町並みに森の匂いがした。
公園を三つ。階段を二つ。知っているパン屋の匂い。スーパー。雑貨屋。ともだちの家。
学校を見下ろす長い坂道を下った。
社を通り過ぎて、実家を通り過ぎて、足は、足を、通り過 ....
もしもあの時
もうひとつの道を選んでいたら
今の私に出会えただろうか?

道しるべのない道の途中
知らずにすれ違う自分に
どんな声をかけただろうか?

もしも今の私より幸せそうだとした ....
ゆらゆらと ゆれているのは
あの水平線の曲率だ
タイドプールのうたかただ
存在のあいまあいまのいきつぎと
あるべきように ふるえている
水面で浮かんだ小魚のひれや
銀鱗に細められた ....
雨のおとがした

雨がようやくふっている
ごく薄い光が、土を透過していく。
草原の体が揺れ、水が、根や枝を広げている。

街はなにか約束を結んだ後のように沈黙している。

明るい方角を向くと、線路の北側は水圏。
草原の向こう、渓谷 ....
この服を脱ぎたい
そうしたら
気のいい単語と
すこしの助詞や助動詞たちを連れ
ピクニックにいくんだ

パラソルの下で
サンドイッチを食べる
貝殻を覗いて
蟹を見つけたり
珊瑚や不思 ....
寒さで萎れた花壇にスコップを刺した
霜が降りたから もうしょうがないから
厚手のダウンジャケットを着込んだ体で
刺して 土に還す
枯れてしまったな

溶かしたシュガーで偽になったコーヒーを ....
此処は何処よりも静かで
憎んだら自分が駄目になる
森の奥、新緑のラグーンが囁く
「もういいんだよ」
その声は耳に届かなかった
届いても降りて来なかった

自由という名の劇場
戦いはまだ ....
二〇一五年四月一日 「少年はハーモニカの音が好きだと言った。」

 これは、『ゲイ・ポエムズ』に収録した『陽の埋葬』の一つに書いた少年の言葉だった。ぼくがまだ20代だったころの話だ。なんで思い出し ....
全臓器を壊死させて
罹ったら120%死ぬし
どんな消毒にも耐えるので
感染を免れることは出来ない
そんな最強ウイルスが
超美人女子東大生
真行寺光ちゃんから発見された
政府は光ちゃんを拘 ....
銀の森へ行こう
君の果てと僕の果てが
かさなりあうところにある
銀の森へ行こう

銀の森へ行こう
そこには透明な木霊たちが棲む
たぶん 君も僕も
歌うことができなかった歌たちの木霊
 ....
人のいないところを求めても
ひとりぼっちはさびしい
群れのはずれで草を食む
天の川のほとりでぽつり
輝く恒星の影にいる

自分では光れない
誰かの真似をしないと
なにもできない
誰か ....
バスは満員
電車も満員
ひとびとは水底に四角くならんで
青くひかる
ぶつかり合わない程度に
ゆれあい
いつか
自由になれるんだろうか

乗り物を降りると

豆腐屋が通りを ....
今回も首の皮1枚繋がって、
切り口からはえてきた新しい顔。
貴方の影が優しい
正直に生きるしかなかった私を笑っているようで
噛み締めた唇から、消えかかる花の色が滴り落ちる

畦道、脱輪したワゴン
降りて様子を見ている貴方の背中がまだ大きい
無防備に ....
あのときの写真みたいに笑いたい



僕はぼくの町を見ないで歩いてる



風に掻き消されても良かった言葉



月が居る 脳とか服の左側



この淡い色をそのま ....
夜が深まっていく
連絡がつかない、繋がらない
隣室からコツコツと壁を打つ音、間欠的に
遠くの森を手繋ぎ歩いた愛娘は
青春を謳歌しているだろうか、今頃

夜が深まっていく
オレンジジュース ....
一人旅を覚えたあの日
握り締めた切符の温もり
まだ掌に残っている
初めての出会い
在る筈だった身体の一部のように
再会を喜び、同じ血を通わせた

何処へ行くのも一緒だった
何を見ても、 ....
物心 コップの水が有限のようにも無限のようにも思った。



音なしで大人しいけど画面から騒々しさは想像できる。



歩くたび無数の宇宙を踏みつぶしている気がして、靴底の黒。
 ....
あなたみたいにゆっくり生きられたなら
そう呟きながら
その細い指先摘まんで額に押し当てる
ひんやりとした感触が
あなたの優しさなんだとわかる

私の指はどうやら幸せを掴むためじゃないみたい ....
青い青い夕暮れ、イチョウの葉が金の鳥となり羽ばたいてゆき
「おつきさま こんばんは」と絵本の言葉で
三日月指さす この子の目はきらきらしている
月のおそばにいる あかるい星は
燭とり童というん ....
さよなら兄弟 俺は生きるぞ
君らの分まで 俺がナンバーワン
子宮のベッドは 空きが一人さ
俺が行くんだ 長いトンネルを抜けて

エンブリヨ・ブラザーナンバーワン
お別れだ みんなによろしく ....
鬼は外
福は内
豆まき

…独り
張り巡らされた枝の投網を
小鳥はすり抜ける

月の形に貼られた和紙が
空の水色を透かし

細い絵筆を並べたような
ポプラの ....
インターネットをハンモックにして寝る


数々のかすかな星と霞む月


i光年先のi年前を見る


楽しそうにぼくらの声が反射する
昨日から
降ってはときおり止んで
降り続くから
朝か夕か分からなくなる
冬の雨は
うすぼんやり温かい
雪になりそこねた雨に
ずっと昔にも出会ったことがある

時間のあわいのような色の ....
そのキャッチコピーをナイスキャッチした


名前より前からお前さんがいる


アニメオリジナルの髪色と口癖


たとえ忘れても亡くならない心


あの人の小説みたいに降った ....
暗くなる写真 笑顔のまま揺れた


きみが鳴らしたその一音のことを想う


空が青くてあなたが笑っている


忘れても この目を閉じても残る風
大晦日にだけ現れる道歩く


蜘蛛の巣につかまった風 ゆれている


雪がふる 時が止まったように白


窓ガラス あなたが星を描いただけ
透明な姿になってしまう前に、
好きだった景色をこの目に焼き付けておきたいと思った

一喜一憂の中に浮かぶ心
きみの記憶に降り積もっていく色彩
過ぎ去って風よりも透明になったもの

寒い夜 ....
mizunomadokaさんのおすすめリスト(1913)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Interlude- かとり自由詩10*21-2-3
もうひとつ- 妻咲邦香自由詩321-2-3
ふるえるということ- 新染因循自由詩321-2-2
雨の時制- 道草次郎自由詩4*21-2-2
Interlude- かとり自由詩3*21-2-2
この服を脱ぎたい- 道草次郎自由詩8*21-2-1
枯れてしまったな- 中村 く ...自由詩221-2-1
プロポーズ小作戦- 妻咲邦香自由詩5*21-2-1
詩の日めくり_二〇一五年四月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩17*21-1-31
ウイルス戦争- 花形新次自由詩121-1-31
銀の森- 塔野夏子自由詩3*21-1-31
corona- 木屋 亞 ...自由詩2*21-1-31
豆腐のうた- 自由詩17*21-1-31
【また来て斬首。おはよう新顔】_- 足立らど ...自由詩521-1-30
幽体離脱- 妻咲邦香自由詩421-1-29
月の裏側にある詩がほしいね- 水宮うみ川柳5*21-1-29
繋がらない夜- ひだかた ...自由詩721-1-28
染みの在処- 妻咲邦香自由詩421-1-28
手紙が飛んだこと。- 水宮うみ短歌6*21-1-27
ペイスリー- 妻咲邦香自由詩9*21-1-27
夜、夜- 田中修子自由詩721-1-27
エンブリヨ・ブラザーナンバーワン- 紀ノ川つ ...自由詩421-1-26
節分- ヨロシク自由詩121-1-26
光の春が- Lucy自由詩8*21-1-25
俺が眠ってるときだけ流れる星- 水宮うみ川柳3*21-1-24
あわい- そらの珊 ...自由詩9*21-1-23
オリジナル- 水宮うみ川柳4*21-1-19
浅瀬に残った- 水宮うみ川柳3*21-1-16
時を折る- 水宮うみ川柳3*21-1-12
浮遊憂いの目- 水宮うみ自由詩3*21-1-9

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