がってゆき
本当の地上へ、ダイブ
深夜3時になりそう
明日への特急が来るなら何故に荷物をつくらないの、と ....
金色の
呼吸が
金属から
美しく
小さくても
低音が
空を秋に
高く押し上げた
公園で
ぼろを着た
青年の
胸で光る
金色の ....
思ひ出と云ふ名の幻想を
指で弾いては落としました
御弾きと戯れる童のやうに
罰が当たると云ひし君も又
幻想なのだと云ひ聞かせ、
それでも未だ
君をかたはらに感じてゐました
....
こすった赤い眼の中
おちていく太陽が
すぎこしていった
夜へ
さみしいのまえに
たいくつがある
考える脳のくらやみ
がある
明日はデートだ
そんなことを空想す
....
たこ焼き屋のまえで
たこ焼きが出来上がるのをじっと待っているジャリたれは
いつも実存のことばかりに頭を巡らせているので
たこ焼きくるくるするの難しい?
としつこく同じことを尋ねては
店のおば ....
どううぶつえんの檻の前で親友は盤を取り出し
飛車角落ちで良い、と言う
親友の温かい手から飛車と角を受け取り
どううぶつの檻に投げる
どううぶつは隅でうずくまったまま見向きもしない
飛 ....
冷え切った校舎の裏
ささくれ立った言い訳をした日
嘘をつくのは単なる処世術ではなく
空気と同じなんだと信じることにした
地球は今この瞬間も律儀に回っている
無数の嘘を繋ぎ止めながら
....
「メリーゴーラウンド」 8
一生
ぐるぐる回るものが
昔から好きだった
図書館で本を読んでいて
ふと見あげた壁かけ時計から
目が ....
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